アマプラで、その内観ようと思ってウォッチリストに入れて放置した映画、どれくらいありますか。

いつの間にか有料になっていたり、観られなくなっていたりしてガックリなんて経験、あるのではないでしょうか。

 

もうすぐ4月。

3月末で消えてしまう映画がたくさんあるという情報を得ました。

「BECKY ベッキー」も!

「スリープレス・ビューティー 戦慄の美女監禁実験」も!

「呪術召喚/カンディシャ」も!

「キラー・ジーンズ」も!

これは大変だ・・・!

全部観よう。

 

それで、全部観ました。

実は上記4本はすべて、2021年の「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション」の作品なのです。

実はあと1つ「ゾンビ・プレジデント」もあるのですが、これはさっき知ったばかりなのでもう勘弁してください。

4本もあるので、出来るだけ手短に感想を書きたいと思います。

観たいと思っても間に合わないかもしれませんが・・・。

 

人間ぶっ殺しゾーンへようこそ!「BECKY ベッキー」

 

 

主人公の少女ベッキーは怒り満タンです。

ゲス不倫がバレたからではありません。

大好きなお母さんが死んだばかりなのに、その0.2秒後にはお父さんが新しい女と結婚するとか言うからです。

子連れで、しかもポリコレに配慮したのか、黒人の女!

もう我慢の限界です。

 

そんな所へ、刑務所を脱獄した悪者軍団が迷い込んだからサァ大変。

彼らは、映画においては「まだ死んでいない死体」なので、これ幸いとベッキーは皆殺しにしてスカッとジャパンするのでした。

 

ベッキーの人殺しの能力は、初めてとは到底思えません。

ベトナムで従軍経験があるのか?

メキシコの麻薬カルテルで活躍した過去があるのか?

コマンドーやランボーの隠し子なのか?

とにかく軽快かつ豪快な、ぶっ殺しぶりです。

 

シンプルに面白い映画でした!

ホラーじゃないですが、スプラッターな描写あり。

展開も容赦なく、ドキドキハラハラさせられます。

なにより、ベッキーが魅力的!

消化不良な部分も残りますが、続編「ベッキー、キレる」もあるので、そちらで回収されるかもです。

もうすでにキレてますけどね!

 

観ているこちらはグッスリ!「スリープレス・ビューティー 戦慄の美女監禁実験」

 

 

低予算ホラーの定番、監禁ものです。

眠らせないのがこの作品のキモだと思うのですが、別にそこは本人も辛そうじゃないし、そもそもまあまあ寝ている様に見えるのがなんとも。

監督が思い付いた拷問をランダムに見せるだけの内容なので、評判どおり面白くありません。

気持ち悪いシーンは多いけど、怖くはないです。

 

夜はVRみたいなのを被らされて精神を崩壊させるアニメを見せるのですが、このアニメが見所なのです。

それが目的で僕も観ました。

肝心なアニメは、確かにユニークで面白い。

ただ、別に精神は崩壊しません。

むしろ下品かつユーモラスで、カッコ良いとすら思え、楽しく見られます。

 

でも、そこは短いです。

一応オチもありますが、まあこういう映画たくさんあるし、こういうので驚く人はもういないのでは。

「この映画はあなたへの拷問なのでした。お疲れさま」と最後に出たら、なるほど納得だったと思います。

 

おとこ限定、ランダムぶっ殺しサービス「呪術召喚/カンディシャ」

 

 

大傑作フレンチホラー「屋敷女」以降、ファンの期待を裏切り続ける「駄作を産む機械」となった監督コンビ、ジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロによる、駄作です。

生理の血で五芒星を描くとやって来る、おんなのヒーロー、カンディシャ。

ぶっ殺したい元彼を殺しておしまいとカンディシャを召喚したら、決まった人数を殺さないと帰らないという強情な人だったため、死んで欲しく無い男までジャンジャン殺してしまうというお話です。

 

これ、絶対にエロチック・ホラーとして「スピーシーズ」みたいに男を色気で誘って殺すみたいな内容にした方が良かったと思います。

カンディシャにも3形態くらいあって、お乳丸出しの状態もあるのに。

まあ、足は獣ですが・・・。

「踏んでくれ!踏まれるのが好きなんだ!美女に踏まれると、幸せだなあ」等と言う男を獣の足でグシャリと踏みつぶしたら、大変良かったのに。

 

とにかく前半~中盤までは冗談みたいに見所が無くて、本当につらかったです。

駄作ねOK!と思ったら、後半はちょっと楽しい見所があったり、どうかと思う悪趣味なシーン(うさぎは無事じゃない)があったり、エッと思う展開があったりと、悪く無い部分もちょこっとあるので、また余計につらいです。

楽しいだけの黒人少年が、あまりにあんまり酷い目に遭うところは、さすがにどうかと思いましたが。

 

フェミニストだけど、黒人には厳しいカンディシャ。

まあ、そういうものですよね。

簡単ではないのです。

 

もうユニクロでジーンズは買えない!「キラー・ジーンズ」

 

 

割とついでに観た感じなのですが、これがなかなかの快作でした!

ジーンズが化け物となって、人間を襲うというコメディ・ホラーですが、その印象以上の面白さがあります。

なにより、ユニクロみたいなアパレル・メーカーに対する毒たっぷりの描き方が笑えます。

イヤ~なヤツばかりで、監督は本気でこういう連中が嫌いなんだな!と思います。

 

キラー・ジーンズが一人、また一人と殺していくわけですが、殺し方がワンパターンじゃないのも良いし、本当に悪いのは・・・というのも定番ですが、悪く無い。

ジーンズが踊ったり、上半身を獲得したりというふざけたシーンも楽しい。

ずっとふざけていたのに、終盤では冷や水をぶっかける様な展開に唖然。

そこも含めて良いバランスだと思います。

 

安い商品は、多くの人々の犠牲の上に成り立っている。

衰退国家に生きる我々日本人には痛切な現実です。

服は大体ユニクロで買っているので、毎日呪いを着て生活しているのかもしれませんね。

着ている方だって呪いを持った側なのですが。

キラー・ジーンズが本当に殺すべき人間は、この映画には登場すらしていないのが、一番の絶望ですね。