始めに書いておきますが、この映画の時間は84分です。

・・・大傑作の時間は限られていますが、絶対観ておいた方が良い映画です。

今ならアマゾンプライム会員なら無料で観られます。

レンタル店でも100円とかで借りられるでしょう。

 

さっさと観ておけば良かったと後悔しましたし、DVDも欲しいと思っています。

廉価版なら安いのですが、どうやら特典映像が省かれているらしい。

この映画に関しては、特典映像も非常に気になるのです。

 

何がそんなに良いのかについては、おそらくこの映画を観た人で、ある程度褒めている人なら全員が同じ事を書いているはずですが、何と言っても武器人間です。

正確には、武器人間の皆さんです。

この映画で大傑作の部分は「武器人間の皆さんが登場しているシーンすべて」、そうじゃない部分は「登場していないシーンすべて」なのです。

 

この映画を日本で配給したのが「ムカデ人間」と同じ会社だったのでこのタイトルになったそうですが、秀逸なタイトルだと思います。

ちなみに、ムカデ人間の公式ツイッターはコロナ禍の今年においても「こんな時こそつながろう」「おうち時間でつながろう」とメッセージを送っていましたが、「つながりは大切だと思うけど、口と肛門をつなげる事じゃねえよ!」と思いました。

 

ふざけた配給会社ですが、これが功を奏しました。

タイトルだけじゃなく、吹き替えにはなんとドラえもんののび太やスネ夫、ジャイアンの声優を起用したり、予告には大山のぶ代の声まで登場し、まるで武器人間がドラえもんの秘密道具かと思わされます(実際にはナチスの秘密兵器)。

 

この映画はバカネタ好きな好事家どもにアピールしていこう、という目論見は正解だったと思います。

武器人間は、観てはいないけどタイトルは知っているしちょっと興味ある、という人が結構いるのではないでしょうか。

僕もそうでした。

ウッカリ観てしまえばこっちのものだ!というところでしょう。

 

ところが、この映画にはネタだけじゃない素晴らしい魅力があったのです。

それが武器人間の皆さんです。

一体彼らの何が良いのか?

ズバリ、造形です。

見た目が超カッコ良いのです!

 

序盤の大傑作でない30分は、ソ連軍がドイツの占領地域に偵察に行く行程が資料映像の様な演出で描かれています。

そう、これはエセ・ドキュメンタリー、いわゆるモキュメンタリー形式で作られているのです。

しかもPOV形式、一人称視点映画なので、苦手な人も多いかもしれません。

なんでこんなに見辛いのか。

じっと我慢の時間です。

 

中盤、キチガイ博士の秘密工場に入るとお待ちかね、武器人間の登場です!

ここが素晴らしく面白い!

色んな異形の武器人間が次々と右から、左から襲いかかる!

ヤッタ!またヤッタ!優勝決定!という感じで気分がアガります。

POV方式にしたのは予算の都合かもしれませんが、ここでは異様な迫力を演出する事に成功しています。

腕がハサミ!

顔がプロペラ!

口がドリル!

そんな奴らが元気に何の理由も無くジャカスカ襲ってくるシーンはどれも、いつでも手元に置いておきたいという欲求を呼び起こすほどです。

残念なのはその後の30分。

彼らは仕事が終わったと思って帰ってしまったようですが、まだ30分もあるのです。

仕方なくキチガイ博士が兵士の頭をカチ割って脳を見せたりして奮闘しますが、こちらが見たいのは武器人間一択。

そのまま盛り上がらずにしょんぼり終わってしまうのは、あまりに寂し過ぎました。

 

最後にみんなで映画に映ろうよ!と勢揃いしてくれたら、全編を大傑作と断言しても良かったのですが・・・。

特に僕は、最後に大集合!みたいな映画には甘いのです。

「死霊のしたたり」シリーズや、「バタリアン・リターンズ」なんかの、終盤の賑やかさは最高です。

もしかしたら、まとめて出せない事情があるのかもしれませんが(実は色々使いまわしてたりとか)。

本当にここだけはどうにかならなかったのか、本当に残念です。

 

ところがどうでしょう。

もう一度最初から観直してみたら、あんなに退屈だった序盤が妙に楽しいのです。

ワクワクする気持ちが止まらなくて、思わず道路に飛び出したくなる気分。

・・・これは、発狂し始めている。

そう考えて、視聴を止めました。

もしも、このブログのタイトルがいつの間にか「100%の大傑作!観ればモテて金持ちになれる!」と変わっていたら是非、良いお医者様をご紹介ください。

 

(追記)

この映画が好きな人なら次はコレ!という映画が「スカイ・シャーク」。

ナチス+ゾンビ+サメという満願全席の様な映画です。