MAG2 NEWS:“政界のビッグモーター”維新の会が街路樹1万本を撤去計画、自ら「第2自民党」宣言で剥がれた化けの皮2023.08.22より転載します。
 
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https://www.mag2.com/p/news/582735
 


在阪メディアを巧みに操り党勢を急拡大させるも、ここに来て支持率の下落に見舞われている日本維新の会。馬場代表が自党を「第2自民党でいい」とした発言が大きな物議を醸しましたが、彼らはこの先、どこに進もうとしているのでしょうか。今回のメルマガ『ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)』では著者の伊東さんが、支持率低下の原因を考察。さらに過去「第2自民党」と呼ばれた政党が辿った悲惨な行く末を紹介するとともに、維新を増長させてきた在阪マスコミの姿勢を強く批判しています。

プロフィール伊東 森いとうしん
ジャーナリスト。物書き歴11年。精神疾患歴23年。「新しい社会をデザインする」をテーマに情報発信。1984年1月28日生まれ。幼少期を福岡県三潴郡大木町で過ごす。小学校時代から、福岡県大川市に居住。高校時代から、福岡市へ転居。高校時代から、うつ病を発症。うつ病のなか、高校、予備校を経て東洋大学社会学部社会学科へ2006年に入学。2010年卒業。その後、病気療養をしつつ、様々なWEB記事を執筆。大学時代の専攻は、メディア学、スポーツ社会学。2021年より、ジャーナリストとして本格的に活動。

止まらぬ支持率下落。自ら「第2自民党」発言の維新が辿る末路

ここにきて、日本維新の会の支持率が低下傾向にある。NHKの「政党支持率調査」によると、8月の維新の支持率は4.8%。維新の支持率は、3カ月連続で下落した。

5月に6.7%あった支持率は、6月「6.2%」、7月「5.6%」、8月「4.8%」と続落。

なぜ維新の支持率は低下傾向にあるのか。まず考えられる理由は、馬場代表による「第2自民党」発言だ。ただでさえ、日本維新の会は「自民党の別動隊」と揶揄されているのに、馬場代表が、

「第1自民党と第2自民党でいいんですよ」

と自ら「第2自民党」であると認めるような発言をし、“化けの皮”が剥がれた。また関西・大阪万博をめぐるゴタゴタもそれに拍車をかける。

維新の会所属議員の不祥事も、各地で相次いでいる。5月には、国会で梅村みずほ参院議員(44)(1期)が、出入国在留管理局施設で死亡したスリランカ人女性をめぐる質疑のなかで、

「ハンガーストライキによる体調不良によって亡くなったのかもしれない」

と発言、批判を浴びた。

地方でも同じ。大津市議会の原田優太市議(30)は6月7日の市議会開会日に姿を見せなかった。自身で初めての本会議だったが、取材に対し、

「訪問看護の仕事が長引き、参加できなかった」(*1)

と欠席理由を説明。「議員としての自覚が足りなかった」と陳謝した。

福岡県飯塚市議会では、5月30日、藤間隆太市議(35)が市の男女共同参画に関する啓発について、無所属の女性議員を名指しし、

「セーラー服を着て、PR動画を投稿すれば再生数を稼げる」(*2)

と述べる。藤間氏は市議会でただ一人の維新議員であり、取材に「失言だった。注意したい」と謝罪した。

日本維新の会は今春の統一選で365人が初当選し、所属地方議員と首長は750人超にまで、拡大。しかし候補者を公募でかき集めた結果、政治経験がないまま当選した新人や若手議員も多い。

目次

  • ・代表自らが「第2自民党」宣言した維新の行く末
  • ・ビッグモーターを批判できぬ維新の街路樹大量伐採
  • ・政治的権力を監視する力を失った大阪メディア
 

大阪府内でも不自然な枯れ木案件が見受けられましたので、担当部局に調査の指示をしました。街路樹は公共物ですので、調査すべきと考えてます。

   

と投稿する。

しかし現在、大阪市では住民への説明会の開催などもないまま街路樹を大量に伐採しており、とくに2022年度から2024年度にかけては、大阪城公園などの公園樹を含め、実に約1万本を撤去する計画が立てられている(*6)。

