キアラン(29) | 平気で嘘がつける日に

平気で嘘がつける日に

小説を書いています。たまに載せていましたが、別サイトで小説を書くようになりました。まあ、普通のブログです。お気軽に絡んでいただければと思います。

 し…しまった!
 私はあわてて口をふさぎ、ドアのほうを振り返る。
「ふう…。よかった。聞かれて無いみたい。」
 それにしても……扉間か……。そうだっ!この写真を直せばいいんだ!
 小声で呪文を唱える。
「物に宿る精霊よ。時をさかのぼり姿を示せ!」
 写真は、青白いまばゆい光が写真を包み込んだ。
 光が濃くなるにつれ、写真も直っていく。
 光がだんだんと小さくなる。
 光が完全に消えた後、私は写真を手に持った。
「―――!これは!」
 写真から見えたのは、驚くべき人物だった。

「ただいま~」
 空はだいぶ暗くなっていた。
 もうこの時間なら叔父さんはいないだろ。
「おうっ!おかえりっ」
 玄関の近くにあるキッチンから聞き覚えのある声が聞こえた。だが、それは使用人や両親の声ではない。
 俺はゆっくりとキッチンの扉を開けた。扉から覗き込んで、人物が分かったとき大きく声を上げた。
「アーノルド叔父さん!」
 アーノルド叔父さんは、コーヒーを椅子に座ってすすっていた。
「はっはっはっ。ちょっと遊びに着たんだよ。そういえばな、怒ってたぞ?おまえの言う嫌いな叔父さん。」
 いいんだよそれぐらい。あの人嫌いだし……
「まあまあ、そういうなよ。ああいう人だって要るんだからちゃんと受け止めろよな。それより、やってみるか?」
 何を……?
「修行だよ。どうせなら手にしてみたいだろ?」
 叔父さんは上手にウィンクして、笑った。

 屋敷から離れた森の中に移動した。
 森は木々が丁度少なくなっており、木は無い。そのため、広場のようになっていた。
「おしっ。これぐらいで大丈夫だろう。」
 叔父さんは大きな丸太を持ってきて、俺の目の前に置いた。
「何だよ……?これ……」