高校の時に「オカマ」というあだ名のおかまくんがいました。
(その頃はLGBTQ➕とかMTFなどという呼称はなかった)

私は彼(彼女かな)と仲良くて、登校するとおかまくんはいつも
「渡辺(私の旧姓)おはよ!」
と足を色っぽく組みながら挨拶に来てました。

ある日。
肌の色がいつもと違う!綺麗かも!
と思ってぼんやり見ていたら
「ファンデーションぬってきたの。どうきれい?」
とおかまくん。

他の日には
長いまつ毛をバタバタさせながら 
「ビュラーやってきたの。どう?」
とか、私にアピールしてくるいつものおかまくん。

「あんたいい女だから、自信待った方がいいわよ」
と言ってくれたのは男子(女子?)の中では、おかまくん一人でした。



今よりずっと性同一障害について理解がない時代、というかそういう概念さえ確かにない時代だったのに、誰もおかまくんをいじめてなどいなかった古き良き時代。

女子も男子もおかまくんが好きで、休み時間になると男子は
「オカマ〜オカマ〜」
と言いながらイチャイチャしてましたよ。

私ら女子は私が中心となって
「朝立ちとかどんな感じなん?」
とか聞いていて、フランクにあけすけに答えてくれたおかまくんでした。
(あれ?私があけすけなの⁉︎)

誰もがおかまくんは時々お化粧してきたりするオカマで、それはおかまくんだから許されることだと認識していました。

もし、女子がお化粧してきたら先生から注意があっただろうと思うのに、おかまくんは許されていたという不思議。

完璧におかまくんは学校の中で「オカマ」であることの市民権を獲得してたんじゃないかな。




カテゴライズすることに躍起になっている今。
それがなんだか鬱陶しい。
自然におかまくんを「オカマ」として受け入れ、尊重していた私たちのように出来ないのかな。


変なカテゴリー分けで、今おかまくんは息苦しくなってないかな。






消息がわからない「おかまくん」へ。





今もおかまくんジジイとして明るく元気に暮らしていますか⁉︎