先週の土曜日、治験のため1年間通い続けた尼崎へのお勤めが終わった。
1年通い続けてすっかりこの街が好きになった。阪神電車で気軽に行ける場所だし、用がなくなってもまた訪れたい。
過去数回尼崎に通い、お昼は神座か王将でお昼を取るというのが筆者のルーティンだった。
その後は「あまさんぽ」しつつ乗り鉄したり、聖地巡礼(涼宮ハルヒを訪ねて西宮北口に行ったりした)するのが楽しみだったが最後の日、無性に神戸に行きたくなって阪神電車を西に乗り進め、神戸三宮に降り立った。

この日は1月18日、あの1.17の翌日だ。
あれからちょうど30年。NHKの朝ドラではあの大震災をメインテーマとした「おむすび」が放送中だ。それもきっかけのひとつだ。やっぱり「あの日」のことを思い出さずにはいられない。無性に神戸に行きたくなったのだ。
それともうひとつの理由。
震災から3年経ったある日、当時付き合っていた元カノと訪れた思い出の地。幸せだった「その日」のことを思い出したくて、できる限り二人で訪れた場所を辿りたくなったのだ。
ここで何度も漏らした想い。今が絶望に苛まれているからこそ、幸せだった日をプレイバックしてみたい、最早死にかけの最期の望み。
三宮を降り立ち、最初に向かったのは北野、新神戸方面。海と山が近い神戸ならではの光景を眼に焼き付け、長い北野坂を登った。
神戸ハーブ園行きのロープウェイ乗り場が近づいてくる。
この日はロープウェイには乗らなかったが、山麓駅の売店に漂うアロマの優しい香りがあの日のことを思い起こさせる。
何故か大切に保存されていた昔の写真を思いだし、ほぼ同じアングルでパシャリ。

26年3ヶ月経ってもちっとも変わってない、ANAホテル裏の新神戸駅です。
変わったと言えば、樹木が育っているくらい。
間違い探ししてみてください。
山手の思い出をたっぷり頂いた後は浜手方面へ。山と海を短時間で満喫できるのは神戸ならでは。三宮駅を通り越し、東遊園地を少し散策した後はメリケンパークへ。
知らず知らずに「日本一短い国道(174号線)」を端から端まで完歩してました。

メリケンパーク。
ここにはあの震災の爪痕を当時のままに遺している場所がある。震災3年後の1998年にも元カノと一緒に訪れている。

筆者は大阪で間接的に被災したに過ぎないが、報道で見たあの光景が30年経った今でも脳裡に焼き付いている。筆者のおばは芦屋の家を失ったし、被災した飼い猫を引き取りもした。
前を向くために、忘れてはいけない「過去」も心に刻んでおかなくてはならないのだ。
というこじつけでもないのだが

こちらの「過去」もほじくり返したくなって、同じ場所を必死に探していたのだった(上の発言を台無しにすなっ!)。
そしてたくさんの神戸の映える光景の中で、筆者がいっちゃん好きな「陽を浴びるポートタワー」を臨む。

いつだったか(震災前)の夏の早朝。
岡山の墓参りに向かう阪神高速神戸線から見た「朝日を浴びるポートタワー」の美しさに惚れ惚れしてしまったのだ。
飽きるほどポートタワーを見尽くして、元町方面に移動。
元町と言えば中華街・南京町。
ここはポートピア'81の頃からの馴染みの場所。
小さな頃に親に連れられた場所で、何故か黄色い軟膏と独特の匂いとのセットで印象に残っている。ここで450円の北京ダックを買って食べ歩き。

団体旅行でもなければ、デートでもない。
話し相手も思い出を共有するパートナーもいないけど、これが筆者の旅のスタイル。最早ポリシーなのだ。気楽で気ままなひとり旅。
気兼ねの要らないのがいいもんだ。
で、人目も憚らずくっちやくっちゃ食べ歩き。
旅の雰囲気を独り占めして楽しんでいる。






