何から話せばいいのか…


色々なことが重なって大変でした…いや大変な状態です…


文才なく思い出したことツラツラと書いてます


読みにくいと思いますがお付き合い下さい


先ずは経緯などから


純正ECUには決められたガソリン噴射量がプログラムされています




厳しい排ガス規制をクリアする為に極限までガソリンを薄くなるよう設定されてます


本来の性能を引き出す為にガソリンの噴射量を変更してやる必要があります


以前にも書きましたがコンピューターにも色々とある


1.純正ECUを書き換えてやる

2.純正ECU以上の高性能なコンピューターに変更する(フルコン)

3.純正ECUのプログラムを補正してやるコンピューターを取り付ける(サブコン)


1.安価で施工しやすいし信頼性もある 世界中で探しましたがやってるメーカーさんが見つかりませんでした そもそも書き換えできないECUなのかも⁉︎


2.最強コンピューター エンブレ調整できたりトラクションコントロール追加できたりします これも世界中で探しましたが見つかりませんでした もしかしたらYZF-R25辺りのフルコンが流用できるかもしれませんが高価過ぎて誰も買わなさそう


3.何社か候補ありましたが価格、流通量、情報の多さ、使いやすさ等からパワーコマンダーFCになったわけです



しかしサブコンだけでは機能しません


ダイノマシンを使って最適な空燃比を見つけてやります



人の感覚ほど当てになるものはないし人の感覚ほど当てにならないものはないって金言があるくらい


データを見ないと信用できませんし証明もできませんしね


これがセッティング画面



左側の数字がエンジン回転数

上がアクセル開度で0% 2% 5%ってアクセルどれだけ開けてるか画面上でわかります


中にある0や+5 -6ってのはガソリンを足したり引いたらしてる数字です


細かいでしょ?


キャブと違って隅々までセッティングできるんですよ


これだけ細かいから色々なテストできるんです


検証しまくります‼︎


フルコンや追加のオプションを取り付けたサブコンなら学習機能があって自動で最適なプログラムを作ってくれる物もあります


パワーFCは燃料噴射量を補正するだけの機能しかありません


サブコン本体費用+取り付け費用+セッティング必要


軽く見積もっても15万円〜20万円くらい必要となってきます


とてもじゃないけど現実的ではない


数百万オーバーのバイクになら出せると思いますが数十万のセロートリッカーなら厳しいかなと…


そこである程度のセッティングデータが入っててポン付けできて価格も抑えられたコンピューターを出せないかな?ってところからスタートしたんです


先ずは何もわからなかったのでテストライダーさんの車両にパワーコマンダーを取り付けてセッティング出してもらいます



ここで一つ問題が…


O2センサーをどうするか?


世間ではマフラー交換したりエアクリが汚れてたりとハッキリした答えがないまままO2センサーのエラーが出てるようです


調べていくとヤマハのO2センサーは過敏で有名なようです


ホンダCRF250Lは警告灯が点灯しても正常に戻れば自動的に消えました


セローは一回点灯すると診断機に繋がないと消えません


こんな厄介なもんそのままにしてたらセッティング出せないじゃないの?


