沖縄の怖いものは、ハブと米軍だけじゃない!

ということで、たまたま沖縄を舞台にしたホラーを連続で観たのでまとめて感想を書きたいと思います。

 

評判ほど悪くない意欲作!「忌怪島」

 

 

昨年に公開された清水崇監督のホラー映画ですが、「ミンナのウタ」と比べるとあまり話題にもならず、評価も散々なものでした。

「ミンナのウタ」を観る前で、「村シリーズ」で完全に見放していた時期だったので、当然劇場へも行きませんでした。

どんなものだったのか?という確認のために今更観てみましたが、悪くないと思いましたね。

個人的にはなかなか面白かったです。

 

劇場公開時にあらすじを読んだ時にも思ったのですが、VRを取り入れた設定が良かったと思います。

あの「リング」だって、ビデオというテクノロジーと呪いが結びついて出来た作品でしたから、当然の進化と言えます。

VRというのは仮想現実。

現実とは別の世界を用意するわけですから、2つの世界を対比させてどんな展開や演出を見せてくれるのだろうという期待があります。

 

ただ、難しいものなのでしょう。

快作「グランツーリスモ」で息を吹き返したニール・ブロムカンプ監督の前作「デモニック」も、オカルトとテクノロジーを絡めた意欲作でしたが、驚くほどつまらなかったのです。

イメージでは面白くなりそうなのに、お話としてきちんと構成しようとすると、途端に無茶なものになってしまうのだと思います。

 

この映画も、惜しいというのが正直なところです。

VR内の映像をもっと魅力的にする必要があると思うし、すべて主観視点で描いた方が臨場感あったと思います。

観客にどちらの世界か分からなくさせるという意図があったので、これは止めたのでしょう。

VR内と現実世界で登場人物が全く同じ姿なのも、同様の理由でしょうが残念です。

色々な仕掛けが出来たと思うのですが・・・。

 

それに、VR内ではゲーム的な要素があった方が分かりやすかったと思います。

まずはVRというものの面白さを十分に認識させた上で怖い事が起きた方が、効果的だと思うからです。

VRを経験している人はまだ少数派でしょうからね。

 

とは言え、沖縄を舞台にしただけあって映像は美しく、恐怖シーンはちゃんとおぞましく演出されているし、手を抜いている感じはしませんでした。

クライマックスが弱かったのが残念でしたが。

その代り、エンディングの不気味さは良かったですね。

よく考えるとあのラストってどういう意味?

と、考えさせる感じがSFっぽかった。

あの海の鳥居がまだあるって事は・・・?

 

これが沖縄版の呪怨だ!「疫(えやみ)」

 

 

YouTubeで観る事が出来る、沖縄テレビによる連続ホラードラマです。

1話10分程度で全5話なので、1時間弱で気軽に楽しめます。

これが、想像以上に良く出来た作品で、劇場で観たとしても満足したと思います。

と言うか、このレベルのものを公開してくれよ!

 

内容は、まさに呪怨!

前述の清水崇監督が生み出したあの「呪怨」シリーズを知っていれば、誰もが思うはずです。

「忌怪島」が挑戦であれば、本作は「呪怨」の良さを再認識させてくれる内容です。

雑味なし。

実にシンプルに、ソリッドに、恐怖のみを追求した作品なのです。

 

「呪怨」のドラマシリーズと言えば、Netflixの「呪怨:呪いの家」がありましたが、あれよりもずっと好みだし、呪怨らしさが濃厚だと思います。

なんで、どうして?という疑問に、一切応えない(応えてくれそうにない)頑なな姿勢が頼もしい。

理屈は無いけど、法則はある。

後は結果だけ見てください、という感じが最高です。

 

明るい場所で怪異がバンバン起こるのも良いですね。

24時間働ける呪い!

勘弁してくれ!