はてさて、誕生日当日。
町で予約したケーキも、思った以上にすばらしく。ちょっと、自分が想像していた、感じとは違いましたが、注文したうさぎも、メレンゲでウサギ人形のような物を作って、デコレーションしてくれました。

男子軍団は、ばっちり、資材調達も終え、夕食のメニューは、

チキンと、ヤギ肉のカシミール風串刺しバーベキュー

玉葱のチャツネ レモン、チリ風味(塩、レモン、チリ、ブラッククミンと水にさらした玉葱と一緒に合えた、即席漬けのようなもの)

玉葱のカシミール風ライタ(みじん切りした玉葱を、塩、ドライミントとヨーグルトで合えたもの)

ミックスサラダ

カシミール風揚げポテト(サイコロ状のジャガイモをギーで揚げて、マサラを振りかけたもの。)

カシミール風ジャガイモのチャツネ (マッシュポテトに薄~~く輪切りにした、フレッシュグリーンチリ、薄くスライスした玉葱と、カラッと揚げたタマネギスライスを混ぜたもの)

チャパティ

と、こんな感じ。

お肉は、夜食べるために、お昼ぐらいから、ヨーグルトとマサラに漬け込んでおきます。

そして、今日は、ジーの弟が、カシミールから到着。こちらで、やっているお店の下準備でやってきました。
お土産のおもちゃ持参で、子供達は大喜びです。

とまあ、こんなわけで、お昼頃から賑わい始め、まだまだ夜会まで時間があるという事で、それぞれ出かけたりと、各自自分の用事を済ませに。
チル、ミルとカラと私は家でお留守番です。

5時近くになって、そろそろ下準備でも、と思い、カラに尋ねます。ジーに手順確認の電話するね~と言って、ジーに確認。「うんうん、わかってる、オニオンはスライスね、ハイハイ・・」
電話を切ると、「まだまだ時間あるから大丈夫、手順もばっちりだし、肉はもう浸けてあるし、後でやればいいよ」とカラ。
カラは外でチルとドーザー作りに大忙し、家具屋さんで貰ってきた、木片やら余り木などを使って、トンカチやってます。と、ミルは?ベッドで一人で遊んでいたと思ったら寝てしまっています。
それにしても、もうそろそろ6時だしなあ・・・。少々心配になってきます。まあ、ジャガイモを茹でて、サラダ作るぐらい今のうちにやっとくか。と、キッチンへ・・・。
すると、カラもキッチンへ。そうこうしているうちに、ジーがピヌを連れて帰ってきました。
「あれ??今切ってるの??芋は??」と言って、カウンターにある鍋のふたを片っ端から開けて確認。もちろん、なにもない。
「ちょっとっっ!信じらんない!な~~にも用意してないの?あんた達が準備すると思って、ピヌを連れてずっと、外をさまよってたのに~~~っっ怒!」とジー、かなりお怒りの様子。
「だってよ~~、また勝手に用意すると、ああーだ、こーだ、おまえ文句言うじゃんかよう~。それに、おまえ、電話で自分でやるとか言ってただろ?」とカラ。
「それにしても、あんた何やってたの?今まで・・・」とジーに聞かれて、
「ん??俺はおまえの息子とドーザー作りに忙しかったのさ!」と悪びれもせず、豪語。
「なんのために、あんた、電話して来たのよ~~~~~~~っ!!!!」とジー。

にしても、こういう出来事。うちはしょっちゅうなのです。コミュニケーションがしっかりとれていない上、カシミール人同士、カシミール語が通じ合わない・・・。
なぜなのか・・・。

皆でわいわいがやがやキッチンで討論していると、もう6時半。ジーはケーキを取りに町へ。
「ケーキ取りにいってくるから、これとあれとこれ、やっておいて!今度こそ、絶対だからね!!」
と言い残して、チルとお出かけ。ミルは相変わらずお昼寝中。ピヌはタリル君とお外を徘徊中。
カラと私はキッチンで下準備を始めます。

