2022/07/10 2010年第3問です。

  この問題文通りですと,難度は(1)で【3】(標準),(2)は【5】(難)になります。

 

  (2)の問題文を「Pのy座標が負でないとき,Qのy座標が正でないとき…」とすると,

 (2)は【4】(やや難)でしょう。

 

2022/09/30 文章の一部,式の一部を修正しました.

 

2023/07/11 文章の一部を修正しました.

 

2024/07/11 解答に必要な基礎事項を補足しました.

 


 

(1) 下図のように点A,Bなどをとり,∠PAO=θとおき,PO//HC(Hは円C2の接点)

 

  となるように直線HCを引く.OP を固定して,△OPQの面積を考えると,

 

  点 Q を H の位置にとると,△OPQの面積が最大となります.

 

 

したがって,

 ∠POA=90°-θ/2,∠POA=∠HCB=∠QCB(平行線の同位角)=90°-θ/2

 

 ∠HBC=θ/2 となるので,点P,Q(H)は,θを用いて

 

         

 

と表すことができます(0<θ<π)。

 

 △OPQの面積をθを用いて表した関数をf(θ)とおくと,

 

      

 

         

 

        

 

        

 

となって,

 

 

 

 

(2) P,Qがx軸上にあるとき最大になるので,問題文通りですと,「解なし」になる

のですが,大学入試で、「a,bを用いて表せ。」と聞いておいて,「解なし」では,

出題ミスの可能性が高いでしょう。もしくは(1)だけの出題でよかったのだと思います。

 

 問題文を変更したとすれば,

点Pをとると,面積を最大にする点Qの候補は,図のようにQ1(円の接線がOPと平行になる

接点)と,Q2(座標が(2b,0)のx軸上の点)になります。

 

 図のθ(0≦θ<π/2,θ=π/2のときOとPが一致して三角形ができない)に対して,

OPを底辺,それぞれh1,h2を高さとする三角形の面積を考えると,

 

      だから, 

 

 

(ⅰ)  のとき,  となるので,△OPQ1≧△OPQ2

 

   このとき, であるので,

 

    のとき,△OPQの面積は最大となり,その値は,

 

               

 

(ⅱ)  のとき, となるので,△OPQ1<OPQ2

 

   このとき,OQ2=2b(Q(2b,0)でx軸上)で一定だから,点PがP1(-a,a)のとき,

 

 △OPQ2の面積が最大となり,その値は,

 

               

 

 結局,最大値は  となります。

 

 

*)試験時間中に問題訂正もしくは問題削除はなかったようなので,(2)で考え込んで

しまった受験生は,点数的に不利になったのでしょう。

 

 一般的に削除問に時間をとられた受験生の救済措置はとられません。

 

*)解答に必要な基礎事項