たまさかですニコニコ





父は、亡くなる数日前に、私に言いました。


「かならず、けいこのところに行くけんね。」

と。


しかし、癌には勝てず、医者の予測した通りの時期に、亡くなりました。





そして、やってきた四九日法要。




五島に娘や夫と帰りました。



兄弟、それぞれの家族も集まり、法要が始まりました。



お坊さんが来られるまで、私は普通にしていたのですが、来られた途端、顔が固まったような感覚になりました。



私では、なくなるのかも…。





そう思いながら、みんなが揃っている仏壇の前に座りました。



兄弟たちは私の変化に気づいていたのか、私を母の横に座らせました。





そして、お経が始まりしばらくすると…。



私は自分の身体に力がみなぎる感覚を覚えました。



肩が上がるような…。





私の中に父がやってきました。

 

それを自覚したと同時に、隣にいた母をがばっと抱きしめました。




抱き締めると、さらに身体中から力がみなぎり、抱きしめて、母の名前を何度も呼びました。



ひろこ  ひろこ  



そして頭から首、背中と、てのひらで母を感じ切るように撫でるように、それでいてとても強く強く、力一杯抱きしめて




ありがとう


ありがとう



と泣いていました。




周りで見ていた家族も、父の男泣きの姿を目にして、みんな泣いていました。




甥や姪も、みんないつもの私ではなく、「じいちゃん」を感じて、じっと見守っていました。





父の母に対する愛情と感謝の想いを、家族みんなで感じ切った瞬間でした。




法要が終わると、いつものように穏やかな楽しい会話でした。






それ以来、



生きている時はいろいろあったけれど、お父さんは本当にお母さんを愛していたんだな。



本当に可愛かったんだな。




と思うと同時に、




お母さんを喜ばせることが、お父さんを喜ばせることになるんだなと、




みんなの心に植え付けられました。







また、それぞれの居場所に戻りそれぞれの生活が始まりました。



私は、それからが、本当に身も心も、懸命に生きた、修行のような暮らしが始まるのでした。



20へ続きます。




愛と光と感謝の恵み



魂栄


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