7時近く、義弟が帰宅。ジーとチルもケーキを抱えて帰ってきました。
相変わらず、準備は難航・・・。大人3人がキッチンであたふた、あたふた・・・。
皆で、口論したり、いちゃもんつけあったりしながらの作業になるので、時間がかかります。
8時近くなっても、準備は終わらず・・・。子供達の遊び相手をしていた、義弟も旅の疲れもあるのか、眠ってしまいました。子供達は相変わらず、大興奮で遊んでいます。

「マダム、マダームっ!」と凄い勢いで、タリル君がキッチンへ私を呼びに来ました。
「大変ですっ!義弟さんの顔に、子供達がシーツやら布団をかけて、窒息させようとしていますっっ!」え~~~っと、思って見に行くと、取り込んだ洗濯物全部が義弟の顔の上に乗せられ、義弟はそのまま熟睡。子供達の姿はありません。
・・・タリル君、窒息すると思うなら、あの洗濯物どかしてあげてくれるかなあ・・・
タリル君、とてもユニークな少年です。

とこんなわけで、8時半頃やっと、準備が整い。夜会の始まりです。

お肉もよく焼けて、子供達から、お皿に盛りつけて、食べ始めます。
チャパティにお肉に、チャツネ、サラダを一緒に包んで、ラップサンド風に食べるのが、私のお気に入り。
カシミール人軍団は、サラダは食べず、チャパティもあまり食べず、お肉とチャツネのみ食べます。
食にうるさい、義弟からは、芋料理が2種類ある・・・とブーイング。
うちで、作っている、レモンの酵素ジュースも、
「おえ~~~っ!なんだこりゃ!」と言って、飲まず。義弟がなんだこりゃっ!と言うと、美味しがって飲んでいた子供達も、
「おえ~~~っ!なんだこりゃ!」とクスクス言って、飲まなくなります。

まあ、皆表向きモスリムということもあり、バーベキューと言えど、夜会と言えど、お酒は無し。
もちろん、中には飲む人もいますが、飲まない人の気分が害されるのでは・・・?という事を考慮し、皆お酒はタブー。私も授乳中なので禁酒中。
飲みたい場合は、さすがに外国人と言えど、モスリムでないと言えど、このしきたりを理解してしまうと、
なんか失礼に当たるような気になり、大っぴらに飲もうと思えなくなります。なので、飲みたいときは、
分からないように、コップに移しかえて飲みます。ケララでは、お酒が簡単に手に入らない上、質が悪いので
飲む気にもなりませんが、日本にいたとき、モスリムと一緒に夜会をするときは、ささーっとキッチンに行って、ブランデーをコップに入れて、酵素ジュースやソーダと割って飲んでいました。
なんで?悪い事している訳でもないのに、なんで隠れなきゃいけないの???と思いますが・・・。なんか、後ろめたいんだよな~。何よりも、どんなに私はモスリムじゃないから、と言っても聞こえないふりをする人や、大変悲しそうな顔する人、すごいショックを受ける人、とこういうリアクションを取られるので、皆の視線が痛いのと、本当は飲みたくて、飲みたくて、あらゆる戒律から自由になりたいのに、モスリムだから自由になれない・・・自由にできる人が羨ましいという、視線なども痛くて、なかなか大っぴらに、お酒は飲めないのが、現状です。なので、ムスリムのお楽しみパーティードリンクは、コーラやスプライト。
コーラやスプライトは、誰かのお宅を訪ねるときのお土産にも大変喜ばれる品です。

さっさと食べ終わった子供達は、ケーキが早く食べたくてしようがありません。大人達、まだまだ食べ終わっていませんが、一足早く、ローソク灯して、誕生日の歌を歌うという、イベントを終了させ、子供達と私だけ、ケーキを食べる事にします。とりあえず、皆に声をかけますが、基本的にカシミール人甘い物にあまり興味が無いので、皆「ああ、俺はあとで食べるよ」という返事になります。唯一、おこちゃまなタリル君のみ、「マダム、僕は今食べちゃいます。」と恥ずかしそうに、一言。
インドのケーキ、たいがい甘すぎたり、クリームが超偽物な味で美味しくないのですが、今回注文したケーキは、合格!とっても美味しかったです。

そんなこんなで、11時近くまで、子供達は大騒ぎ。
無事、夜会終了となりました。

はあ~~、終わった、終わった。
皆様お付き合いありがとうございました。