O2センサーを残したまんまセッティングするかO2センサーを取り外してセッティングするか…


そもそもO2センサーのキャンセルの仕方わからんし


困ったのでダイノジェット社さんに問い合わせしてみたんです


答えは


O2センサー残したまんま使えますよ‼︎とのこと


ラッキーやんこのまま進めよう


しかしダイノマシンで回すと明らかに介入してる感じがするんですよね


大丈夫なんかな?と思いながらセッティングは無事に完了



アクセル100%開度のデータを見る限りO2センサーも邪魔してません


よかったよかった


テストライダーさんに乗ってもらってインプレお願いしました


低中速のトルクが全然違う‼︎って凄く喜んでもらえたんです


トルクがあるからどんどんスプロケットをロングにしていくセッティングで最初は14-48からスタートして15-48→15-47→最後は15-46で落ち着いたんです


これでもトルクモリモリで街乗りから林道遊びまで全てカバーできるみたいです


高回転は伸びが良くなったとのこと


そうなんですよ‼︎


純正のECUセッティングって低中回転域を薄くして高回転域を濃くするようになってます


出来上がったプログラムを見ると低中速でガソリン多く出して高回転からガソリン減らしていくようになってました


細かく言うと6000回転くらいまで薄くてそこからレブリミットまで徐々に濃くなっていってますね


ツーリングで使うとリッター45Km出てるそうです


凄いな〜


そんな感じで上手くいったので次の段階に入ります


それは


バイクの個体差を調べていったんです


完成したプログラムがどれだけ汎用性があるか確認する作業


個体差が大きくせっかく作ったプログラムが使えないってなると販売できませんので


新車、10000キロ以内の個体、30000キロの個体などダイノマシンで検証してデータ取っていきます


面白かったのは慣らし終わりたての新車より10000キロ前後走った個体の方がパワー出てたってとこです


おそらく色々な部分の当たりが出てきからでしょうね


慣らし後の新車はあちらこちら動きが硬かったです


ここでまたまた問題が発生します


テストライダー号のエンジンチェックランプが点灯したんです…


診断機で調べるとO2センサーエラー…


大丈夫って言ったやん


勘違いかもしれないのでエラー削除してもう一回テストしてもらったんです


それからしばらくしてまたエンジンチェックランプ点灯…


これはダメだ…


エンジンチェックランプが点灯した状況を詳しく教えて頂きました


他のお客様もマフラー交換だけでエンジンチェックランプが点灯してるようでその状況も詳しく教えてもらいます


一回目は走行中に誤ってキルスイッチを入れてしまいバックファイアーして点灯


2回目は沢を走行中に大量の水がエキパイにかかった瞬間点灯


キンキンに熱が入ったエンジンやエキパイに水がかかると点灯しやすいそうですね


キルスイッチでエンジン停止してる方気をつけて下さい チェックランプ点灯するそうです


エンジンチェックランプが点灯しててもエラーの原因わかってるのでそのまま走行してても問題ありませんが…他のトラブルでエンジンチェックランプが点灯した時わからないしずっと警告灯が出てるのが気になってしまいます


それにエンジンチェックランプの異常であってプログラムに問題はありません


点灯した後でも空燃比が変化したりせず絶好調でしたからO2センサーありのままで使えるは間違ってないですね


元々セロー用で販売されてるサブコンじゃないんです


海外用XT250に対応となってるので日本のセローと微妙に違うのかも知れません


しかしこのままでは売り物にならないレベル


個体差のデータ収集中でしたが急遽作戦変更


O2センサーを取り外してセッティングすることに


別のお客様にバイクをお借りできたので2号機とします


問題になってくるのがO2センサー


どうやって取り外すんかな〜って考えてたら


またまたまた問題発生


ショップ様からの連絡で『セッティングできません』


えっ???


ノイズが入ってスロットルポジションセンサーが取れません


スロットルポジションセンサーって?


スロットルポジションセンサーとは今アクセルがどれだけ開いてるかってECUに伝えてあげてる部分


正常な状態



ノイズ?異常な状態


青のカッコが今の位置です


アクセルを開いたら回転も上がりスロットル開度も上がっていくんですが…


アイドリング状態で勝手にアクセル開いとる…


2%〜5%をウロウロ…


エンジンが温まってくると10%付近まで上がってしまいます


(わかってる人の為にキャリブレーションの設定はキチンとしてます 手動でズラして設定すると2%.5%が取れませんでした)


これではセッティングできません


アクセル20%以上のセッティングはできるかもしれませんがアクセル開け始めとインジェクション特有のドンつき解消ができない…


ここからが大変でしたね


ファイナルセローは沢山のリコール問題があったのでそこかなって考えたんです


トータル3回リコールあった個体もあります


最終のリコール処理してもいまだに調子が悪いセローもあるようです


お客様のファイナルセローをかき集めて調べていったんです


奇跡的にリコール受けてない個体もあったのでラッキーでした


キャニスターがない旧型インジェクションセローも合わせて検証しました



検証してみるとスロットルを開けてないのにスロットルが開いてるとコンピューターが感知する個体がありました


上の動画であるような状態


ヤマハのリコール症状を見に行くと


①エンジンコントロールユニット(ECU)のプログラムが不適切なため、スロットルをわずかに開けた状態を保持すると、ECUがスロットルは閉じていると認識して燃料を減らし、燃焼室内に吸入される混合気が薄くなる。その状態からスロットルをゆっくり開けると、さらに混合気が薄くなり、最悪の場合、エンストするおそれがある。


???


逆になってるよね???


スロットルを閉じてる時 ECU側は少しスロットル開いてると認識してる???


もしかしてこれがリコール対策?


他にも②スロットルをわずかに開けた状態を保持すると、過度に燃料を増量して燃焼室内に吸入される混合気が濃くなるので、薄くしようと燃料を減らす制御が入る。その状態からスロットルを閉じると、燃料を増量する制御は停止するが、燃料を減らす制御は継続するため、混合気が薄くなり、最悪の場合、エンストするおそれがある。


③暖機途中にアイドリング状態を継続すると、排出ガスをクリーンにするために燃料を減らす制御が入り、燃焼室内に吸入される混合気が薄くなる。そのため、エンジン回転が不安定になり、最悪の場合、エンストするおそれがある。


2018年式の一部の車両ではスロットルボディそのものの交換リコールもありました


スロットルボディの個体差も原因の一つかもしれません


スロットルをわずかに開けた部分の症状を緩和する為にスロットルを少し開いてるよって擬似的な信号を送ってるのかもしれません


ダイノで調べてるとアイドリングとアイドリングからスロットル開度10%付近までで色々な症状が出てる感じ


・スロットルが開いてないのに開いてるって信号が出てるパターン

・スロットルを開けてるのに信号を拾わないパターン

・意味のわからないノイズが入るパターン…


これもう無理やろ‼︎アクセル開度0%〜10%付近のセッティングを誤魔化して上だけセッティングして売り出せばって悪魔の囁きがありましたがw


それはアカン‼︎


何とかこの状態を改善したい‼︎


ちょっと長くなるのでその1はここまで


その2へ続きます


ではまた🖐️