◎12月15日(金曜)(IE4クール2日目)❶
昨日は24時間点滴が始まったのが遅かったけど、今日は11時頃から始まった。
抗がん剤も始まり点滴台を引きずりながらコンビニからの帰りのエレベーターで、見てはいけないと思いつつも、同じ抗がん剤のラベルを貼った女性と乗り合わせた。
同じ階で降りたので、思い切って声をかけてみた。
「ごめんなさい、ラベルが見えてしまって同じ抗がん剤だなと思って。失礼ですけど肉腫ですか?」
「平滑筋肉腫です。ホントだ同じだ。何回目ですか?ウィッグってどうしてます?」
「私は横紋筋肉腫なんです。4クール目の2回目です。割とすぐ抜けるから、処理が面倒なんで入院中にすぐここの床屋で坊主にして、ウィッグは前の抗がん剤の時に早めに買いましたよ。ウィッグは安めの物で十分用が足りますよ。」
「私は手術するんで、そのための抗がん剤なんです。手術したらもう終わり!って思ってるんで、ウィッグは安いやつにします。アデランスとか高すぎですよね。」
と若干嬉しそうに話してる感じがした。
話しかけなきゃ良かった…と正直思った。
この方は私より軽くて手術対象者なんだ。
羨ましさと妬ましさが込み上げてきた。
「私は手術出来ないんですよ。手術上手くいくといいですね。頑張って下さいね。」と私なりの精一杯の言葉をかけ、その場をを去った。
病室は、私のお向かいさんが79才で大腸癌で食事が取れなくなり入院。
他のお二方は乳がんの方と胃がんで77才の方でそれぞれ手術。胃がんの方は2年前にも内視鏡で胃の手術をして、今回も内視鏡だったそう。
みーんな手術出来ていいなぁ。
手術すればそれで、はい終わり、って訳じゃない事くらい十分分かっている。
再発・転移の心配はずっとつきまとう。
でも私はその土俵にすら立てない延命治療。
何回も書いてるけど「頑張りましょう」「大丈夫ですよ」なんて言われた事なんか1度もない。
病室で先生がお二人にそう言ってる声が聞こえてくる。聞きたくない!
こんな病室嫌だ、早く出たい!
ますます気分が暗くなった。
涙が止まらなくなった。
でも私より軽い人達を羨ましがったり妬ましく思ってる私は、器が小さくて、弱くて、魅力のない人だろうな。
今の私を他人として端から見た時に、きっとそう思うから。
私と同じ状態の方は、私みたいな気持ちは湧いてこないのかな?
思ってたとしても、自分の中だけに留めといて人には話さないもの?
まして誰もが読めるブログになんか、そんな黒い心の内を書かないだけ?
誰しも隣の芝生は青く見えるもんだ。
そして誰もが大なり小なり何かを抱えて生きいる。
私が手術が出来て羨ましい…って思ってる人達でも、大きな悩みや不安を抱えて生きてるかもしれない。
私は癌にばかり囚われて、私より軽いかどうかだけで判断して、手術が出来て羨ましい…とそればかり思ってたけど、生きていれば他にも当然色んな事が入り混じっての人生で、その方の背景の重さまでは分からない。
私が抱えてしまった物は、癌になったということ。
もし癌になってなければ、今頃は違う事で頭を悩まし眠れない日々を過ごしていたかもしれない。
まさかここにきて、100万人に数人の希少癌になり、症例のない頸部食道癌で、進行が早く再発・転移率の高い肉腫、しかも手遅れで延命治療しか残された道はない。
3年生存率15%以下で予後不良。
そんな絶望の中でも、病棟先生が言っていた。
「治療法がない癌もある中で、標準治療があるのは良い点だ」と。
要はその人の考え方次第なんだ。
治療に対してどう向き合うか。
絶望の中にも自分にとっての幸運を探し出せるか。探し出してそこに感謝と喜びを感じていけるか。
残された人生、前向きに生きるか、後ろ向きに生きるか。
自分の悩みや感情や不安を表に出すか出さないか。
臨床心理士さんは、辛い気持ちは全部吐き出して良い、それが家族だしチームなんだから…と言ってたけど、本当に吐き出して良いのだろうか?
