「驚異のバレエダンサー」として

ただ今現在、

どうしても目が離せないのが、

アルゼンチン出身で

英国ロイヤルバレエ団の

プリンシパルとして活躍中の

マリアネラ・ヌニェス。




プロポーションとしては、

ロシア系ダンサーのように

スタイルでまず目を惹く

スレンダーな大柄でもなく、

いわば中肉中背。




ただ、

どのポーズも、

どんな動きや姿勢から入っても

寸分の狂いもないのではと

思うほど、ピタリと決まり、

美しく、

軸のぶれが全くない。





例えば32回転のグランフェッテ。

どんなトップダンサーでも

最後の最後は

多少軸がぶれたり、

「(倒れず回り切れて)

ギリギリセーフか!?」

と内心ドキドキさせられる

ものだけど、

彼女の場合はそれがない。




頭から手先足先の隅々まで

全身の動きがコントロールされ、

破綻がない。

どれだけ体幹が強いのか。

ケガもしなさそう。

驚異の身体能力!




クルクル回れる、

あるいは

高いジャンプ力だけなら、

体操選手になればよいのだけれど、

バレエダンサーにとって

絶対必要な

高い表現力と音楽性。

これも彼女はズバ抜けている。




踊りというのは、

洋の東西を問わず、

振付は同じでも

踊り手によって

表現は全然変わるもの。




彼女が踊るのを見ると、

その作品に、

その役に、

一瞬にして引き込まれる。




先日、

黒鳥オディールを踊っているのを

ある動画で見た。

王子じゃなくても、

籠絡されちゃうこと間違いなしの

小悪魔性の表現力。

しかも品がある。




視線の投げかけ方、

王子を見つめる時間、

目力、

差し出す手の角度、

引っ込めるスピード、

指先の細かい動き、、、

この他にももっと

ここで計算されているであろう

動きのポイントがあるのでしょうけど、

彼女には「計算」しているフシがない。




あったとしても

それを感じさせず、

あっという間に

役に引き込んでしまう

強力な磁力がある。




この有名な場面を踊るダンサーを

これまで何人観てきたか

カウントできないくらいだが、

白鳥オデットに傾く王子を

誘惑する場面のせいか、

顔の表情でそれを表そうとすると

少々下品にブレたりする危険性が

ある。

それもない。

優雅この上ない。





音楽の寸法は変わらないのに、

欲張っていろいろ所作(動き)を

入れ込もうとすれば、

大方は「落ちる」。

つまり音楽から遅れるのが相場。




でも

彼女の場合、

他のダンサーには見られない

情感たっぷりの動きが入っているのに

音楽ともぴったりマッチして、

これまた破綻がない。

どうなっちゃってるの?

ほんと不思議。




何より

感じさせられるのが、

どの作品でも

「このバレエを踊れて、私、幸せ!」

という声が聞こえてきそうなこと。




そう。

だから彼女には

バレエの神様がついている。

間違いない。




ほんとに今、

目が離せません。



バレエ愛が深過ぎて

買ってしまった

バレエシューズ。



習ってもないのに

いつ履くの!?(笑)