の続きです。
 
 
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東山では、園の東端にある 「こども動物園」 で家畜を飼育しています。
 
■ 家畜 (かちく) とは?
その生産物 (乳、肉、卵、毛、皮、毛皮、労働力など) を人が利用するために馴致・飼育している動物を指す。類義語に益獣 (えきじゅう) があり、また鳥類のみを指した場合は家禽 (かきん) と呼ぶ。この用途の動物については、近年では 「産業動物 (経済動物) 」 という呼称が一般化しつつある。
また、国の法令でも 「産業動物の飼養及び保管に関する基準」 があり、ここでの産業動物の定義として 「産業等の利用に供するため、飼養し、又は保管しているほ乳類及び鳥類に属する動物をいう。」 としている。 (ウィキペディアより)
 
 
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家畜と言えば、まずに思い浮かぶのは 「ブタ」 でしょうか。
 
 
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東山で飼育しているブタは 「ポットベリー」 と呼ばれる品種。
 
 
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主に愛玩用に飼育されている小型品種のブタですね。食用ではありせん。
 
 
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ブタは、元々、イノシシを人が食用に品種改良した動物です。
私たち人は、ブタの肉を食べるために、ブタを人工的に繁殖させ、大きく育てた上で殺して肉にします。

 
 
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そして、「ウシ」
 
 
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東山では 「紀咲 (キサキ)」 と名付けられたメスのウシが1頭、飼育されています。
鹿児島県の 「口之島」 にしか生息していないウシで、外国品種の影響を受けていない日本古来のとても貴重な品種のウシです。
 
 
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ウシもブタと同様、肉、そして、乳、皮と、人の生活や幅広い経済活動を維持するために、なくてはならない動物となっています。肉牛はもちろん、乳牛も乳が出にくくなったら殺して肉や飼料の原料にします。

 
 
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「ニワトリ」 も代表的な家畜ですね。
ニワトリは東山では飼育されていませんので、名古屋市農業センターで撮ったニワトリの写真を載せました。

 
 
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「レグホーン」 のオス
 
私たちがニワトリというと、最初に思い浮かぶのがこの白いニワトリではないでしょうか。
レグホーンは代表的な卵用種で、産卵能力が非常に優れており、年間200~300個以上の卵を産むそうです。
卵用種のニワトリも乳牛と同様、産卵能力が落ちると殺して肉などにします。
 
 
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「ガチョウ」
 
 
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そして、「アヒル」
 
直接、目にすることはあまりありませんが、ガチョウやアヒルも人間の用に供されます。
 
最も身近なのが、「羽毛」 でしょう。
「グース」 「ダック」 と言えば、羽毛布団やダウンジャケットですね。
私たちは、この鳥たちからむしり取った羽でできた布団やジャケットで体を暖めているわけです。
 
そして、 右差し 「フォアグラ」
 
言わずと知れたアヒルやガチョウの脂肪肝。
自動車にガソリンを給油するように、アヒルの口の中に金属の器具を突っ込み、"強制給餌" を日に3回 行います。そして、人工的に肥大した肝臓を作り、それを摘出して食材にします。
 
鳥たちにとっては正に "拷問" ですね。 人間とは、本当に恐ろしい動物です。
 
 
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そして、忘れてはならないのが 「ウマ」
このウマたちは、豊橋のんほいパークで撮った木曽馬です。
 
 
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日本で飼育されているウマの多くは競馬で使う競走馬や乗馬のためのウマだそうです。
ご存じのとおり、怪我や高齢などの理由で用を足さなくなったこれらのウマは "廃用馬" として屠殺されます。 彼らが天寿を全うすることはありません。
 
私は乗馬をする人たちは、馬好きの人だとずっと思っていました。しかし、この事実を知ってから、"馬が好き" という言葉の意味が私と異なるのだと思うようになりました。

つまり、乗馬愛好家たちは、"ウマ" が好きなのではなく、ウマに "乗ること" が好きなのです。
 
また、ウマも他の家畜同様、食用として繁殖させ、殺して肉にしています。日本で飼育されているウマの2割は食用です。
 
 
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東山の 「こども動物園」 には、「ヒツジ」 が2頭、暮らしています。
 
