日本の根源は「東北人の気質」にある
仙台に在住の、作家の伊集院静氏が、被災地の皆様への会話
の中で、地震直後の3日間で、マグニチュード6~7級の地震
が、21回ほど有りました。ガガガガガッと音と、凄い揺れ
が、昼夜問わず30分おきにくる事を想像してください。
嫌になっちゃいますよ。東京でも揺れたと思うが、そんなも
のではないと。普通の人なら、神経がやられちゃうと思います
。じっとしても、まだ揺れている、感覚が収まらない。
被災地にいると、政治やテレビの報道が、東京中心なのが目
に付く。東京都だけで1千万人が住んでいるので、しょうがな
いが「こっちは2週間もずーと停電しているのだから、君たち少
しは我慢したらどうだ」と云いたい。「買占めも東北では起きて
いない」それが東京・大阪になると起きる。町にコミューン(地域
共同体)が無いからです。
それは、何故この町に自分が住んでいるのかという、信念が無
いから、信念というものが生きるうえで必要だと言う教育を、
怠ってきたからです。買占め連中を含め、大学卒業までの教育
で信念を教えてこなかった。原発の問題については、結局、
資本主義の社会全体が問われるでしょう。原子力で.発電を起こ
さないと、経済生産性が保てないのか、と言う問題です。原子
力に依存する政策は、国民が賛成してきたんだからね。
今回、非常に象徴的なのは、被害を受けたのが、なぜ東北なのか、
これだけ何度も何度も災害から再生してきたのは、東北しかない。
古くは慶長の大津波から明治29年・昭和8年の大津波も町を再生
させてきた。日本の根源というのは、東北の人たちの気質の中に
生まれているんです。そうした歴史があるから、戦後の復興も可
能になったのではないでしょうか。 伊藤