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数十年前の高校3年の夏でした。
高校生活最後の思い出に夏休みに
故郷の鹿児島から大阪まで自転車
旅行をしました。
鹿児島を出発してから3泊目の夕刻。
山口県に到着して浜辺でテントを
張る場所を探していたところ、
浜辺を歩いていた男性から、
「何をしているんか?」
と声をかけられ、
「今からテントを張る場所を探して
いるところです」と返事をしました。
すると彼は「今からテントを張るのは
大変だろうから、俺の働いている宿舎に
泊まったらいい」と案内してくれました。
その男性は夫婦で宿舎の炊事を生業と
している方で、風呂に入らせてもらい
夕食をご馳走になり、一泊させて頂き
ました。
明くる朝、出発間際に男性から
「これを持って行け」と千円札を
渡されたのです。
食事や宿泊の面倒をみてくれたうえ、
見ず知らずの私にお金までくださると
は何という人かと、感激の余りお礼も
そこそこに大阪に向かいました。
夫婦は、決して裕福ではないように見え、
しかも当時千円と言えば、かなりの大金
でした。
鹿児島に帰ってから礼状は出しました。
今でもその時の人の情けとありがたさが
身に染みて、何らかの形でお礼がしたいと
思っていましたが、年月の流れで住所や
お名前など失念して、お礼のしようも
ありません。
ある時、その一件を人に話したところ
「お礼出来ないのは残念だろうが、
必ずしもお礼にこだわる必要はない。
ご恩返しと言う言葉があるが、
ご恩送りと言う言葉もある。
受けた恩を返したいなら、困った人を
見かけたら、その人を助けてあげたらいい。
これをご恩送りと言う」
と教えられ「なるほど」と、その言葉の
持つ意味に感銘を受けてそれを実践
するよう努めています。
あの時の親父さん夫婦、
その節は大変お世話になりました。
ありがとうございました。
ご恩返しとご恩送り
「ご恩返し」とは、恩を受けた人に
直接その恩に報いること
「ご恩送り」とは、受けた恩を直接
本人に返せない場合など、かわりに
別の人に対してその恩に報いること
*************
傍若無人だった若い頃、優しく接して
下さったかた、失礼を笑って流して
下さったかた、厳しく接して社会を
教えて下さったかた。
謝罪もお礼も出来ない年になって
気がつくことが多々ある。
というかそんなことばかり。
わたしも年月の流れでお礼や謝罪の
しようもない。
そんなとき上記の文章に巡りあった。
わたしも出来る範囲で、ご恩送りを
しようと思った。
若い頃に巡り会った沢山の方々、
その節は大変お世話になりました。
ありがとうございました。













