王子様って白馬に乗ってくるとずっと思わされてきた。

しかし!
令和の王子様はトロッコに乗ってBGMに送られてやってきたのだった。





幕張メッセで開催されたチェ・ジョンヒョプくんの日本での初めてのファンミーティングでのこと。

真っ白なスーツに身を包んだヒョプくんは、まさに王子様だった。

全身白が似合うのは、ヒョプくん以外ではシロクマしか私には思い浮かばない。

こぼれるような笑顔に、えくぼまで浮かべちゃって、人たらしってこんな姿で現れるのだね。

もう、ファンは叫ぶこと!叫ぶこと。


ヒョプくんか手を上げれば
「ぎゃー」
ハートを作れば
「ぎゃー」
その合間に囁かれるように聞こえてくる
「可愛い」

「ぎゃー」
その叫びの間をぬって 
「可愛い」
がお邪魔する。

しかし圧倒的にぎゃーは強い!
そこここで阿鼻叫喚だ。

不思議なことに「かっこいい」はほとんど聞かれなかった。


確かに可愛いのだ。
ずるいほどに。
神様なんかいないと思った。


こんなに美しく、愛らしく存在するヒョプくんのように私だって生まれたかった。
みんなそう思っているよ、少なくともこの会場にいるすべての人は。


歌うヒョプくん。
バックの音が大きくて、音もちょっと割れていてあまり良くないせいで、上手いんだかなんだかよくわからなかった。

でも照れくさそうに歌う姿だけでお腹いっぱいになるほど可愛かった。



質疑応答が始まった。
質問の内容はすべて忘れてしまった。
そんなに覚えておくほど中身が濃かった訳じゃないから。
(これは私だけかも)


休憩の後は、白の王子様からオシャレな茶色のスーツに着替えてきたヒョプくんはまた新たな魅力を振りまく。

ファンの中から二人選ばれて、ヒョプくんと動作が一致するかゲームが行われた。
(もちろんこんなネーミングではなかった)

もうこれはかなり出来レースで、慌てて動作を合わせていたりしていた。
いいの、いいの、プレゼントは用意されていたのだから。

 ヒョプくんが撮った写真のプレゼントが20人に用意されていた。
箱の中から座席番号が書かれた番号を引いて読み上げるシステムだ。

「Aグループの34列の2番」というように読み上げるのだけれど、グループによってはまた
「ぎゃー」
が叫ばれる。

みんな声潰れてないかな。



お決まりのエンディングからアンコールに。
またまたトロッコに乗ったヒョプくん登場。
ヒョプくん、手にボールを持ってファンサービス。

やっぱりあのガタイから投げられるボールは驚くほど遠くに飛ぶのだった。

私のすぐそばまでトロッコに乗った美しきスポーツマン、ヒョプくんがやってきた。

キラキラと光る汗。
こんなに美しい汗を見たのは何年ぶりだろう。
スポーツジムに通っていた時に、美しい筋肉を持つインストラクターの汗に心ときめいた以来だ。

やっぱり神様はずるい!

美しく生まれた人には(もちろん努力もある)汗でさえ輝く宝石のように魅せてくれるのだから。


最後、ヒョプくんはまた歌った。
最初の歌と違ってこの歌声はよく聞こえた。

後半、涙で歌えなくなってマイクを離してしまうのだけれど、それでも聞こえてくるヒョプくんの歌声。

いいの、いいの、これも口パクだって最初からわかっていたから。


TBSドラマ『Eye Love You』で何度も見ることが出来たヒョプくんの涙。
今日も美しかったよ。



最後の最後。
トロッコに乗るのではなく、走りながら通路から手を振っていた。


近くを通った時に、背が高くて足が長くて、こんなに美しい生き物が作り物ではなくて、ちゃんと存在していることに驚かされた。

もうおそらく誰かの(ヒョプくんも含む)ファンミに行くことはないと思うけれど、最初で最後のファンミは十分過ぎるほどその天上人の美しさ、愛らしさに心満たされたのだった。



ヒョプくん。

ありがとう。
生きてて良かった。
出会ってよかった。


サランヘヨ