最近弾いている曲で、すごく考えさせられ、様々なことに気づかせてくれる曲を紹介します。

 

気づかせてくれたのはこの曲(ノクターン第20番 ショパン)。

中学2年の時に『戦場のピアニスト』という映画でこの曲を好きになり、いつか時間がある時にちょっと弾いてみようと思っていました。

曲全体について書くと長くなるので今回はこの曲の前奏、頭から4小節に絞って書くことにします。

 

 

 

私の練習法

 

本題に入る前に私がよくやる練習方法を少し紹介します。

それは、

”自分が上手いと思った人の演奏を全てパクる”

”自分の演奏を録音して好きな音源と聴き比べる”

です。

 

ただただ動きを真似るとか、テンポの揺らし方、強弱を真似るというレベルではありません。息遣いやタッチ、空気感など音源を何百回と聴き、真似できるものは全て真似るのです。そして、演奏している時に自分に聞こえてくる音と、録音したものを客観的に聴きます。すると聞こえ方がまるで違うことに驚きます。

 

音源を良く聴きプロと自分の相違点を探し一つひとつ無くしていきます。自分の演奏とプロの演奏で違う場所があった場合、なぜそのプロはそのように弾いているのかを考えます。そして、自分もなぜそのように弾いているのか自分に問いかけます。

 

何も意識せずにいてプロと違う弾き方をしていた場合は素直にプロの演奏に合わせます。そのようにして、自分の出す音一つひとつになぜそう弾くのかといく根拠をつけていきます。

 

これを繰り返すことで、素人でもその曲から多くのことを学べます。

 

 

必要な音源

 

私は、上の練習方法を必ず実践しています。

そこで、必要になるのが、そう、私の好きな音源です。

 

今回は、某動画サイトで探しました。

超有名な曲だけあって日本語で検索してもかなりの量の動画が出てきます。しかし、できるだけ多くの演奏を聴きましたが、あまり満足できる音源がありません。。。

 

もう見つからないかなと思って諦めていたある日、私が好きなソ連のピアニスト、ブーニンの1985年のショパンコンクールの演奏を見ていて、たまたま関連動画で触ったのがブーニンが弾くノクターン20番!

 

開始4小節で鳥肌が立ちました。

その動画がこちらです。

https://youtu.be/E6qyY2xmeqo/

特にリンクを貼ることはしませんが、皆さんも何人かの演奏を聴いて見てください。そして、楽譜を見てみてください。(楽譜はネットに上げている人がいます)

 

今までずっと聴いてきたノクターンとブーニンの演奏。一番わかりやすい相違点は休符を弾いているか弾いていないかではないでしょうか。では、どちらが正しいのか。

 

楽譜を見れば明らかですが、ブーニンは楽譜通り休符を弾いているのです。大抵のピアニストはこなれてくるとこの前奏はさらっと流しがちになります。

 

しかし、この4小節。たった4小節で私はざわざわしている会場であっても黙らせられるくらいインパクトのあるものにできると感じます。それくらいこの前奏は大切です。私としてはブーニンくらいこの前奏に力を注ぎたいのです。

 

 

休符だけじゃない

 

 

この4小節、やってみるとかなり仕上げるのが難しいことに気づかされます。

まず、相当意識しないと和音のタテが合いません。上手い人はタテがピッタリあっていなくてもバランスや旋律が抜群に良く、気にならないですが、私のような人がタテがずれていると本当に聴けない演奏になります。

 

頑張って音の入りのタテを合わせたとしても次に出てくるのは音の切れるタイミングや切り方が揃ってなくて気持ち悪いという問題です。管楽器でいうリリース、音の処理の部分ですね。

 

これが揃わないとまたまた気持ち悪くて聴いていられません。

 

さらに全てが和音で動くため、それぞれの音の音量のバランスも難しいのです。

 

和音ひとつひとつのバランスも大切ですが、2小節で一つのフレーズになっていることも忘れてはいけません。

 

そんな意識でやっていくと、この4小節の12個の和音だけでも相当練習が必要となります。

 

 

この曲、特にこの4小節で休符を弾く難しさと、タテを合わせる難しさを改めて実感しました。

 

今度、5小節以降の苦難も書いていこうと思います!