サイの花屋のデスクの電話が鳴り。
「桐生、白峯会の会長が直接お前に
会いたいとここに来ているようなんだが」
桐生、真島、力也、伊達、花屋の前に
ゆっくりと歩いてくる峯。
「今回のごたごた、
ウチの組も少なからず影響していたので
その責任を、と思いまして」
手に持っていたアタッシュケースを
ドカッとデスクの上に置く峯。
皆が注目する中ゆっくりと開けられた
そのケースの中身はなんと神田の頭部で。
峯を睨みつける桐生さん。
「これは、どういうことだ?」
この神田の怪我。
力也の機転で潜入できたホテルで
桐生さんがボコボコにしたやつ。
イライラMAXの神田。
いかにも高そうなグラデーションのガラスの
置物を足で一発……
峯、動じず。
いえーす
あー………
絶対桁違いの高いやつしかないやろー………
絵画と壺を床に叩きつけ、
とにかく破壊しないと気が済まんのかい
龍0で真島の兄さんはイライラを
ゴミ箱を蹴るだけに留めてたぞ!!
誰にも迷惑かけんように!!
この差!!
そんできっと冷静になったら、
倒したゴミ箱のゴミを
ちゃんともとに戻すんやで、兄さんなら
この差!!
リミッターが外れる、と言うんでしょうか?
秘められた強い力。
それが放たれると
もはや誰にも止められない。
峯が背中に背負う麒麟は、
普段は穏やかな性格だけど、
必要とあらば炎をあげて悪に襲いかかる。
今がまさにそのときで、
神田を完全に見限った瞬間。
初めて見せる感情剥き出しの表情。
麒麟は穢れに触れると弱ってしまう為
血で汚れた手はすぐに拭き取り、
後始末は部下へ。
最後振り向いたのは……
ほんのわずかに残った情なんだろうか。