とうとう行っちゃいましたね。
ツシマヤマネコの「したる」ちゃん。

 

 

 

東山で生まれ、愛くるしい仔猫ぶりをたくさん見せてくれたしたる。

ツシマヤマネコ舎は毎日、これまでにない混雑ぶりでしたね。
きっと多くの人たちに、ツシマヤマネコという存在や彼女たちが置かれている危機的な状況を知ってもらえたのではないかと思います。

したる、そして、飼育員さん。
お疲れさまでした。

今回は遅ればせながらしたるの門出に、盛大に「したる祭り」と行きますか。

それでは!

 

 

 

獣舎から外を眺めるしたる。

 

 

 

動物たちのこんな感じの光景をよく見ます。
その姿を見ながら、この子は檻の中からじっと何を見つめているのだろうといつも思います。
 

 

 

イカ耳のしたる。
かあい…。
 

 

 

写真を撮った日、したるはとても活発に動いていました。
と言うか暴れ回っていると言った感じでした。
飼育員さんによると、朝はこんな感じで、いつもはもっと激しいと言っていました。
 

 

 

興味深いのは、この子は高い所もへっちゃらということ。

 

 

 

家ネコはこんなに高くて不安定な場所では遊ぶことはしないのでは?

 

 

 

野生由来のネコだからでしょうか。

 

 

 

こんな体勢もなんのその。
気にせず一生懸命、遊びます。
 

 

 

こちらは木登り。

 

 

 

細い枝も怖がることなく、

 

 

 

あっちこっち、飛び回ります。

 

 

 

この素晴らしいバランス感覚には、ほんと感心します。

 

 

 

「どう、私すごいでしょ? どんにゃもんにゃ。」

 

 

 

こういうシーンなら家ネコでもあるかもしれませんね。

 

 

 

ネコは高い所が大好き。

 

 

 

お隣の部屋で暮らす勇希君も地上にいる所はほとんど見たことがありません。
面白いです。
それにしても、したる、尻尾がぶっといですねえ。
 

 

 

これからどんな女の子になっていくのでしょうか。

 

 

 

したるは水浴びが好きなことは過去の記事で触れました。

 

 

気持ち良さそうに行水をしているしたるを見た時は驚きでした。

 

 

 

したるは動く物に興味津々でした。
大人のヤマネコたちではそういうシーンは見たことがありません。
仔猫だからでしょうか?
 

 

 

ガラス越しにカメラを構える人たちが気になり、

 

 

 

飛びつきます。

 

 

 

「ん?」

 

 

 

「にゃんだ、これ?」
 

 

 

「いっぱいいるぞ。」

 

 

 

したるを過剰に興奮させるのは考え物ですが、訓練(※)という意味ではよかったのかもしれませんね。

(※)「なるべく早い段階でフラッディング(新しい刺激・環境に「安全だと」長時間経験させることにより嫌悪環境を好環境に転換する方法)することが、飼育下での繁殖に寄与する個体の育成に繋がると考えられます(特に単独育成の「したる」には重要な経験と考えます)。」
2023年08月24日「東山動植物園公式ブログ」から引用。
 

 

 

上を見上げるしたる。

 

 

 

それには理由が…。

 

 

 

これです!

部屋の中に、封筒がいっぱいぶら下げてあります。

 

 

 

したるちゃん、それを目がけて飛びつきます。

 

 

 

「えいっ!」

 

 

 

「つかまえたぞ!」

 

 

 

「ぎゅ~っと押さえてと。」

 

 

 

 

 

 

 

「よっこいしょ。」

 

 

 

お見事!

上手に封筒をゲット。


したるはまだ子どもだからか、ちょっと高い所にある封筒はなかなかつかむことができませんでした。
隣の勇希君も同じアクティビティをしていましたが、成獣の勇希君はいずれも一発で仕留めていました。
 

 

 

なぜ、あれほど一生懸命、封筒に飛びつくのか?

 

 

 

秘密はこれ!
中に肉片が入っています。
 

 

 

2023年4月23日、父 勇希、母 れいらの子として生まれた「したる」。
元気いっぱいの女の子でした。
 

 

 

繁殖に有益となる環境順化を図るため、8月29日~9月28日、11月21日~12月17日のふた月ほど、仔猫としては珍しく一般公開もされました。

 

 

 

初めて見たツシマヤマネコの仔猫。
改めて命の輝きとそれを守っていくことの大切さを教えてくれました。
 

 

 

そして、12月21日。
国の実施する保護増殖事業の計画に基づいて井の頭自然文化園に移動しました。
 

 

 

ツシマヤマネコ舎の掲示板。
したるの今後の処遇が記されています。
 

 

 

 

その隣には、生後半年のしたるの可愛らしいフットプリント。

 

 

 

この世に生を受けた小さな命。
これから彼女はどんな生涯を送ることになるのか。
 

 

 

只々、彼女の未来に幸多からんことを祈ります。

 

 

 

ありがとう、したる。
元気でね!

さようなら。

 

(おまけ)