先日のお稽古では、先生が短棹を弾いていました。
短棹は、通常の三味線より棹が少し短めに作られています。
通常サイズより高い音が出せます。
通常の三味線は、だいたい8本くらいで調弦するのが限界ではないかと思います。
それ以上高い本数で弾くと、糸が強く張られて切れやすくなります。
ただ、女性で声がとても高い方や、子どもさんの伴奏をするときは、
8本では低くて唄いにくい場合があり、9本、10本などさらに高いキーにする必要があります。
そんなときに活躍するのが短棹です。
通常サイズではチューニング不可能でも、短棹なら調弦できます。
11本くらいまでなら対応できるようです。
この前のお稽古で先生が短棹を弾いていたのは、高い声の人の伴奏をするためではなく、
単に、近ごろ短棹に触れていなかったため弾いてみただけとのこと。
三味線は、しばらく音を出していないと、いつの間にか皮が破れてしまうことがあります。
それを避けるため、普段使わない三味線でも、ときどきは弾いてあげる必要があるわけです。
私は普段、曲にもよりますが、だいたい5本から6本で唄うことが多いです。
今習っている「信濃追分」も、家では5本で唄っています。
先日のお稽古の時、先生が私に7本で「信濃追分」を唄うよう指示しました。
普段私が唄っているキーより1音も高いです。
たかだか1音かもしれないですが、かなりキツイです。
案の定、唄い始めの音が出せませんでした。
この曲は、唄い出しの音が特に高いんです。。。
自分が出せる声のうち、低い声には限界がありますが、
高い声は訓練次第でだんだん出せるようになると聞いたことがあります。
私は、まだまだ訓練が足りないようです。
教える立場にある人は、どんな声の持ち主にも対応できるよう楽器の使い分けをしないといけません。
それに、低いキーでも高いキーでも唄えないと、生徒にお手本を見せられません。
広い音域を持っている必要があります。
先生って、大変。そして、すごい。
短棹を見て、つくづくそう思ったのでした。
いつか先生のように唄えるよう、明日も練習頑張ります。