世界一周旅行者必見!



危険な感染症ランキングTOP20(抜粋)

【出典:http://sonicch.com/172159.html】


太文字は特に旅行者に注意してもらいたい感染症です。予防注射もあるので長期旅行者は出発前に是非打つことをお勧めします。

20位 B型肝炎
19位 ハンタウイルス感染症
18位 ポリオ(急性灰白髄炎)
17位 細菌性赤痢
16位 コレラ
15位 腸チフス
14位 ジフテリア
13位 結核
12位 腸管出血性大腸菌O157感染症
11位 新型コロナウイルス感染症(SARSおよびMERS)
10位 マラリア
9位 HIV感染症・AIDS(後天性免疫不全症候群)
8位 黄熱
7位 鳥インフルエンザ
6位 破傷風
5位 炭疽
4位 痘瘡(天然痘)
3位 ペスト
2位 狂犬病
1位 ウイルス性出血熱(エボラ出血熱など)





20位 B型肝炎


B型肝炎は、B型肝炎ウイルスに感染することにより発症します。B型肝炎ウイルスは人から人へと感染します。

【どうやってうつる】
患者との性行為やウイルスに汚染された医療器具の使用により感染します。患者から生まれた新生児は生まれた時点で感染していることがあります。

【症状】
感染して90~150日の症状のない期間があった後、倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛、黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなること)がおこります。皮膚発疹や関節の痛みが生じることがあります。
大人での死亡率は1%くらいです。一部の人で慢性化し、肝硬変になったり、癌化することがあります。

【治療】
急性のB型肝炎に対しては、症状を和らげるための治療が行われます。慢性化した場合には、抗ウイルス剤による治療が行われます。

【予防】
不特定の人との性交渉は避けましょう。コンドームを正しく使用しましょう。途上国では医療器具が汚染されていることがありますので、安心できる医療機関を確認しておきましょう。また、不衛生な場所での皮膚穿孔(耳ピアス、入れ墨や鍼など)を避けましょう。
リスクの高い地域に渡航する場合には、ワクチン接種をお勧めします。詳しくは専門医とご相談ください。

【危険のある地域】
世界中で発生しています。

【その他のウイルス性肝炎】
ウイルス性肝炎には、B型肝炎以外にも以下のものがあります。
A型肝炎:糞便から排泄されたウイルスが人の手を介して、水や氷、野菜や果物、魚介類を経て口に入ることで感染します。過去には、貝類による集団感染もありました。ほとんどは急性肝炎として発症し、慢性化や劇症化は稀です。
C型肝炎:ウイルスに汚染された医療器具や輸血用血液の使用によりうつります。ほとんどの人が感染初期には無症状ですが、慢性化することが多く、やがて肝硬変や肝臓癌に進行する例が多いため、恐れられています。
E型肝炎:A型肝炎同様、食べ物から感染します。しかし、A型肝炎より劇症化することが多く、特に妊婦と高齢者が危険です。
A型肝炎はB型肝炎と同様、ワクチンで予防できます。C型肝炎とE型肝炎にはワクチンがありません。




18位 ポリオ(急性灰白髄炎


ポリオは夏風邪の原因となるエンテロウイルスの親戚「ポリオウイルス」によって、急性の麻痺が起こる病気です。
ポリオが流行しているアフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンのほか、ポリオが発生している国に渡航する人は追加の予防接種を検討してください。
WHOでは、患者が発生している国に渡航する場合には、以前にポリオの予防接種を受けていても、渡航前に追加の接種をすすめています。
特に1975年(昭和50年)から1977年(昭和52年)生まれの人は、ポリオに対する免疫が低いことがわかっていますので、海外に渡航する場合は、渡航先が流行国でなくても、渡航前の追加接種を検討してください。

【感染経路/うつり方】
ポリオは、ポリオウイルスが人の口の中に入って、腸の中で増えることで感染します。増えたポリオウイルスは、再び便の中に排泄され、この便を介してさらに他の人に感染します。成人が感染することもありますが、乳幼児がかかることが多い病気です。

【症状】
感染しても90%から95%の人は症状が現れずに、知らない間に免疫ができます。しかし、感染してから3日から35日後に、発熱、頭痛、のどの痛み、嘔吐、下痢などのかぜに似た症状が現れることがあります。
さらに、腸管に入ったウイルスが脊髄の一部に入り込み、主に手や足に弛緩性麻痺(だらんとした麻痺)が現れ、その麻痺が一生残ってしまうことや、呼吸困難で死亡することもあります。

