数日前に名札への思い入れを


綴りました(なふだ)が、


これにはわけがありました。





その日11時出勤だったたまきは


10時50分には売り場にでて


作業をしていました。



その日は13時のレジ当番まで


割り振りがなかったので


仕事の商品の品だしや整理をしたくって

もーりもり動きまわっていました。




品出しの行程で


袋を剥いたり、段ボールを捌いたり


ゴミがでたり、もちろんします。




時間に余裕のあるたまき、


調子にのってよそ様の担当部門まで


品出ししたり整理したりしました。



ここでたまきは気づきます。



名札の「名札」たる部分が外れており


ネックストラップのみ提げていることに。



どこで外れたんだろう?


くるりと売り場を回るも、落ちてなさそう。




棚下のストックボックスも


たくさん開け閉めしたし、


倉庫の段ボールも開け閉めしたし、


段ボール捌いたりビニール捨てたり、


ゴミを出したりも、した。



12時40分、仕事開始から2時間。


「ここかな?」という心当たりが多すぎる。





とりあえずナイロンの仮名札を作り


13時のレジ当番に入るたまき。


エセ匠とはいえ、接客のプロ。


笑顔でお客さんと接します。



でも、笑顔を作るも、心ここに在らず。





待ち焦がれた14時半からの1時間休憩


朝の2時間で触ったところ


片っぱしから開けて探してゆきます。



棚下のストックボックス、


倉庫の段ボール、


捌いて畳んでゴミに出した段ボール


廃棄ビニールに燃えるゴミ。




全部みたけど、ない。





ないはずがない。


落としたなら、どこかにはあるはず。



ゴミに混ざっていても


集積にだすまで(本日中)なら間に合う。


もう1回、仕事がおわったら探そう。


うっかり者のわたしのことやから、


きっと見逃してるところがあるはず。



ないとしたら


応援でたまに入ったレジで


お客さんの袋に入れた、くらい?




とにかく早く退勤したかった。





退勤後、捜索開始。



もう1度同じところを探す。



棚下のストックボックス、


倉庫の段ボール、


捌いて畳んでゴミに出した段ボール


廃棄ビニールに燃えるゴミ。




全部みたけど、やっぱり、ない。





もう、どうしようもなくなって


売り場に畳んである衣料品1枚1枚を


片っぱしからめくっていく。



婦人衣料から始まって、子ども衣料。


紳士衣料にさしかかったところで










ぽとっ






あ。


みっけ。





白オックスシャツのMとLの間に


ちょこんといた、わたしのたからもの。



退勤・捜索再開から1時間と少し。


わたしの手元に返ってきました。




安心しきって家に帰って


母親に事の顛末を話していると


なんかもういろんな思いがこみ上げて


ぼろぼろ泣いてしまって。



母も名札の価値の高さや背景、


あの頃のツラさが分かるから


母まで泣きだして。



「よかったねー、もっともっと大事にしなやねー」


って2人でぼろぼろぼろぼろ泣きました。





もう絶対なくしたくない。

あんな思いしたくない!




将来わたしの名字が変わって、


すきなひとが会社からもらった時と


同じ状態で、わたしがそれを付けて働く。



それが目標。



そんな日が来るといいな。