【執筆年月】2011年1月
1998年3月の出来事


御殿場着は既に日没後だったので、富士山は拝めなかった。

近くのスーパーで、お菓子とオールドの小瓶

を買う。
オールドの小瓶をポケットに忍ばせ、車内でグビグビやる…そんなアウトローな事をやってみたかったのだ。

翌朝、天気は晴れ。澄んだ青空に富士山はよく映える。

有り難い気持ちで富士山を仰ぎ、御殿場を後にした。

(写真は拾い物ですw)

御殿場から国府津終点まで乗り、海道本線に再会する。
本日の一つ目の目的地は横浜。横浜駅のロッカーで荷物を預け、根岸線関内へ。
ハマスタを横目で眺め、山下公園、中華街などを散策した。
見慣れた神戸もいい街だが、洗練されたアダルトな横浜もまた格別だった。

石川町から根岸線を遠回りで大船方面へ、大船から横浜に向かい、荷物を取る。
ここで二泊目の宿探しをするため時刻表を開く。
23区内は高いので少し外れた場所をと、白羽の矢を立てたのは埼玉の西川口
どんな場所かは知らないが、西川口なら横浜から京浜東北一本で行ける…

当時手に入れたばかりのPHSで予約を入れた。


首都圏で一泊5,500円ならまぁいいだろう。

とりあえずチェックインと荷物を置きに行くため西川口に向かった。
駅を降りてまず目に付いたのは「30分12,000円」などの看板の多さ。
ここは首都圏有数の「花街」だった。
だが今回の目的はそれではない。まぁ尤も当時はまだ「脳内リミッター」は正常に機能していたので、そんな誘惑には負けなかった。

荷物を置き、田端から山手線に乗る。せっかくだから山手線一周しようと考えた。内回りで池袋へ。
まだブクロの「怖さ」を知らないで、薄暮の池袋の表の顔を適当に見て高田馬場へ。ここも適当に散策し、新宿は後回しで渋谷に向かった。
(写真はイメージ)

そして道玄坂をウロウロしていた。
裏通り。ふと目をやると「無修正」の貼り紙が…

西川口の花街の誘惑には負けなかったが、渋谷の無修正には負けてしまった。

騙され半分で思わず今晩のおかずを買ってしまったのであった。

その後、山手線一周の旅は原宿、恵比寿、品川を通過し、有楽町で下車。
銀座のメインストリートを闊歩して東京駅へ。
この時何度目かの東京だったが、池袋、渋谷、銀座は初めてだった。
すべてテレビで見たのと同じだと「おのぼりさん」丸出しで、インスタントカメラを撮りまくっていた…
東京から中央線新宿へ。東口のお馴染みの光景を焼き付けて、宿に帰った。

西川口の普通のビジホで見た「今夜のおかず」は、本当に無修正だった…


あとがき(2024年3月のコメント)
まずはオールドの小瓶について触れときましょうか。
あれから現在に至るまで憧れは持ち続けており、未だにチビチビやっとりマス。
昔の西部劇やマフィア物等のハードボイルド系洋画なんかではお馴染みのシーンだったですね。
なんでも「スキットル」と呼ばれる金属製のポケットサイズの容器に移し替えて携帯するのがいなせなスタイルなんだそうで。
周囲には「中身はお茶」と言ってテキトーに誤魔化してますが、普段お酒を飲まない人には通じませんでした。そらそうよねぇ、匂いでバレるわな 度数37% のお茶なんぞ (苦笑)

旅の2日目はいよいよ首都圏突入です。
まずは横浜。
写真がフィルム写真(しかもインスタント)を無理矢理電子化したものなので、画像荒くちょっとお見苦しい点は勘弁ください(汗)

関内から徒歩で回れる範囲を散策してみました。まだ朝だったと記憶しており、土産物店は営業してたものの食事には早く、グルメは堪能しなかったと思われます。
てか、この日何食ったか覚えてねぇ!
(朝食を御殿場のホテルで取った以外)

横浜を出て京浜東北線を一気に埼玉県まで駆け抜けて向かった先は西川口。
最近では不良外国人が問題化されているアノ川口です。
当時は吉原や川崎堀之内などに並ぶ (ハイそこっ、タケちゃんマンの歌が流れたあなたは老人会入り確定ですっ) 花街、すなわちフーゾク街でしたが、この頃のチェリーな筆者にとってそんなこと知る由もなく、着いてビックリな感じでした。これまたエロいエラいとこ来てもうたなと。

首都圏で素泊まり一泊 5,500円が高いのか安いのか。
最近のほうが格安ホテルなど充実していてしかも、ネットで容易に検索も比較もクーポン利用もできちゃうから消費税率の違いを考慮してもリーズナブルになっていると思っている。
当時の「時刻表の巻末」ぐらいしか情報源がない時代では最安値 5,500円が限界だったんだろうな(情弱感)

そんな西川口に荷物を置いて、山手線一周(プラス中央総武線と埼京線)の旅に出た。
途中下車した駅(ラチ外)は池袋、高田馬場、渋谷、有楽町(から東京駅まで徒歩)、新宿。
ブクロの怖さ」を知ったのはこの旅からわずか一年弱のちのコトでした(池袋13万円事件)。

道玄坂の裏通り(道玄坂小路)もまた妖しげな場所で、しかもよりによって何でこんな所ウロツいてんだ?と思ったか思わなかったか「無修正」の文字に目を奪われた23歳のチェリーくんはフラフラーと古本屋に入ってったんですね。
所謂「ビニ本」 マジもんのアレでした。
もちろんチェリーでもそれくらいは知ってましたが、簡単に手に入るものでもないもんだと思ってたので、変なところで「流石ニッポンの首都TOKYO」と感心したのでありました。
ただ値段は結構したんじゃないかと。
しかしその時初めて目にした(ゴニョゴニョ)に、チェリーくんはお値段以上の (以下、自主規制)
この日の食事内容を覚えてないのは「今夜のおかず」が刺激的過ぎたせいだと思っている。

話前後しますが、銀座や新宿は写真やテレビ映像じゃない実物を見た、という驚きと感動は確かにありましたが、前日の名古屋のように「トリコになった」ならなかったの違いはなんなんでしょうか……
予備知識量の違いなんでしょうかね、期待値どおりだったのか…

次回はそんなメトロポリタンな街から遠ざかってゆく物語です。
何処へ向かうのでしょうか…
(もう下ネタはございません)