【治療】
麻痺の進行を止めるための治療や、麻痺を回復させるための治療が試みられてきましたが、現在、残念ながら特効薬などの確実な治療法はありません。麻痺に対しては、残された機能を最大限に活用するためのリハビリテーションが行われます。

【予防】
日本の定期の予防接種では、平成24年8月までは経口生ワクチンが使用されていましたが、平成24年9月以降は注射の不活化ポリオワクチンが使用されています。ポリオが発生している国に渡航する人は、追加の予防接種を検討してください。
流行している国では、食事の前に手洗いを十分に行い、口からの感染を予防しましょう。




10位 マラリア

【どういう病気?】
マラリア原虫をもった蚊(ハマダラカ属)に刺されることで感染する病気です。
世界中の熱帯・亜熱帯地域で流行しており、2013年12月に公表された統計によると、1年間に約2億700万人が感染し、推計62万7,000人が死亡しています。日本でも100人近くが輸入感染で発症しています。
1週間から4週間ほどの潜伏期間をおいて、発熱、寒気、頭痛、嘔吐、関節痛、筋肉痛などの症状が出ます。
マラリアには4種類(熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、四日熱マラリア、卵形マラリア)あります。その中でも、熱帯熱マラリアは発症から24時間以内に治療しないと重症化し、しばしば死に至ります。
脳症、腎症、肺水腫、出血傾向、重症貧血など、さまざまな合併症がみられます。

【マラリアにかからないようにするために!】
・ハマダラカは主に夕暮れから明け方にかけて活動します。長袖・長ズボンを着用し、できる限り肌の露出を少なくしましょう。防蚊の最善の策は蚊に刺されないことです。
・虫よけスプレーやローションが使われています。国内で販売されている製品は、DEET(ディート)という有効成分が12%以下ですが、海外では、濃度が高い製品も使用されます。
濃度によって、効果の持続時間が異なりますので、こまめに塗る必要性など、予め情報を入手しておいてください。
・マラリアには予防薬があります。マラリア流行地へ渡航する際は、抗マラリア薬の予防内服を行うことが望ましいとされています。マラリア予防薬は、医師の処方が必要です。
渡航先の流行状況や滞在期間、活動内容、基礎疾患の有無などによって適応となる予防薬が異なります。ご自分の体調や渡航先について事前に専門医と相談し、必ず専門医の指示に従って服用してください。
予防薬を服用していても防蚊対策は必要です。

【速やかに治療することが必要です!】
・流行地に入ってから7日目以降にマラリアを疑う症状が出た場合、速やかに医療機関を受診してください。
・予防薬を内服していても感染することがあります。
・マラリアと診断されたときには抗マラリア薬を投与します。感染した地域やマラリアの種類によって使用する薬剤が異なります。予防薬と治療薬は別と考えてください。
・海外で症状が出たときのために、渡航先の医療事情を確認しておくことを勧めます。




8位 黄熱

【どういう病気?】
蚊(主にネッタイシマカ)に刺されることで罹る全身性の感染症です。
発熱、寒気、頭痛、筋肉痛、吐き気などの症状が出ます。
有効な予防接種があります。ワクチン接種は指定された施設のみで実施されています。
感染症法では4類に分類されています。人から直接は感染しません。

【黄熱にかからないようにするために!】
黄熱に感染する危険のある地域に入国する前に、黄熱の予防接種が推奨されています。1回の接種で、接種後10日目から10年間有効です。
高齢者では副作用が起こりやすくなります。接種後の十分な観察期間がとれるようにしましょう。また、生後6か月未満の乳児への接種は禁止です。
黄熱ワクチンは黄熱予防接種証明書(Yellow Card)の発行を伴うために各検疫所又は検疫衛生協会での接種となります。指定された施設以外の病院、クリニックでの接種はできません。
また、黄熱ワクチンは生ワクチンなので接種後28日間は他のワクチンを接種することができません。トラベルクリニックなどでワクチン接種の順番を相談したうえで黄熱ワクチンを接種することをお勧めします。
黄熱に感染する地域の多くは、同じく、蚊によって感染するマラリアやデング熱などの流行地でもあります。予防接種を受けても、蚊に刺されないように予防することが必要です。長袖・長ズボンを着用しましょう。
虫よけスプレーや防虫ローションなどをこまめに使用しましょう。但し、海外では、国内で販売されているものに比べ、有効成分濃度の高い虫よけ製品が販売されています。肌に刺激のないものをこまめに使用しましょう。

