山には神様がいると信じられています。



山の神様がくれた水。というフレーズの飲料水もありますね。



林業では、古くから山には神がいると信じられており、毎年12月12日が山の神の日と言われており、その日は山には一切入らずに祈願祭などを行います。




全ての山を統べるといわれる「大山祇神(オオヤマツミ)」や、富士山の神「木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)」が有名でしょうか?


おふたりは親子です。



姉妹である「磐長姫(イワナガヒメ)」も忘れてはいけませんね。



一般的には12月12日とされるようですが、地域によって異なるようで、ぼくの地域では1月12日が「山の神の日」とされていて、会社の氏神神社にて神主さんに祈願をしていただいた後、餅つきや新年会などを行います。



ちなみに、この日は祈願祭も仕事の一環なのでお酒を飲んで給料がもらえるシステムです。



山の神様の恵みです。






また、神社の御神木などを代表するように木々や樹木には生命が宿っているとされています。




「精霊」や「木霊(コダマ)」というような表現もありますね。




特に神社やお墓周りの樹木を扱う場合は、作業前に祈願やお祓いを行ってから始めます。




全産業の中で、林業の「事故・死亡率」はトップなんです。普通にやっていても高い死亡率なので、何かが起こる前に細心の注意と樹木への敬意をはらって作業します。





「木を切る」という行為、字で表すと簡単です。




ですが、自分の倍以上の年数を生きてきた樹木の命を奪うことに他なりません。



ただ奪うわけでなく、人の生活の一部として「木の命を授けていただく」わけですが、自然、そして樹木への感謝の気持ちをもって作業することが大切だと思います。




先人達が大切にしてきたように「山の神の日」に自然へ感謝し、山からの恵みをいただけたらと思います。




神社の御神木は800年、1000年生きてきたとされる木が多くありますが、屋久島の屋久杉は2000年経過した大木もあるといいます。



また、神社などで多く使用される檜(ヒノキ)は伐採後、200年かけて強度を増し、1000年かけて元の状態へ戻っていくと言われています。




山の神様のくれた木材。



腐りやすい「生モノ」ですので大切に扱い、みなさまの生活の一部として活用する為、山から搬出できればと思います。