今日は一日外来診療でした。

手術の申込みは白内障2人、眼瞼下垂2人、霰粒腫1人でした。

 

白内障のお一人は近視が強い方で両眼同日で予定を組みました。

両眼の手術の場合、基本的には右と左と別々の日に手術を行うことが多いですが、希望の見え方(レンズの種類や度数)がはっきり決まっていて、近視や遠視が強くて片方の手術が終わってメガネを掛けられない等の不自由が予想される時は両眼同日で手術を行っています。

一回で両眼の手術が終わってしまうのは、ある意味、とても楽チンですが、片眼ずつ別の日に手術を行うメリットもあるため、どちらがよいかよく考えて手術の予定を組むのが大切かと思っています。

両眼同日手術と別日手術のメリット・デメリットはまた改めて詳しく書きたいと思います。ちなみに、『両眼同日手術はリスクが高いですか?』と質問されることがありますが、使う器具を左右別に新しい物を使い、きちんと手術すれば、両眼同日でも別日でも手術合併症のリスクは全く変わらないと考えています。

 

外来では『10日前から左眼が見えにくい』といらっしゃった40代後半の女性は、眼底出血を起こしていました。その原因は網膜の血管(静脈)が詰まってしまう網膜静脈閉塞症という病気で、網膜の中心部の黄斑に浮腫(黄斑浮腫)を起こし視力が0.5くらいに低下していました。

黄斑浮腫の量もそれほどではなく、自然に回復することもあるため、まずは止血剤と血流改善薬の内服で少し経過を見て、改善がなければ、抗VEGF薬という網膜の浮腫を取る薬を眼に注射する治療(抗VEGF薬硝子体注射)を考えたいと思います。

眼に注射というと、怖いと感じるかと思いますが、痛みもほとんど無く、適切に注射を行えば、まず合併症もなく1〜2分程度で終わり、ほとんど心配の要らない治療です。ただ、細菌感染は注意が必要なので、術前と術後に抗菌薬の点眼をきちんとすることが大切です。

 

↑網膜静脈分枝閉塞症