妹が持ってきてくれたパソコンで、声フォントの作成をはじめた。
この声フォントを見つけてくれたのも妹。
作成するのに必要な物を全部用意してくれたのも妹。
癌が発覚してから私はパニックになり、自分の事しか考えられないこの1ヶ月だった。
声を失うかも‥と分かってから、色んな情報を集めてくれ、今後の生活が困らないよう教えてくれたのも妹だった。
頭が上がらない。
やはり姉妹は良いもんだ。
声フォントは、自分のよく言っている言葉を録音するのかと思っていたら違った。
イントネーションに気を付けながら、表示
されている例文を読み上げて、声を録音する仕組みだった。
私は滑舌悪いことに初めて気づいた。
しかも、読みづらい外国の町の名前やカタカナの名前のような単語がたくさん出てきた。
カタカナを読むのをすぐに間違えるし、イントネーションもなんかおかしくっなってしまう。
ナレーションを収録している様な感じで読み上げると上手くいくのだろうが、それが難しい。
はっきり覚えていないが800〜1000個近くの例文をクリアしなければならないのに、まだ100個くらいですでに数時間経っており、これじゃラチあかない!と妹がまずは例文を読み上げ、その後に私が続いて読み録音する‥を繰り返し、午前中から始めたのに、取り終えたのは夕方遅くだった。
妹は本当はこの日に帰るハズだったが、収録に時間がかかり過ぎたため、翌日の午前中に帰ることになった。
妹の家族、ごめんよ〜。