この問題が報じられた今年2月には、SNS上で、「身を切る改革」ならぬ「木を切る改革」だと批判が巻き起こった。要は、日本維新の会は「政界のビッグモーター」のわけだ。

実際、先の吉村知事の「街路樹は公共物」発言についてはSNS上でも“ブーメラン”であると指摘する声が相次ぐ。

一方、このような反応に対し、大阪市長の横山英幸氏は、

除草剤まくのと樹木管理は別次元だよ。老朽化等管理が必要な樹木は伐採後原則植え替え。住民の安全とゆとりある都市空間創出に努めます。

   

と投稿したのだが、これも笑い話。

「サンデー毎日」3月12日号(毎日新聞出版)は、伐採データを市に情報公開請求した谷口るり子・甲南大学教授に取材。市が公開した伐採理由には、

「落ち葉で滑る」「木の間隔が密だから」というものや、「伐採するための道を確保するために伐採する」という笑い話のようなもの

まであったといい、谷口教授は、

大阪市は「公園樹木のヒマラヤスギは根が浅くて倒れやすい」との理由で、弱っていなくても全部伐採する方針です。しかし、他の自治体でそんなことは聞かない

と指摘している。

政治的権力を監視する力を失った大阪メディア

そもそも維新が大阪でここまで人気を伸ばした理由は、「身を切る改革」とかそんな政治的理由ではない。維新による大阪のメディア支配がその根底にある。

それを象徴する事件は、2022年1月に起きた。

大阪の毎日放送(MBS)が大阪府・吉村知事、松井一郎・大阪市長(いずれも当時)、そして橋下徹・元大阪市長の3人をそろって出演させた同年1月1日放送の『東野&吉田のほっとけない人』の放送を問題視。

同社内調査の結果、

「政治的公平性に対する認識が甘く、バランスのとり方が極めて不十分だった」

などと、政治的偏向があったことを認めた報告書を発表した。

ただ、問題は毎日放送にとどまらない。結論をいえば、「第4の権力」として政治的権力を監視するメディアの力は、もはや大阪メディアはもうない。

それどころか、在阪メディアは自らが「日本維新の会」という権力にすり寄り、“視聴率稼ぎ”にいそしむ始末だ。

2021年12月から翌年正月にかけて、吉村知事は以下の番組に出演した。

  • ・12月7日『報道1930』(BS-TBS)
  • ・12月10日『かんさい情報ネットten.』(読売テレビ)
  • ・12月11日『あさパラS』(読売テレビ)
  • ・12月20日『キャスト』(朝日放送)
  • ・12月27日『報道ランナー』(関西テレビ)
  • ・12月29日『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)
  • ・1月1日『東野&吉田のほっとけない人』(毎日放送)
  • ・1月3日『直撃!池上彰×山里亮太~どーなる?2022ニュースな人~』(毎日放送)
  • ・1月3日『2022年は吉か?凶か?爆願!生ニュース大明神』(朝日放送)
  • ・1月4日『復活なるか!? 関西経済~財界フォーラム2022~』(朝日放送)


その数は実に10本。しかし、その正月特番における吉村知事の取り上げられ方も、これまでの吉村知事のコロナ対策について鋭く切り込むわけでも、死亡者数ワースト1という重大問題を指摘するでもなく、ただただ「大スター」であるかのように扱いつづける“フェイクニュース”を垂れ流す状態だった。

引用・参考文献


(*1)「維新、不祥事続発…新人大幅増、教育に手が回らず」読売新聞オンライン 2023年6月13日

(*2)読売新聞オンライン 2023年6月13日

(*3)山田祐一郎・大杉はるか「日本維新の会は『第2自民党』だった 馬場伸幸代表が異例の『自白』…その狙いは何なのか?」東京新聞 2023年7月25日

(*4)山田祐一郎・大杉はるか 2023年7月25日

(*5)山田祐一郎・大杉はるか 2023年7月25日

(*6)「ビッグモーター追及に便乗した吉村知事『街路樹は公共物』発言にツッコミ殺到! 大阪の街路樹を伐採しまくる維新行政」LITERA 2023年7月30日

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