入院してから数日間の私のメンタルはボロボロで、考えては泣いて過ごし、家族に電話やラインで色々言われても、自分でどう考えたらよいのか分からないままで、全く変わらなかった。


なんで私なの、なんで希少ガンなの、なんでもう治らないの‥と状況を受け入れられず、死ねばもう考えなくてすむから死にたい‥と何回も思った。


でも、その度に子供達の顔が浮かび、「ママがこんな病気になっちゃってごめんね。まだまだずっと君たちと一緒にいたいよ。」と子供達の笑顔を思い出し、自殺はダメだ!と何回も思い直した。


臨床心理士さんとも面談した。

泣きながら話しを聞いてもらったが、気持ちはスッキリせず解決しない。

でも心理士さんは、私は状況をしっかり把握してるし、鬱でない、バットニュース後の心理反応で自然なものだと言ってくれた。


とにかく心のよりどころを見つけたかった。


癌患者の本でも読んでみたら、多少違ってくるか?と思った。


結婚してからは育児仕事に追われ、読書する暇がなかったが、私は昔から読書が好きだった。買って満足して読まない本もいくつかはあったが。


ネットで癌患者の本を探した。


その中で、これは今の私が読むのに良いかも‥と思う本を見つけポチリ、妹宅に届くようにし、面会は出来ないが妹に病院まで届けてもらった。


本は一気に読んだ。


精神腫瘍科の先生が書いた本だ。


癌と告知されてそれを受け入れるまでの混乱、怒り、葛藤、その後の心境の変化、そして人間にはレジリエンス力というものがあり、それは自分が気付かないうちに日々グラデーションの様に変化していく。


心に響いた箇所、気持ちがダメな時にすぐに読みたい箇所に、蛍光ペンで線を引いたり、ページに折り目をつけたりした。


この本を読んだら、私は癌になってしまったんだ‥それも治療法が確率されてない希少ガン。それはもう仕方のないことで運命なんだ‥という最低のラインだけは受け入れることが出来るようになった気がする。


これがレジリエンス力なのかは分からない。


だが、入院してこの数日間、泣いてばかり過ごしていた私が、こう思える様になったことは一歩前進だ。

でも、それ以上のプラス思考までは発展せず、そこは今も感情が行ったり来たりしている。


この本は、最低だった私の気持ちが救われた1冊だった。