し…しまった!
私はあわてて口をふさぎ、ドアのほうを振り返る。
「ふう…。よかった。聞かれて無いみたい。」
それにしても……扉間か……。そうだっ!この写真を直せばいいんだ!
小声で呪文を唱える。
「物に宿る精霊よ。時をさかのぼり姿を示せ!」
写真は、青白いまばゆい光が写真を包み込んだ。
光が濃くなるにつれ、写真も直っていく。
光がだんだんと小さくなる。
光が完全に消えた後、私は写真を手に持った。
「―――!これは!」
写真から見えたのは、驚くべき人物だった。
「ただいま~」
空はだいぶ暗くなっていた。
もうこの時間なら叔父さんはいないだろ。
「おうっ!おかえりっ」
玄関の近くにあるキッチンから聞き覚えのある声が聞こえた。だが、それは使用人や両親の声ではない。
俺はゆっくりとキッチンの扉を開けた。扉から覗き込んで、人物が分かったとき大きく声を上げた。
「アーノルド叔父さん!」
アーノルド叔父さんは、コーヒーを椅子に座ってすすっていた。
「はっはっはっ。ちょっと遊びに着たんだよ。そういえばな、怒ってたぞ?おまえの言う嫌いな叔父さん。」
いいんだよそれぐらい。あの人嫌いだし……
「まあまあ、そういうなよ。ああいう人だって要るんだからちゃんと受け止めろよな。それより、やってみるか?」
何を……?
「修行だよ。どうせなら手にしてみたいだろ?」
叔父さんは上手にウィンクして、笑った。
屋敷から離れた森の中に移動した。
森は木々が丁度少なくなっており、木は無い。そのため、広場のようになっていた。
「おしっ。これぐらいで大丈夫だろう。」
叔父さんは大きな丸太を持ってきて、俺の目の前に置いた。
「何だよ……?これ……」