【感染が疑われたときは!】
通常3~6日の潜伏期間の後、発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐、下痢をおこします。重症化するといくつもの臓器からの出血や黄疸をおこします。致死率の高い病気です。
特別な治療法はなく、症状を軽くするための対症療法が行われます。早期治療で体力を保つことが重要です。
※発熱などの症状がでた場合、速やかに医療機関を受診してください。
※海外で症状がでたときのために、渡航先の医療事情を確認しておきましょう。









6位 破傷風

破傷風は、破傷風菌がうつることによってかかり、口や手足のしびれがおこる病気です。治療が遅れると死亡することがあります。

【どうやってうつる】
けがをしたときに傷口から破傷風菌が体の中に入ります。破傷風菌は、世界中の土のなかに存在します。特に、動物の糞便で汚染された土壌が危険です。

【症状】
感染して3日から3週間からの症状のない期間があった後、口を開けにくい、首筋が張る、体が痛いなどの症状があらわれます。その後、体のしびれや痛みが体全体に広がり、全身を弓なりに反らせる姿勢や呼吸困難が現れたのちに死亡します。

【治療】
発病した患者には、治療のための血清や抗菌剤を投与します。傷口の治療や呼吸をしやすくするための治療が行われます。

【予防】
予防接種が最も有効です。正しい方法で接種を行うと免疫が10年間持続します。前回の接種後10年をすぎた人には追加接種をお勧めします。犬などの動物にかまれたときは、狂犬病ワクチンと破傷風ワクチンが必要です。
旅行中にケガをしたときにも破傷風ワクチンが必要になることがありますので、早めに医師に相談して下さい。旅行先の不衛生な医療施設では、医療行為で感染することがあります。安心できる医療機関を確認しておきましょう。







2位 狂犬病

狂犬病は年間5万人以上が死亡する人畜共通感染症です。発症するとほぼ100%死亡します。狂犬病はほとんど全ての哺乳動物から感染する可能性があります。感染症法では4類に分類されています。

【感染経路】
ウイルスは感染動物の唾液に含まれます。哺乳動物に咬まれたり、傷口、目や口の粘膜をなめられたりすることで神経系の細胞に感染します。動物は前足をなめるので、ウイルスの付いたツメで引っかかれても感染を考えなくてはなりません。

【症状】
ウイルスが直接中枢神経を侵した場合、10日目あたりから、発熱、頭痛、全身倦怠や嘔吐などを起こします。一方、末梢の神経線維に感染した場合には、ウイルスは非常にゆっくりと脳へ向かうので発症までに数年の年月を要します。
発症後は、ものを飲み込みづらくなり、液体を飲もうとすると筋肉がけいれんするため、水を恐れるようになります(恐水症)。やがて昏睡状態となり、呼吸が麻痺し死亡します。

【治療】
哺乳動物に咬まれたときには、できるだけ早く病院を受診してください。
同時に、狂犬病のおそれのある動物に咬まれたら、傷口を石鹸と水(できれば流水)でよく洗い、消毒液で消毒します。空気に触れると直ぐに感染力が弱まるウイルスです。
粘膜から感染する可能性があるので、決して傷口を口で吸いださないでください。
医師はWHOが定めた基準に沿ってワクチンの必要性を判断します。咬まれたときの状況、咬まれた後の処置の仕方などをできるだけ詳しく説明してください。
ワクチン接種が必要と判断されたときには、医師の指示に従ってワクチンを接種してください。接種は複数回を受ける必要があります。
症状が発現したときには確立された治療法はありません。これまでに100万人以上の人が命を落としており、助かった人は数名しかいません。
日本でも、2006年に狂犬病の輸入感染例がありました。しかし、その前の発生例は1970年です。日本に狂犬病を診た医師はほとんどいないので、診断と治療が遅れる可能性があります。そのためにもワクチン接種は大切です。
狂犬病の発生がない日本では、常備されているワクチンは限られています。接種対象者が予めワクチン接種が可能であることを病院に確認し、病院の指示に従って受診してください。
日本での暴露後接種は0日、3日、7日、14日、28日、90日の6回です。地域によってワクチンの種類、接種方法、接種回数が異なりますので、海外ではワクチンの種類と接種方法の情報を聞いておくことが重要です。
ワクチンの種類と回数によっては、最初から接種し直すこともあります。

【予防】
全ての動物からする可能性があります。動物にむやみに手を出さないようにしましょう。
渡航地で動物と接する機会が多い場合には、暴露前接種という方法があります。暴露前接種は初回接種を0日とすると0-28-180の3回接種となります。
こちらも、海外での接種方法とは異なります。海外で追加接種を受ける場合には確認が必要です。






