第1問は力学です。(10),(11)は解いた経験があれば,形式的な計算ですぐ解けます。
問1
(1) 速さだけ求めるので,力学的エネルギー保存則です。
点Pにおける小球の速さをvpとすると(重力の位置エネルギー
の基準は点Bにとると)、
(2) 中心方向(半径方向)の運動方程式は,等速円運動と同じ
形になるので,垂直抗力をNとすると,
加速度の大きさは,
(3) 中心方向の運動方程式より,
(4) Bを通過した後は,等速直線運動だから,鉛直方向は力がつり
あっています。 ∴ Nb=mg
ということは,2mg[N}減少します。
(5) 点Bから点Cまでは力学的エネルギーが保存される。よって,
点Bにおける速さを求めると,(1)でθ=0を代入すると,
(6) Cから床面までの小球の運動は水平投射。鉛直方向は自由
落下だから,求める時間をtとして,
(7) 水平到達距離L=水平方向の速度×落下にかかる時間より,
問2
(8)(9) 台上の点Bにおける小球の速度をv,台の速度をVとすると,
運動量保存則より,
力学的エネルギー保存則より(重力の位置エネルギーの基準
は点Bの高さ)
これを解いて,
(10)(11) この手の問題に慣れているなら,台から見て小球がRだけ 右に動いていて,かつ,小球と台の速度の比が(8),(9)より,
M:-mなので,小球は床から見て右へ,
だけ移動し,台は床から見て左へ,
移動することがわかります。
上の考え方にピンとこない場合は,式を立てて解くしかないで
しょう。
小球と台の重心の位置に座標原点をとります。小球がAにある
ときの小球の位置をx1,台の重心の位置をX1,小球がBにある
ときの小球の位置をx2,台の重心の位置をX2とします。
水平方向の外力がなし ⇒ 2物体系の重心の位置は不変
台から見て,小球はRだけ右に移動したので,
この2式を解いて,
と同じ結果が得られます。(11)は負号をつけて答えます。
(11)(12) 小球と台の水平方向の相対速度は,(8),(9)から,
小球が落下にかかる時間は,(6)と同じだから,台の右端と小球と
の距離Lは,
(13)(14) 上の式の根号内を平方完成すると,
したがって,
となります。
2019後期は物理は75分です。(10),(11)の経験があれば,15分程
度で,そうでなくても25分あれば,完答は可能な問題だったといえま
す。