前回は一家が室内から屋外展示場に出てくる様子をお伝えしました。今回は一家が屋外展示場から室内に戻る時の様子です。
 
 
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15分か20分ぐらいでしたでしょうか。
 
ゴリラたちは、しばらく外でくつろいだ後、部屋に戻り始めました。 この時、最初に動き出したのはネネでした。
部屋から持ってきたお気に入りの麻袋をちゃんと持って帰ります。 何とも可愛いネネさんです。
 
 
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次にアイ

この時、シャバーニがみんなの動きを見ていますね。
 
 
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アイを追うように、子どもたちが続きます。
 
 
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そして、最後にシャバーニが、子どもたちが部屋に入っていくのを見届けてから腰を上げます。
家族のうち1頭だけ外に残るということはまずありません。
 
 
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頻繁にゴリラ舎を見に行っているわけではありませんが、私が見た範囲では、部屋に戻る時、シャバーニが最初に部屋に戻るところは見たことがありません。 きっとシャバーニは、家族の動きを見ながら自分は動くのでしょうね。
 
 
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大きな体にもかかわらずゴリラは意外と身軽
 
 
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高い所でも難なく上ります。
 
 
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それもそのはず、ゴリラというと地上で生活しているイメージがありますが、シャバーニたち 「 ニシゴリラ 」「 ヒガシゴリラ 」 と違い、多くの時間を樹上で過ごすゴリラだそうです。
 
 
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誰かが合図しているわけでもなく、みんなお互いにそれぞれの動きを見ながら集団で行動するゴリラたち。 こういう行動を、同じ大型類人猿で集団生活をするチンパンジーの群れと比較すると面白いかもしれません。
 
 
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そして、いつものように、最後にシャバーニ、ど~ん!

一家が部屋に入ってしまうと、見学していた来園者から 「あ~っ」 とため息が漏れます。
 
 
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これでおしまいかと思いきや、シャバーニが戻ってきて入り口に座り、外を偵察。
この行動は、特に一家が部屋に戻る時に見られます。
 
そんな彼を見て来園者は、「サービス精神旺盛! わかってるね。」 などと大喜びするのですが、彼の気持ちとヒトの気持ちは全く違うのかもしれませんね。
 
 
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話は変わりますが、先日、職場の若い衆の結婚式に出席しました。
 
披露宴の中頃に、新郎新婦の衣装替えがありました。退場する時にエスコートしてもらう相手を会場の中から自ら指名します。これも定番ですが、彼はお母さんを指名しました。
 
司会者に今日の感想を聞かれたお母さん。
彼が生まれたときの喜び、一緒に暮らしたこれまでの日々、今日巣立っていく寂しさ、そして、最後に、ここまで見守ってくれた人たちへの感謝の言葉を切々と述べられました。
 
その言葉ひとつひとつに、彼を産み育ててきた親の子に対する愛情が感じられました。
多分、彼はこれまでお母さんからそんな話を聞いたことはなかったでしょう。お母さんの話を横で聞いていた彼は、瞳を潤ませながら必死に涙をこらえていました。
 
そんな彼の姿を見て、私も泣きそうになりました。
 

ヒトもヒト以外の動物も、"家族" というのは最も基本的で自然な社会形態なのでしょう。そのつながりの強さは、ヒトの社会も動物の社会も同じだと思います。
 
しかし、それに反してシャバーニ一家を離ればなれにする時が来るのかも知れません。
 
 
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その時、私たちヒトは、その行為にどんな意味を持たせるのでしょうか。
 
 
次回、シリーズ最終回です。
 
 
■おまけ
シャバーニを見に来た来園者の一番の関心事。
それは「シャバーニは、いつ外に出てくるのか?」 ですよね。
 
現在、ゴリラ舎は、屋内と屋外を仕切る扉が常時開かれ、ゴリラたちが双方を自由に行き来することができるようになっています。
 
 
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ご覧の通り東山のゴリラ舎は、シャバーニ人気で見学者が異常なほど殺到しているため、ゴリラたちの健康を考えての措置だと思われます。
 
 
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たまに、「シャバーニ~!」 と大声で叫んでいるにいちゃんや子どもがいますのでね。
 
 
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では、ゴリラたちは一体いつ外に出てくるのか?
 
天候や季節にもよるのかも知れませんが、私の観察では、1時間に2~3回、つまり、20、30分に1回は外に出てくるようです。
ということで、1時間、せめて30分は待つ忍耐力がないと屋外で過ごすシャバーニには会えないかもしれません。
 
ただし、夏場や冬場は、待ち時間がもっと長くなるかもしれませんが ……。