彼は私より2~3歳上ですが中途入社の同期として20代から30代にかけて一緒に働きました。私とは気が合って公私に渡って付き合いました。彼は婿さんで奥さんの実家の二階に同居、いわゆるマスオさん状態でした。同僚たちと飲みに行ったり河原でバーベキューをしたりしていても数時間経つと早く帰りたがります。彼は家族が最優先で我々との付き合いも用が済めばさっさと帰りたいということなのです。地方出身なのですが自分でも(同僚の他に)友達と呼べる人は居ないと言ってました。それでもその状況を残念に思ったりはしていません。また趣味と呼べるものも持っていないのでとにかく私生活のほとんどは家族とだけ過ごす人なのです。

 

面白かったエピソードがあって、ある飲み会で誰かが日帰り旅行を言い出したことがあったのですが彼は奥さんに説明しづらいから行けないと言いました。そのとき誰かが「友達論」を言って聞かせていました。いわく「友達っていうのは家族や彼女に嘘をついたって一緒に何かしたいと思うもんだ。お前は友達いらないんだなあ」とのこと。マスオさんの彼はそんなことを思ったこともなかったようできょとんとしていました。彼には友達という存在は不要なのか、私のことを今でも友達だと思っているのか、とにかく付き合えば楽しくて性格の良い人なのですが友達とは言い難い人でありました。

 

私は友達とは毎週のように一緒に飯を食べたり同じ趣味について話し合ったりしていて、友達の居ない人生は考えられないのですが世の中そういう人だけではなさそうです。