グローブを置きます | 森本圭美オフィシャルブログ「たまにゃんロード」Powered by Ameba

グローブを置きます

昨日から、何度も書いては消し

書いては消しを繰り返してます

自分の想いを伝えるのは

本当に難しいですニャ



今回の試合のリングから下りて

バンテージをカットしてもらいながら

決めました



"すっぱりとボクシングをやめます"



負けたからやめるとかじゃない

負けたことは

きっかけにはなったけど……

負けるなんて思ってなかったし

勝ってたら、またズルズルと続けてたしね



どうしたら自分は満足するのか

いつかはやめなければいけない時がくる

自分の引き際は自分で決める

それは?

何のために続けてる?

半年くらい前からかな

自問自答を繰り返してました



たまにゃんの前に道はなかった

真っ暗な中を手探りで

ただリングに上がりたくて

何のアテもなくて

「海外で試合がしたい」

嘘か本当かわからない話に振り回されながら

やっとの思いで

タイのリングに上がれてからの

5年間……

ボクシングを始めてからは6年と少し

ずっと、ずっと

たまにゃんは苦しんできました

たまにゃんの苦しみ、不安、孤独は

わかってもらえないかもですが……

簡単に海外デビューできたわけじゃない

プロモーターと契約したからといって

順風満帆だったわけじゃない

常に先の保証なんかなくて

常にこれが最後かもしれなくて

タイトルを取ってからも

何も変わらない

みんな簡単に

「次、頑張れば」

て言って励ましてくれるけど

商品価値がなければ使ってなんかもらえない

常に、たまにゃんに次はない……



それでも今まで頑張ってこれたのは

応援してくれた皆さんのおかげです

今までも何度も諦めかけたけど

やめたら後悔する

それがわかってたから

苦しみながらも、しがみついてきました

でも、自問自答を繰り返してるときに



世界4団体のチャンピオンベルトを
手にしたら満足するのか?

ちがう……



大きなファイトマネー?

ちがう……


もっと有名になれたら?

ちがう……



あの時に本当は、やめててもよかったんだ

て思ったことがあるんだよね

初めてタイのリングに上がった時

気持ちよかったあ~~

最高だったあ~~

2戦目でいきなりフォンファーとタイトル戦

決まったのは1ヶ月もなかったし

でも全力で向かったんだあ

燃えつきたんだあ~~

試合後に興奮して2日間ぐらい寝れなくて

でも、その後に同じ興奮を味わえなかった

いつからか、またあんな気持ちになりたい

もう一度、あんな興奮を味わいたい

そのためにボクシングを続けてるんだと

いう答えにたどりついた

欧米とかで強いチャンピオンに挑戦できたら

また同じ気持ちになれるかな?

あの興奮を味わえれるかな?

そうしたら満足して、燃え尽きて

やめれるかな……

燃え尽きたい……



今回の試合には

初めてのタイ以外の試合で

初めて2ヶ月も前に決まり

初めて計量前日の移動

初めてのことだらけでした

自分に言い訳や後悔が残らないように

自分の置かれた環境の中では

精一杯に練習も減量も仕事も休み

家事も手抜きをして準備をしました

初めて応援Tシャツを作って

ありがたいことに完売しました

体調もよく、精神的にも安定していて

減量の影響もありません

敗けは、たまにゃんの実力不足です



今回の試合は

初めてプロボクサーとして扱ってもらえました

今まではタイには航空券は自腹

ファイトマネーはなしだったので……

航空券も出て

とても豪華なホテルが用意されてて





ホテルのロビーには壁一面に試合の宣伝





計量会場に入る手前の通路にも

こんなのが並んでて




計量会場です

全てのカードが

前座扱いじゃなくて

記者のカメラがバシャバシャでした

無事にアンダーで計量をクリアしました



ちゃんとパンフレットもあります





革の表紙のサイン帳にサインをしたり

ホテルで食事をしていても

従業員がサイン帳を持ってきたり……



試合会場に向かうバスに乗って驚いたのは

街の道路の両脇にずっと

写真入りの大きな看板が並んでて

大きな建物の上にも大きな看板が(゜ロ゜)

会場が目に入って

目を疑いました

ドーム会場(゜ロ゜)

出来たばかりの会場の初めてのイベントらしい

たまにゃんの控え室もある





何千人か万人かわからないけど

試合前の会場には観客がすでに入ってて

歌手がステージで歌ってるのを

覗きにいくと

観客に写真を一緒にと頼まれて








たまにゃんの出番のときには

まずは日本国旗を持った

白人の綺麗な人について

スモークの中を

手を振りながらステージに出て

ステージの上でシャドーをするんニャ

そしたら会場の大きなモニター4面に

その姿が映し出されて

緊張どころか

最高にhappyで気持ちよくて

一旦、ステージを下りて

リングに向かって歩いてリングイン

満席の観客の歓声が聞こえる中を

リングの中を回って……

試合が始まっても

会場の大きな、どよめきが響いてて

TVカメラが、そこかしこで回ってて

中国全土に一斉放送と聞いてます

最高の舞台でした

最高に興奮して

最高に幸せでした



たまにゃんの前には

何も道がなかった

プロボクサーと呼ばれるようになっても

スポンサーも後援会もなく

専属トレーナーがいるわけでもなく

先の試合予定が組まれてるわけでもなく

ファイトマネーを手にしたこともなく

自分のどこがいったい

プロボクサーやねん……と思ってたけど

たまにゃんはプロボクサーなんだと

やっと実感できた時間でした



その大舞台で勝てなかった

勝ちたかったなあ~~

でも、これがたまにゃんの実力

これから先

もう、こんな大舞台に立てる可能性は

限りなく低い……

ノンタイトルなのに負けちゃった

チャンピオンなんて値打ちない

満足しました

やりきりました

そりゃあ、試合にかんしては

あの時に、もっとこうしてれば

あ~~してればと後になって思うけど

それも実力だから、仕方ない

いつかはやめなければいけないなら

今が潮時



今回の試合をマッチメイクしてくれた

バンコク愚連隊さんは

完璧なセコンドをこなしてくれました

計量後にすぐに飲み食いできるように

電解質のドリンクやバナナを用意してくれて

バンテージや、鼻血の止血も手際よく

本当に何から何までお世話になり

何よりも、こんな大舞台に

立たせてくれたことに感謝してます

それと初めてのファイトマネーも♪



今まで応援してくれた皆さま

本当にありがとうございました

自分でいうのもなんですが

よく、ここまでやってこれたものだと思います

応援してくれた皆さまに

どれだけ支えられてきたかわかりません

ひとりひとりにお会いして

お礼が言いたいです



やり残したことはありません

4大タイトルを手にすることは

できなかったかもですが

以前にもblogで書いたことがありますが

「頑張ってもいい権利が欲しかった」

だから、たまにゃんの夢は

とっくに叶ってます

ずっとボクシング中心の生活で

華やかな経験をするほどに

未練はあります

できることなら

ずっと華やかな世界にいたいです

100%未練がなく

やめれる人はいないんじゃないかなあ

昨夜も試合の夢を見て

うなされちゃいました

でもね、たとえ勝ってても

たまにゃんの状況は変わってない

先の予定はないってこと



じゅうぶん苦しみました

そして誰よりもhappyでした

誰も経験できない

貴重な経験をさせてもらいました

ボクサーとしての

たまにゃんは幕を閉じますが

これからも、たまにゃんロードは続きます

どうぞ、よろしくお願いします