吐き出す事で、私の気持ちは確かに楽になる。
でも家族だって同じように辛いのに、私の気持ちを聞かされたら、家族の気持ちはどうなるんだろう?その行き場を何処に持ってくの?…とも思う。
家族も第2の癌患者と言われてるのに。
そりゃ、自分で処理して自分の中で完結出来るのが1番良いに決まってる。
私はそうゆうタイプじゃない。
それだと何だか私らしくない気もする。
でも、私は最後まで魅力のある人間で居たい。
強くなったね、頑張ってたね、ってそうゆう人になりたい。
そしたら今のままの私じゃダメだよね?
弱音や不安もこのブログでしか吐き出さない方がいいのかな?
癌の進行と戦いながら、自分も変えてくってすごく大変。
「考え方や自分を変えるのは難しいこと。そこに意識を向けないで、◯◯さんが大切としている事に目を向けて過ごされたらよいと思いますよ。」と精神腫瘍科の先生は言っていた。
大切な事に目を向けてる時は、確かに不安や恐怖に支配される時間はその間は少なくなると思う。
でもそう過ごす事で私の何かが変わるの?
私の意識が変わってくるんだろうか?
自然と自分が変わるのか?
教科書がないし、正しい答えなんてないから、何が正解なのか分からない。
白黒何でもハッキリつけたい私にはモヤモヤする。
今はまだ状態がいい。抗がん剤が奏功してるから。(…と思っている。)
けど、また再発して、効くかどうかもわからない違う抗がん剤になった時は、今よりメンタルは確実に落ちる。
そのうち介護保険の申請とか在宅の話しも出てくる時がやってくるだろう。
その時の私がどうかなんて今想像しても分からない。
その時その時で自分が置かれてる悪くなってくる状況を少しずつ受け入れて、その段階の覚悟が出来てる私になってる?
いや、性格的にそれはないかな?
いつどうなるか分からない先の事なんかを今心配してても仕方ないよな。
でも、こうゆう病室の中に居るのはキツイだろう…という事だけは今から想像がつく。
なら個室に行けって話しだけど、それには大金かかるし我が家には無理な話しで‥。
これ以上考えるのが疲れてきた。もうやめよう。
自分が思い描いてる「強くて魅力的な人」になりたいけど、なかなか難しい。
私の最終課題だ。
主治医が来た。
「お腹のシコリの手術の話しはどうなりますか?抗がん剤終わってすぐ再発とかになっちゃったら心配だし、のんびりしてる時間はないかなと思って。」と伝えたら、
「今は画像上線の様になってて、それがどう変化してくるか、手術か放射線かなどを1月に入ったら科で検討しようかと思ってます。」
と答えてくれた。
「あっ、昨日はチョコレートとコーヒーありがとうございました。空腹にしみました。」
と満面の笑みでお礼を言ってくれた😄
「バレンタインの時もプレゼントするから楽しみにしてて下さいね〜」と伝えたら「お気使いありがとうございます。」と頭を下げながら笑顔で帰って行った😄
バレンタインは去年はショボいの渡しちゃったから、今年はちょっとだけ奮発しようかな🎵
先生の笑顔を見れるのは、患者としてやっぱり嬉しい。
もちろん個人差あるし、私はそうゆうタイプだからかもしれない。
だけど、こうゆう些細な事って患者にならないと気付かない。
笑顔ってホント大事だと思う。
私が医療従事者として働いてた時は、忙しさに任せて眉間に皺寄せてた方が多かったんじゃないかな💧
嫌なタイプの患者さんには、明るさまに「貴方、嫌です」という態度で接してた記憶もある😥
接客態度がなってなかった、患者さんの気持ちを第1優先に考えてなかった…と本気で反省する。
今なら良い仕事が出来る自信があるけど、1月の傷病手当ての受給が終了したら、仕事は辞めようかと思っている。
いつ再発してキツイ抗がん剤が始まるかも分からないのに、責任持っての仕事は無理だろう。
社長は「完全に辞めてしまうと◯◯さんが社会との繋がりが絶たれてしまう不安があったり、少しでも気持ちに張り合いが持てるなら、席だけ置いとくのでも構わない。保険は旦那さんの扶養に入る方がいいと思うから、保険関係は全部切り替えて席だけ残しておくのでも良いし、完全に辞めても良いし、◯◯さんの好きな様にしてくれて構わないよ。」
と言ってくれているから、ありがたいお話しだ。
席だけ残しておいてもらおうかなとも考え始めた。
まだ時間あるし、ゆっくり考えよう。