読書しても片っ端から忘れていくので、せめて読んだことくらいは覚えておきたく、読書記録をつけようと思う。
読書記録は、自分向けの備忘録といった意味合いが強く、他の記事とは異なる趣きで綴ろうと思う。
まずは「舟を編む」。
三浦しをん作、2011年発行。2012年本屋大賞。
三浦しをん氏の作品はいくつか読んでいる。読後感が良いものが多く、外れはないという印象。
今回の本も、読後感は非常によかった。
辞書作りという普段関わることのない世界が描かれているが、そこに描写される人たちの悩みや戸惑い、情熱のありさまは等身大で、感情移入しやすい。スポットライトのあたる人物は数人いるが、主人公の馬締の描写が軸になり、辞書の出来上がっていく様子と連動している。
話の途中で、10年ほど年数が経過する。10年前から10年後へ、バトンリレーのように仕込まれた小道具が効いてくるのもよい。
ただ、仕事の進め方の点では、なんとなく「はてな」が沸くところもあった。
3年目社員に辞書に使う紙の最終チェックを任せるというシーンは、そこにいたる経過が書かれていないせいか、少し違和感を抱いた。
また、ミスが発覚して学生バイトが1ヶ月泊まり込むシーンも、「古き良き時代」感があって、契約とか労働基準法とかが気になって入り込めなかった。
まあ、これは自分が自分の会社の基準でしか考えられないだけだろう。
なんだかんだいって、最後は泣けてしまった。どこかに「大渡海」が売られていれば、ぜひ手にとっていろんな用語を調べてみたい。