東山では、「プッパ」(オス)と「ピッピ」(メス)という名の2羽のアンデスコンドルが北園で暮らしています。

 

 

プッパ(オス)
1990年5月12日生まれ
32歳
 

 

 

ピッピ(メス)
1993年5月13日生まれ
29歳
 

 

その日、コンドル舎の前を通りかかると、珍しくピッピが地上に降り立ち、何やらせわしげに羽ばたいていました。

今までこんな様子のピッピは見たことがありません。
これはきっと何かあるぞと直感し、しばらく観察してみることにしました。

何だかそわそわ、落ち着きのないピッピ。
しばらくするとそこにプッパが急接近!
「シュー」「シュー」という妙な音を発しながらピッピを追い回し始めます。

「これは間違いない!」
コンドルたちの恋の季節到来か、と否応なく期待が高まりました。

その時の2羽の様子を撮影したのが次の動画です。

 

 

 

アンデスコンドルの恋の季節は春だそうです。
そうすると、これからしばらくの間、彼らのこういった行動が見られるかもしれませんね。

プッパは32歳、ピッピは29歳で、コンドルとしては、まだまだ十分繁殖が期待できる年齢です。しかし、残念ながら東山では、これまで繁殖に成功したことはないそうです。

以前、飼育員さんが話していました。獣舎の環境も影響するかもとのこと。
 

 

 

撮影した動画に、「ぶんぶんぶん はちがとぶ♪」とか「ガタン ガタン ガタン ゴォー」など、かなり騒々しい音が多く入っています。これは彼らが暮らす獣舎の裏手に遊園地があり、そこの遊具が発する音です。(赤色の矢印の先がコンドル舎)

 

 

 

さらに、現在の獣舎は、通りに面していて、以前の獣舎と比較して来園者の往来も結構あります。

 

 

 

これがかつてのコンドル舎

 

 

 

この獣舎は正面が通路の裏手にあり、人通りは少なかったです。
さらに、現在の獣舎より空間が広く、コンドルたちも暮らしやすかったと思います。

こんなことも少なからず繁殖に影響しているのかもしれませんね。
 

 

 

めちゃんこ見にくいですが、旧舎で撮ったプッパとピッピの貴重な2ショット。

コンドルは、一度、ペアになると生涯寄り添うそうです。

動画では微妙な感じですが、本当は仲のいいペアなのです。


今回、コンドルたちの求愛行動に遭遇して、改めてコンドルに興味がわき、彼らのことをネットで調べてみました。
中でも印象に残ったのはコンドルたちが暮らす自然環境。
下の動画で彼らの本来の住み処とそこで暮らす彼らの姿を見てみてください。
 

 

アンデスの切り立った山々を悠々と滑空するコンドルたち。
世界最大の飛ぶ鳥の名にふさわしく、その堂々たる姿は畏敬の念すら抱かせます。

動物園の動物たちを見る時に、あれは彼らの“本当の姿ではない”ということを知って欲しいとつくづく思います。