電話一本で笑顔になるなら
「岡田さん、ボランティアでしょ? なんでしてあげるの?」
そう聞かれた。
わしは答えた。
「その人が笑顔になってほしいから。」
すると、
「私は利益を求めてしまう。なんで利益がないのかわからない。」
そう言われた。
そりゃ、そう思うのもわかる。
学校に行くにもお金はかかった。
勉強する時間も使った。
資格を取るまで、簡単な道ではなかった。
「それなのに、なんでボランティアなん?」
そう思う人もおると思う。
でもな。
わしは、資格を取ったから誰かを助けてあげる、なんて思っとらん。
ただな。
わからんより、わかるから繋げるだけなんよ。
どこに相談したらええか。
誰に話したらええか。
どんな支援があるのか。
それを少し知っとるだけ。
わしが全部できるわけじゃない。
できる人、専門の場所へ繋ぐだけ。
でもな。
わしがそれをする理由がある。
それは、わし自身がしてもらったから。
苦しい時に話を聞いてくれた人がおった。
手を差し伸べてくれた人がおった。
必要な場所へ繋いでくれた人がおった。
その一本の繋がりで、わしは前を向けた。
だから今度は、わしができる時に渡していくだけ。
電話一本で、その人が笑顔になれるなら。
安心できるなら。
「よかった」って思えるなら。
わしは電話をかけるよ。
それが、わしにとっての利益なんかもしれん。
お金では買えん笑顔。
それが見られることが、わしには何より嬉しいんよ。