 
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「やえ」 と
 
 
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「やよい」 です。
 
 
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ヒツジで私たちの生活に身近な物と言えば、やはり 「羊毛」 でしょうか。

餌の干し草をたくさん食べて、
 
 
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春を迎える頃には、こんなになっちゃいます。
(写真は 「やよい」)
 
 
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この毛を夏が来る前に刈り取ります。
 
 
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「やえ」 も
 
 
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この通り、すっきり。
 
 
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日本で飼育されているヒツジは、ほとんど 「コリデール」 という品種だそうです。東山で飼育されている2頭も同種。毛肉兼羊種で、どんな気候風土にも適応し、飼育しやすいそうです。
 
一般的に、野生の動物は冬毛から夏毛に自然に生え換わります。
しかし、家畜のヒツジたちは自然に毛が抜けないように品種改良してあります。
従って、かわいそうなことに、定期的に毛を刈らないとどんどん毛が伸び続け、えらいことになってしまいます。
 
右差し 「史上最大の羊!? 脱走し毛が伸び続けた羊、42.5キロの羊毛を刈られる!」
   エニグム 2015/09/03
 
当然、ヒツジたちも、体から羊毛を採取するだけでなく、肉にもします。
 
 
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そして、最後に 「ヤギ」
 
 
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現代の日本では、最も馴染みのない家畜かもしれません。
 
 
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ヤギは家畜として大昔から飼育され、用途により乳用種、毛用種、肉用種、乳肉兼用種などに分化し、その品種は数百種類に及ぶ。
 
ヤギは粗食によく耐え、険しい地形も苦としない。そのような強靭な性質から、山岳部や乾燥地帯で生活する人々にとって貴重な家畜となっている。(…)
 
ヤギの乳質はウシに近く、乳量はヒツジよりも多い。明治以降、日本でも数多くのヤギが飼われ、「貧農の乳牛」とも呼ばれたが、高度経済成長期を境として減少傾向にある。
 
しかし、近年ではヤギの愛らしさ、粗放的飼育に耐えうる点等が再評価されつつある。これを受けて、ヤギ愛好者・生産者・研究者が一堂に会する「全国山羊サミット」が年に1回、日本国内で毎年開催場所を変えて開催されており、年々盛況になっている。 (ウィキペディアより)
 
 
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あと、ヤギのエコでエシカルな活用法が 「除草」 ですね。
 
固い植物でもよく食べるので、除草に利用される。他にも草刈り機を使わない事から燃費がかからずコストが安く済みCO2の排出がない、人が移動しにくい斜面でも活動できるという利点があげられる。
 
副次的な効果として、日本ではヤギの飼育自体が珍しく近隣住民などが平和に草を食む様子を見物に集まる事で、地域のコミュニュケーション活性化につながるとの報告もあがっている。
 
耕作放棄地に放牧することで雑草を除草し、イノシシの隠れ場所を減らすことで結果的にイノシシの農作物に対する食害を減らす試験が行われている。(ウィキペディアより)
 
 
 
 
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こういったほのぼのとした活用方法なら大歓迎です。
 
 
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さて、2回にわたり家畜と呼ばれる動物たちについて書いてきました。
 
私たちの生活に一番身近な動物であるはずの家畜たち。
しかし、私たちは、「ブタ」 や 「ニワトリ」、「ウシ」 や 「ウマ」 について、一体どれだけのことを知っているのでしょうか?
 
 
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私たち人は、産業動物たちから実に多くの恩恵を得ています。
 
私たちはこれらの動物が、どのようにしてこの世に生まれ、どのように飼育され、どのように殺されるのか知らなくてはなりません。それを知ることは、私たち、命をいただいている人の義務だと思います。
 
これらの動物たちの儚くも悲しい一生については、また改めて書きます。