今日の午後は手術でした。

手術の内訳は白内障10件、眼瞼下垂1件、涙管チューブ挿入1件、黄斑上膜の硝子体手術1件の予定でした。

 

予定でしたというのは、最後の硝子体手術が器械(コンステレーション)のトラブルで手術できず、延期になってしまいました、、、

患者さまにはせっかく準備いただいたのに、ご迷惑おかけしてしまい、本当に申し訳ありませんでした、、、延期にご理解いただき、どうもありがとうございました。

でも、手術途中でのトラブルだったらもっと大変だったと思うので、まだ始まる準備段階で不幸中の幸いだったのかなと思います。

 

手術機器に関しては全てメーカーの保守に入り、定期メンテナンスを行い、万全のつもりでいましたが、今回、本当によい経験になりました。このようなことも想定し、今後、しっかり対策を考えていきたいと思います。

 

白内障は半分の5件がトーリックレンズといって乱視を矯正するレンズを使いました。

乱視は全くゼロにする必要もないですし、トーリックレンズを使えば、必ず乱視を減らせるものでもありませんが、術後に乱視を残してしまうと、裸眼の見え方に影響して見えにくさを感じさせてしまうので、なるべく裸眼の見え方に影響が出ない程度に減らしたいなと思っています。

 

乱視には軸(方向)があり、トーリックレンズの軸を合わせる必要があります。

通常は手術室で目に水平方向の印をつけて、それを基準に実際の手術でトーリックの軸を合わせること(マニュアル法)が多いですが、僕のところでは、CALLISTO(カリスト)といって、術前のデータを手術画面上に表示する器械を使って軸を合わせています。マニュアル法もしっかり行えば、よい結果が得られますが、ちょっとした加減でズレが生じる可能性があり、CALLISTOの方が正確性はあるかなと感じています。また、マニュアル法では金属製器具(マーカー)を目の表面に押し付けて圧痕をつけるので、これはこれでちょっと患者さんには負担になり、CALLISTOの方が患者さんにとっては楽かなと思います。

 

↑CALLISTOの画面

 

白内障の最後の方はIFIS(術中虹彩緊張低下症候群)といって、前立腺肥大の薬(α1受容体遮断薬;ハルナール、ユリーフ、フリバスなど)を飲んでいる方に多いのですが、虹彩(茶目)がふにゃふにゃになって、瞳孔が小さく閉じてしまうちょっと難しいケースでしたが、無事、終わってよかったです。ちなみに、前立腺の薬を術前に止めてもこれを防ぐ効果はないとされ、また、尿閉が起こっても困るので、基本的に前立腺の薬の内服は続けていただいて問題ありませんし、しっかり飲んでいた方がよいと思います。

 

明日は土曜日ですが、今週ももう1日頑張ります!