こんにちは。
玉森林人です。
今回は「森林整備」とはどんな事なのかを説明していきたいと思います。
森林整備には大きく3つの役割があります。
「木を育てる」
「地盤を強くする」
「水の流れを管理する」
これら3つの機能を同時に行えるのが、「除伐・間伐」と呼ばれる“木材を間引く行為”です。
スギやヒノキは植える際に、天候や動物などの外的要因から苗の全てが残るとは考えずに「間引く前提で多めの数」が植えられています。
林業業界では除伐・間伐のされていない荒廃した森林のことを「混んだ山」などといいます。
「この山は混んでるなー」
「めっちゃ混んでますね」
「多めにすいてやるかー」
みたいな謎の会話をします。
木が密集して混んでいて、風も日の光も入らない状態が除伐・間伐を必要とする「混んだ山」です。
混みすぎた木を間隔を見ながら切ってあげる。
木と木の隙間をあける行為を「除伐・間伐」といいます。
隙間をあけた結果、森林には多くの風と日の光が入り、隣同士がぶつかっていた木々も成長を促進し大きくなります。
風は木や植物に必要な二酸化炭素を運び、地表を乾かします。
日は植物の光合成を促して力強く成長させ、今まで暗かった地表に光が届く事で地面に草が生えます。
木が育つと根も大きく張り出し地盤を支え、枝葉も大きくなることで光合成の量も増え酸素を多く作れます。
大きく育った木は水の保有率も高くなり、多くの雨を吸収できます。
このように、ただ木を切って隙間をあけるという行為をするだけで、森林には様々な変化が起こります。
災害の原因とされる荒れた山とはその逆です。
「木が密集して混んでいる」
「風も日も入らず地表はジメジメしていて草も生えていない」
「木は横への成長ができない為に根が張れず、細く勢いもない」
大雨で地盤が緩み土砂崩れを起こしても不思議はないと思いませんか?
このように災害面から見ても森林整備は木が生えている以上、必要不可欠な行為になります。
また、「木を育てる」という面からも、先日説明した“利益として成り立たない林業”を変える為に、適切な「除伐・間伐」は必要な作業になります。
日本には「三大美林」と呼ばれる地域があります。
詳しくわけると天然林、人工林から3つずつあり
天然林
青森県の青森ヒバ
秋田県の秋田杉
長野県の木曽ヒノキ
人工林
静岡県の天龍杉
三重県の尾鷲ヒノキ
奈良県の吉野杉
美林に共通することは、美林と言われるように木の間隔が整えられていて、見た目も美しい。
木の間隔の調整で木の成長をコントロールし、木目も美しい木材を作れる。
しっかりとブランディングされた木材は市場価値も高く、一般の木材より高値で取引されています。
歴史の詳細はそれぞれですが、多くの地域で400年~500年以上の昔から森林の管理が始まり木材として、地域の自然として保護してきた経緯があるようです。
こうして昔から整備をしっかりやってきた森林が、現代で数少ない「成り立っている林業」としての代表となります。
6つの美林以外にも同じように昔から整備され、林業として成り立っている地域は多くあります。
またそれは、荒廃した山を美林として整備できれば、20年後、100年後、数百年後に資産として形成できるということを立証した結果となります。
「地球の守りプロジェクト」では現在の利益より、将来の利益を見据えて森林の整備を行いたいと思っています。
しかし、利益なき会社に未来はありません。
解散した林業公社とは違い、しっかりとした森林整備のブランディング、効率化を目指す。
現在の荒廃した森林は、林業公社が残してくれた原石でもあります。
磨き方をしっかり考え、現在から利益を出す。
地域や山村の雇用を作り、未来の自然環境としての森林資産を残す。
それが国土の68%を森林として保持する日本を守り、地球を守ることにつながると思います。
そのために現在の抱える問題点を解消できる施行方法を考え、提案し、実行していきたいと思います。