1位 ウイルス性出血熱(エボラ出血熱など)

ウイルス性出血熱は、ウイルスの感染によって高熱や重篤な出血症状を起こす病気の総称で、人から人へうつります。感染症法では1類の感染症に分類されており、人がかかると死亡する可能性が高い重大な疾患です。また、人以外のあらゆる動物に感染します。
ウイルス性出血熱には「エボラ出血熱」「マールブルグ病」「クリミア・コンゴ出血熱」「ラッサ熱」「南米出血熱」の5種類がありますが、この中でも特に有名なのがエボラ出血熱です。

【感染経路】
ウイルスに感染した動物や感染した人の体液に、傷口や粘膜が接触するとウイルスが侵入、感染します。
また、症状が出ている患者の体液等(血液、分泌物、吐物・排泄物)や体液等に汚染された物質(シーツ、衣類、医療器具、患者が使用した生活用品など)に傷口や粘膜が触れても感染することがあります。
現在は、未発症の患者からは感染しないと考えられています。ウイルスは飛散しにくい形状なので、通常は空気感染も起こりません。しかし、直接、飛沫を浴びた場合には感染する可能性があります。
エボラ出血熱とマールブルグ病は自然界のコウモリがウイルスを持っているのではないかと言われており、コウモリの排泄物を吸い込んだり、接触したときにうつる可能性があります。
クリミア・コンゴ出血熱はダニがウイルスを持っていることがあり、そのダニに咬まれることにより感染することがあります。
ラッサ熱と南米出血熱はネズミ類がウイルスを保有しています。ネズミ類との接触(ネズミの糞尿を吸いこむ場合も含む)、ネズミによって汚染された食品の摂取、食器の使用、塵や埃を吸いこむことによってうつります。

【症状】
2~21日(通常7~10日程度)の潜伏期間の後、38度以上の高熱、頭痛、筋肉痛、のどの痛みなど、風邪のような症状で始まります。嘔吐や下痢を伴うことも多く、嘔吐物や便に血液が混じることもあります。
やがて内臓機能の低下がみられ、さらに進行すると身体のいろいろな部分から出血し、死に至ります。
致死率は30%以上と非常に高く、特にエボラ出血熱では90%に達した事例もあります。

【治療】
ラッサ熱に関しては、早期に抗ウイルス剤を使用することにより、生存の確率を大幅に高めることができます。
それ以外のウイルス性出血熱には特別な治療法はありません。症状を軽くするための補液と対症療法を行います。早期に安静を保つことが有効であり、早期発見が重要と考えられています。
なお、感染症法で1類感染症に指定されているため、患者は強制的に隔離病棟へ入院させられます。

【予防】
ワクチンはありません。感染が疑われる人との接触、流行地域での行動は可能な限り避けてください。感染防御対策を行っている多数の医療関係者でさえも感染しています。
壁や机に付着した体液に触れるなど、予想もしないところが感染源になることがあります。周囲に付着したウイルスは感染力を保持していると考えて行動してください。
動物も感染しますので、動物の死体に近づくこと、触ることも避けましょう。特にコウモリには近づかないようにしましょう。加熱処理の信頼できない肉(Bushmeat)を食べることは論外です。
クリミア・コンゴ出血熱の予防のためには、ダニが特に活動が活発化する時期(春から秋)、ダニが多数生息する地域への渡航を控えます。屋外ではDEETを含有する虫よけスプレーを使用し、衣服や肌にダニが付いていないか確認し除去します。
ラッサ熱や南米出血熱の予防のために、ネズミ類がいるような不衛生な場所に近づかないようにするか、ネズミの駆除を行います。
一方、未発症の人は血液や体液にウイルスが出ていないので感染させることはありません。流行地に滞在した健康な人がウイルスを持ち込むこともありません。
善意を持って流行地を支援する人々には過剰な懸念を抱くことなく、冷静に対応しましょう。
アルコールなどの消毒薬だけでなく、石けんでも感染力をなくす効果があります。もし、感染の可能性のある患者と接触した場合には、直ちに石けんで体を洗うことを考えてください。

【感染の危険のある地域】
エボラ出血熱とマールブルグ病はアフリカ中央部で発生しています。
2014年3月にはギニアでエボラ出血熱の集団発生が報告され、西アフリカ(ギニア、リベリア、シエラレオネ)では夏以降に爆発的な流行がみられています。周辺国や医療支援を行った国でも感染例が報告されています。
ラッサ熱はヤワゲネズミが生息している西アフリカ地域が危険です。南米出血熱は中南米で散発的に発生しています。