追憶のタマ伸也
バンドヒストリー
皆様に支えられて
本日なんと第七弾!
こうなりゃ中学校編
終了まで行くぜッ!

主な登場人物。

1 タマ伸也
  9弦ギターを掴まされ
  ギターに対し内向的に。
  ミーハーな傾向と裏腹に
  音楽的マニア自負するも
  単に節操無いとの評判も。
2 ソーマ
  兄の影響でエルビスや
  ツェッペリンといった
  オールドロック好き。 
  流行の音楽に懐疑的。
  かなりの頑固者。
3 ススタ
  常に学年トップの秀才。 
  ただロックはあまり知らず
  そこをつけ込まれメンバーに。
  典型的眼鏡君なルックス。
4 オック 
  メンバー中、最も思想的に
  ロックを捉えていた早熟少年。
  よってパラノイアな奇行多し。
  ロッキンオン愛読者。
5 クリーニング渡辺
  メンバー中唯一の女子生徒。
  どうやらオックが好きらしい
  との情報の元に勧誘する。
  実家クリーニングママ号。
6 原坊
  新任美人体育教師。
  普段着ている体育着は
  超ボイン故に男子生徒に
  好奇の眼差しを浴びる。

いよいよ音楽室に
ドラムが運び込まれるの。

勿論授業用に机が
並んでるんだけど
後ろのスペース
占拠しちゃって。

んでまずドラムを
置くんだけど
配置の仕方とか
よく分かってないし
とにかくドラムが
一番珍しいから
センターにドンッ!
って置いちゃう訳。

普通は全体の
真ん中の後ろに
置くっつーのッ!

もうドラムそのものの
存在感に圧倒されてるの。

更にスネアとかタムタムとか
ドラムを組み立てるんだけれども
その並べ方が分からないのね。

ほんとはスネアって
股に挟むように
置くんだけれど
知らないからさ
バランス的に見て
座って左足の横に置くと
何か見た目がいいのよね。

んでその更に先に
ハイハット置いちゃって。

さぁ~って得意げに
俺座っちゃってさぁ
叩いてみるんだけど
やたら叩きづらいの。

無理くりハイハットまで足伸ばすから
思いっきりツッパっちゃってるし
ハイハット1回叩くにも
その手前にスネアあるから
手思いっきりぶつけちゃって。

でもドラムなんて
叩いたことないしさ
こんなものだろうな
って思ってさ

「やっぱドラムって 
 奥が深いな…」だって。

奥が深いなじゃねーっつーの。
置く位置が違うんだっつーの。


見た目重視の間違ったまま
セットが完了しちゃうの。

他のメンバーも
みんな楽器を
持ってきてね。

今回唯一楽器を
買ったのがススタ。

グレコのレスポール
を買ってきてるの。

多分5万円くらいのやつで
ギターとしては高くないけど
中学生にしちゃ大した額よね。

でもそのレスポールって自体が
完全に自分の趣味じゃないの。

絶対ソーマに
そそのかされて
訳も分からずに
買わされてるの。

ソーマ、レスポール
持ってなくてさ
でも大好きだからさ。

そんでススタがソーマに
ホラ、なんて自慢するの。

お前が欲しがってた
レスポールだぞ!
ってな感じで。

そうするとソーマが
ちょっと貸して
なんて言ってさ
いきなりバリバリに
弾きこなす訳よ。

嬉しそうにツェッペリン
かなんかのリフを弾くの。

それ聴いてみんな
おぉ~!とかなるんだけど
ススタだけ複雑な表情なの。

自分の買ったばっかりのギター
その廻りにみんなが集まって
これスゲーとか言ってるんだけど
弾いてる人が自分じゃねーからね。

さっきまで新品ギターで
自慢げだったのに
立場なくなってるの。

ママ号も兄貴の友達から
借りたっていうベースを
持ってきたんだけどさ
ベースって実物みると
すっごいゴツいのね。

ふくよかなママ号が
ゴツいベースを肩から
ぶらさげるとほとんど
軍人さんみたいなの。

オックはピアノだからさ
ひとりだけ輪からはずれて
教室前方教壇横にいるの。
ピアノは動かせないからさ。

ポツネンとピアノのとこに
一人いてさ何か弾いてるの。

何弾いてるのかなぁ
って耳をすますとさ

それがさぁ
「子犬のワルツ」
なのよ。

多分ちっちゃい頃に
習ったやつで今でも
ピアノの前に座ると
条件反射的に思わず
弾いちゃうんだろうけど
オックお前さぁ
普段ピストルズだなんだ
って一番言っててさぁ
それが思わず弾くのが
子犬のワルツなのぉ~みたいな。

しかもこっちじゃさぁ
ソーマがツェッペリン
弾いてるしさぁ
ススタはススタで
自分のおニューのギターなのに
返してって言えないで
得意げなソーマの横に
ただ突っ立ってるだけでさぁ

状況的にはどっちかって言うと
悲惨な感じなんだよね…。

教室の後ろの方で
ごっついベースを
肩からぶらさげた
軍人さんだけが
子犬のワルツに合わせ
首でリズム取ってたよ…。

それでもさぁこれでいよいよ
演奏って話しになるだけど…

本日も残念ながら
ここで時間一杯。
ってとにかく長いよッ!

乞うご期待されなくも
意地でも続く…。