7月14日にオープンした「アジアの熱帯雨林エリア」。
今回は「トラ舎」に続いて「オランウータン舎」を紹介します。
「アジアの熱帯雨林エリア」のトラ舎とオランウータン舎は一体的に造られています。図でいくとオランウータン舎は中央の点線の右半分になります。
全体の位置関係を頭に入れておいてくださいね。
それでは参りましょう。
トラ舎のビューイングトンネルを抜け正面に見えるのがオランウータン舎です。
この突き当たりを左に曲がると…
こんな感じ。
「森の賢人オランウータン」
「手」の立体模型
そして、「足」
手とほとんどかわりませんね。
オランウータンの生態を紹介するビデオ
①オランウータンの生態
②木の上で生活するオランウータン
③オランウータンの一生
これも見る人はほとんどいません。ゴリラ・チンパンジー舎にも同様の装置がありますが同じです。もったいないですね。
左側の窓は、
トラの野外運動場(裏)を見ることができます。
そして、右側がオランウータンの屋外運動場
一番奥に木を模した造形物
この木は外側と一体的に造られています。
「ビューイングトンネル」はもう少し “トンネル感”を出すと、外の動物の世界を密かにじっとのぞくような感じが出てワクワク感が増すと思うのですが。
すべて予算の都合でしょうね。
先ほどの擬木の外側
通路側に液体を注ぎ込む口があって、写真の擬岩から流れ落ちる仕組みのようです。
青いドラム缶には穴が空けてあります。フィーダーでしょうか。
ここは一見、屋内運動場かと思ってしまいますが、外壁は普通の網。天井も格子状になっていますが、屋根がついていたかどうか?
それにしても、オランウータンがあんなに高い所に登るのかと思ったりしますが、これがあの子たちの普通の生活空間なんですよね。
少しだけネオさん
新しい景色に興味津々?
しきりに外をのぞいていました。
こちらの屋外運動場は縦に細長い造りになっています。
上の写真の反対側(向かって右側)はこんな感じ。
ゴリラ・チンパンジー舎と同じく、非常に細かくロープが張り巡らせてあります。
縦長の屋外運動場の突き当たりに、施設の中央出入口があります。
その右横に飼育員さんのメッセージボード
こちらからはトラ舎の屋外運動場(表)を見ることができます。
運がよければ、人間大好きなアオが寄ってきます。
水なしプールで休憩中のアオ
飼育員さんとテレビの撮影クルーに興味津々の様子。
別の日ですが、アオを見ていたら、植栽に水をまいていた黄色のヘルメットを被った作業服の職員さんに、めちゃんこ反応していました。
動物たちは、飼育員さんを始め職員のみなさんをとてもよく覚えています。今度、試しに作業服にヘルメットで見に行ってみようかしら(冗談)。
こちらがオランウータンの屋外運動場の突き当たり(施設の中央出入口側)になります。
ぶら下がっている「あみあみ」は餌を隠しておく道具。
絵が書いてあります。典型的なサル顔の絵ですね(失礼)。
挟んであるのはリンゴ?
フィーダー
左に曲がると屋内展示室があります。
その奥はオランウータン舎の出入口。
窓際には餌場があり、運がよければネオが食事をしているところを見ることができます。
別の日ですが、タワーの上で横になっていました。
そんなネオの様子をこの窓から見ることができます。
ここにも大きな学習パネル
「オランウータンの生活」
こちらがオランウータン舎側の出入口
この窓から本当の(?)屋外運動場をのぞくことができます。
窓際には餌場
壁一面に学習パネル
「失われるスマトラ島の森」
「森林保全の取り組み」
「日本インドネシア国交樹立65周年記念」
「タマン・サファリ・インドネシアとの連携協定締結記念」
の関連で整備された?
サイトを見ると、タマン・サファリはとても大きな施設のようです。かなり観光化しているようですが。日本で言うならアドベンチャーワールドのような感じ?
屋外展示場の15メートルのタワー
オランウータンの旧舎では、こんな高い所で過ごすオランウータンの姿は見ることができませんでした。
ただし…、
立派な施設はできたけど肝心の動物が…。
生き物の飼育展示というのは難しいですね。
「アメリカゾーン」ではジャガー舎が新築されましたが、以前からあるカナダヤマアラシ、トナカイ、メキシコウサギ、ヤブイヌ舎が空になっています。
新たに来てもらうと言っても、飼育頭数が限られていたり、繁殖計画があったりで、そう簡単にはいきません。ましてや希少動物になればなおさらです。
国内で飼育されているスマトラトラは18頭。スマトラオランウータンに至っては、10頭しか飼育されていないそうです。
令和5年7月15日 中日新聞 朝刊
4面(全面広告)
食べものが実る木も、
寝床も、
ヒトの畑になった。
生息地の熱帯雨林が切り開かれ、日本でも使われている
食品や洗剤の原料となるアブラヤシの畑になった。
森は分断され、小さくなっている。食糧を得る場所が減り、
オスとメスが出会う機会も減少し、繁殖の妨げとなっている。
スマトラオランウータン Pongo abelii
IUCNレッドリスト/CR(深刻な危機)
出ましたね。
巨大啓発広告第2弾。
「いきものに出会い、いきものを知る。そこから、世界が見える。」
今、野生動物たちが暮らしている世界の向こうに見えるのは、環境破壊によって息も絶え絶えな地球という星の姿。
野生動物たちを通じてそれを伝えるのが、現代の動物園の最大の役割なのかもしまれせんね。
さあ、器はできた。
次は、それをどう活かすかです。