【執筆年月2024年3月】
緊急投稿を除いてしばらく旅ブログが続いたが、少し話題を変えようと思ってみた。
大勢の目の前で話をする事が苦手、って人が多い中、筆者は逆に全く苦にしない。
むしろ進んで手をあげるタイプ。
しかし生まれつきそんなことが好きだったかというと、幼い頃は目立つことが大嫌いで、陰に隠れるタイプだった。
最初のキッカケは何だっただろうか。
モノマネという特技を身につけ、小学校のクラスで披露した事だったか。
いわゆる「クラスのオモロい奴」みたいな扱いを授かり快感を覚え、高学年になってクラブ活動は演劇部を選んだ。
中学生になってバスケ部を1年で辞めて、また演劇部に入った。
人前で自分の言葉で演説ぶちかます初めての経験は、生徒会役員の立候補だった。
ただし生徒会長とかではなく、会計監査という陰の役職ながら「ここで机を叩く」「ここで数秒間オーディエンス全体を見回す」などト書きを加えた台本まで作って演説に全精力を注ぎ、当選を果たした。
脚本や演出という楽しさを見つけた中学生時代でもあった。
高校時代は吹奏楽部でパーカスを担当し、舞台発表の機会はあったが、人前で話すという機会には恵まれなかった。
現在の「大勢の目の前で話すことが苦にならない」最大の根拠となったのは、大学放送局での経験であることは間違いない。
これはまたの機会で詳しく述べるが、少し興味があって勧誘を待っていたところに誘いがあり、アナウンサーという切符を手にいれた。
放送局では毎日夕方に発生練習という名の日課があった。
本来の長音・短音や、早口言葉などの滑舌のトレーニングに加え、当番制でお題を決めて話し方や表現力を磨くようなことをした。
「人前で話をするのが苦手」とか「自分の意見をうまく言葉にできない」とか「報連相が苦痛」とか悩んでいる方にも是非お勧めしたいトレーニングを幾つかご紹介したい。
一つは「なんでも実況」
とにかく今目の前にある風景、動きを実況に乗せてみること。
「今、私は15号館キャンパス前に来ております。30人ばかりでしょうか、学生が目の前を通りすぎております。若干女性の割合が多いようです。皆さん口数少なく黙々と急ぎ足で過ぎて行きますね。…晩秋の少し冷たい風が頬を刺します。服装も暖色の厚手のコートが目立ちます。キンモクセイの香りが……」など五感を駆使して、見えるもの感じるものをどんどん言葉にしていきます。
色んな場所、色んなシチュエーションで実況を繰り返すうちに思ったこと、感じたものが言葉で表現できるようになります。
もちろん、ボキャブラリーの豊富さも求められます。同じ赤色でも、紅葉のようなとか、炎が燃えるようなとか、トマトケチャップのようなとか色んな表現ができるようになります。
あと昔流行った「マジカルバナナ」みたいな遊びも侮れません。
連想力が試されます。
○○と言えば、から話を展開させる。
これはアドリブ力を鍛えてくれました。
昔、父親から「頭のいい人の話し方」みたいなのを教わった。それはやはり語彙力と数字を使った根拠の例示。言い方を少し変えてみるだけでも他人とは違った表現ができるようになる。
少し話は逸れるが当時(高校から大学の頃)、よくラジオで聴いていたのが「コサキン」。
殊にラビーこと関根勤さんの言葉の選び方には毎回ハッとするものがあった。
そこでその単語が出てくるか?という言葉の引き出しの多さに横隔膜がレロッと口から出てくるような驚きを感じたものだった。
意表を突くというか「人と違った単語のチョイス」に一つの憧れを持って、こんな風に表現できるようになりたいと思ったものだ。
とにかく言葉で表現するということを徹底的に鍛えてきました。
ステージ企画のMCも何度かさせてもらいましたし、取材やインタビューもさせてもらいました。作家の藤本義一さんやタレントのリリアンさん(いずれも故人ですが)へのインタビューなど学内報道機関だからこそできた貴重な体験でした。リリアンさんからは「アンタごっつ素敵な人やわ」とお褒めの言葉もいただき、言葉のキャッチボールが楽しく思えたひとときでした。
インタビューの極意は入念な下調べ(相手の人となりや考え方などを研究し、相手を立てる言葉遣いに留意する)と、聞き上手になること。
コレに尽きますね。
聞き手の表情もポイント高いです。
同時にコミュニケーション能力も身につきました。とにかく人と話をすることが好きになります。そしてそれは突き詰めれば「人間が大好き」という発想になっていきます。
だんだん話が大きな方向に行ってしまいそうですが、次回からはそんな大学放送局時代の思い出を綴っていきたいなと思っておりますです。