「初夏にかけ活性化する猫のみ」
初夏に掛かる頃から、動物病院には皮膚病の来院が増えて来る。犬でも猫でも背中からお尻の回りにかけて、強いかゆみと脱毛があれば、獣医師はノミ感染によるアレルギーを疑う。気温の上昇と共にノミも活性化してくるのだ。
猫ノミの体長は雄の成虫で１．２～1.8ミリ、雌の成虫で１．６～2.0ミリ雄のほうが小さいの｢ノミの夫婦｣の語源だ。成虫は宿主の皮膚から吸血し、雌は１日に１０個以上の卵を産み、幼虫は成虫のフンなども食べ、サナギを経て孵化し、成虫となる。バッタなどと違い、チョウやガのように完全変態をとる。
ノミというと、体長の100倍にも及ぶとされるジャンプ力に目が行くが、成虫を正面から見るとかなり扁平で、動物の体毛の中をすり抜けていくのに適した体型をしている。卵は最適な環境で３週間ほどで成虫になり、寒くなればサナギで冬を越す事もある。室内が暖かくなった現在では、年間を通じて繁殖が可能になっている。犬についているノミも殆どが猫のみである。
人に寄生して繁殖する事は無いが、これからの季節(猫のいる環境で)人の膝から下にかゆみや発心があれば，ネコノミ刺傷によるアレルギーを疑っても良いだろう。卵や幼虫は、サナギは濃厚感染ならば体毛の中に成虫と一緒に確認することもある。またカーペットや畳の縁などが、繁殖となっていることもある。
帝京大学 教授より
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