たまさかですニコニコ


過去記事に書いていますが、私の母方の祖母「とんばっぱ」は、30歳を過ぎた頃、原因不明の病で長く臥すことがありました。



病院では治らないというので、霊能者を呼んで拝んでもらうのでした。



その時


「あなたを待つ観音様がいます。片手のない観音様ですよ。迎えに行きなさい。」


と言われるのです。


家の宗教は浄土真宗でしたが、その観音様は曹洞宗のお寺におられたそうです。


祖母がお寺に行き、片手のない観音様のことをお尋ねすると、お坊さんがすぐに理解して奥から出してきてくれたそうです。


観音様は霊能者のいう通り、左手首から先が欠損していました。



祖母は観音様を家にお迎えするのですが、その夜は一晩中眠れなかったそうです。



祖母の言葉によると


「胸がおどおどして眠れなかった。」


と言っていました。



私も神様の言葉を受け取る時には胸が熱くなったり、自分の胸のあたりが風船のようにパンパンに膨らむ感じがあるので、祖母も同じような感覚だったのでしょうか。



一晩中眠れなかった祖母は、明け方になる頃には、観音経を唱えられるようになったそうです。


覚えようともしてないのに、お経が自分の口から勝手にすらすらと発せられたそうです。



不思議な感覚の中で毎日観音様にお経を唱えているうちに、祖母は次第に元気になっていったそうです。



観音様は不思議なお力があり、日中誰かに相談されたり悩みを聞くとその夜夢で解決方を教えてくれたそうです。


お金に関することは一円と違わずぴったりと、失せ物は在る場所を夢で見せてくれたそうです。



それからは祖母の観音様が当たると有名になって、たくさんの方がお参りしてくるようになりました。


祖母は、自然な流れで霊能者になったのです。



私の幼い頃は、朝晩祖母の唱えるお経を聞いていましたし、観音様の命日にはたくさんの方がお参りに来られて皆さんの声を合わせた読経を聞いていました。



実家の母は若い頃はお経を唱えていませんでしたが、私は2歳頃から幼稚園に上がるまでを祖母の家で過ごしていました。


私は幼いながら、無意識にお経を聞いて育ったのです。


祖母は体の痛みや不調を治すこともやっていたようです。


ヒーラーさんだったんですね。


腹痛、歯痛や帯状疱疹、やけどなどを治していたようです。



憑き物も祓っていたようです。



狐憑きなどは、祖母が現れると


「かんさま(神様)が来た。」


と言って、自ら退散したそうです。




帯状疱疹を治すための、おまじないがありました。


口伝で、特に何かに書き留めてはなかったようです。


母から聞いたもので、正確ではないかもしれませんが、ここに書かせていただきますね。



「帯状疱疹のおまじない」


この刀と申するは


天力(てんりき)の麻草(あさくさ)


はくらからんじようという神の


打つたる この刀



鍔元(つばもと)は観音鞘(かんのんさや)


しきとろうか


ぶしとろうか


不動様の巻物



根を掘って葉を枯らせ


根を掘って葉を枯らせ


根を掘って葉を枯らせ



あぶらうんけんそわか


あぶらうんけんそわか


あぶらうんけんそわか



意味のわからない言葉や、聞いたこともない神様の名前もありますね。



呪文を唱えながら、錆びた包丁を裏表と返しながら患部にかざすようにしていましたね。



最後は「プーッ!」と何回か強く息を吹きかけていました。




このプーッと吹く時は、かなり強くやっていたように記憶しています。



ほっぺを大きく膨らまして、すごい勢いで吹いていました。



「あぶらうんけんそわか」は多分、大日如来の五字真言の「あびらうんけんそわか」のことでしょうね。



五字真言は病や怪我、皮膚病などに大層効果があったようですね。




効果覿面でしたから、父もこの方法で背中に広がっていた帯状疱疹を自力で治しました。



帯状疱疹のおまじないを調べてみると、鹿児島地方でも言い伝えられているようですが、少し言葉が違うようですね。



きっと、日本各地にも、それぞれの言葉で呪文が語り継がれているのではないでしょうか。


大日如来の五字真言のありがたいお力ですね。





私の祖母は誰に習ったのでしょうか?


昔の人は皆知っていたのでしょうか?


観音教のように勝手に唱えられるようになったのでしょうか?



私が小学校に入る頃には、おじが結婚してお嫁さんと同居が始まりました。



その頃にはお参りにくる方は減っていたように記憶しています。


大人になって尋ねたら、ある時怖いものを見せられて人助けをやめたと話していました。



その後、叔父は35歳で亡くなりましたので、もしかしたら何か関係があったのかもしれません。


他の霊能者からの念もかなり受けていたと聞いています。



まさか私が、こうして神様や魂に関わることになるなんて思ってもいなかった頃の話です。


分かっていたら、もっといろいろ聞いたのに…と思いますね。



霊能者の活動をやめた祖母でしたが、私が悩みを打ち明けると


「観音様の前で話しなさい。」


と言って、私を観音様の前に座らせて、自分は席を外していました。



懐かしいなぁ。



母に悩みを打ち明けたことはなかったけれど、祖母にはよく聞いてもらいましたね。



観音様も聞いて下さっていたのですね。



祖母が認知症になってから、ある時祖母に言われました。



「けいこちゃん、観音様はけいこちゃんに引き継いでもらいたかねぇ。」



自身がなかった私は、ご縁が繋がったお寺に観音様を預けるのです。



祖母が脳梗塞で倒れたすぐ後のことでした。



というより、お寺のお坊さんも観音様を迎えたいと望まれたのです。



けれど預けた翌朝から不思議なことが始まり、まもなく憑依体験を繰り返すことになります。


三年後、私は突然正気に戻りました。


そして翌日には、観音様を迎えに行くのです。



観音様は私が通うようになったお寺にいつもいてくれて、私を守ってくれたようでした。



観音様と私の関係は、十数年後急に強くなります。



そのお話は、またの機会に書かせていただきます。



魂栄