今から15年前父親が入院した。
痛みを我慢することにかけては
右にでる者がいないというぐらいの父親がである。
父親は無類の医者嫌いでもあった。
そんな父親でも食事が食べれないという苦痛には
あっけなく負けたのである。
胃がんであった。しかも食道まで癌細胞があふれ出て
食道をふさいでいたものだから、食べたものが逆流してきたのである。
その頃は今のように告知が簡単に行われず
本人に隠して手術されることも多かった。
家族だけが病院に呼び出され、癌を宣告された。
翌日、母親と兄が帰ったあと、夕方メタボが一人で病室に見舞った。
父親 「お前、医者からなんか聞いとらんか?」
メタボ 「なんでだ?」
父親 「みんなしらじらしい雰囲気だ。」
メタボ 「癌らしいぞ。」
父親 「ひどいんか?」
メタボ 「ダメかもしれんな。」
その翌日メタボは医者に呼び出された。
医者 「勝手に告知してもらっては困ります。」
メタボ 「すいません。」
医者 「患者には告知されて『頑張ろう』というポジティブな人と
『もうダメだ』とあきらめてしまう人がいるんで、
私が様子をみて告知しようと思ってたんですよ。」
メタボ 「親父はどうだったんですか?」
医者 「よくわかりません。ただ昨日の夜、病院を抜け出して
寿司屋に行ってきたみたいで、お金ももってないから
ツケにしてあるようです。あとで払ってきてください。」
メタボが病院を出て寿司屋で会計を済ませる。
1万を超えている。
メタボ 「何たべましたか?」
寿司屋「大トロです。」
メタボも死の宣告されたら大トロ食べるんだろーな。