鹿島槍東尾根
海外遠征に向けた総仕上げとして選んだルート。遠征登山隊のメンバーはわたししか参加しないけれど、大源太を共にした頼れるWAKAさんとやる気満々の新人Kくんの所属山岳会の仲間と登ってきました。
取り付き。ピンクリボンばっちりで迷いようがない。
3月31日~4月1日という日程での1泊2日だと、例年なら若干早い印象を受けるけど、今年の暖かさなら既に残雪期の様相であろうと読んでの1泊勝負。これは見事に的中でした。雪は程よく締まっていて高速道路状態。
あっという間に稜線に出られ、素晴らしい眺望が待っていた。
しかしι(´Д`υ)アツィー 早々とTシャツ以外を脱ぎ捨てました。
一ノ沢ノ頭からでも全貌が見通せる良心的なルートです。
一時の暖気の影響で大きく切れているところがわりとあった。4月中旬頃にはもう崩れてそうだな。この日は締まっていたのでさして心配なく歩けました。
二ノ沢ノ頭から第一岩峰、第二岩峰をオブザベする。はっきり見えるので臆することなし。難しそうなところはなさそうだ。
第一岩峰に向けてリッジをつめる
第一岩峰直下は幕営適地。設定していたリミットより早く到着したので、先の幕営適地を目指すことに。残っていたテントサイト跡で休憩。後ろ中央に見える雪壁をつめて、スカイラインを右上していくのがルートです。
第一岩峰では結果ザイルを出しました。そのドタバタは動画でどうぞ。
第二岩峰を抜けた先の鞍部で幕営しようと考えていたが、ドタバタあって時間をくってしまったので、中間部で幕営することにした。
この日はブルームーン。登ってきた稜線がはっきり見えるほど明るい夜でした。夜中でも先に進めるねと、仲間。
2日目は雷鳥の鳴き声でスタート
満月は鹿島槍の後ろに沈んでいきます。なんかいい朝だなあ
第二岩峰手前の鮫のヒレのように見える箇所のトラバース。慎重に
振り返ると日の出
第二岩峰取付に到着。
リーダー特権でリードさせてもらう。
幕営装備を背負っての登攀なので核心部分はハングを殺さないと難しく感じるかも。上画像のように足を広げて登るのが正解ムーブ。
第二岩峰でビレイしていたわたし。
ここでザイルを解いた以降は出す場面はまったくなかった。
鹿島槍は双児峰。左に見えるのが南峰、右が北峰です。
北峰登頂
南峰登頂
下山は状態が良さそうな鎌尾根のルートを使いました。これが大正解で15時頃に登山口に戻ってこられました。
さて、駆け足になってしまいましたが、訓練には物足りない山行となってしまいました。つまらなかったわけじゃないのです。逆に楽しかったのです。ただただ楽しいだけの山行でした。天気最高、仲間も最高、クライミングもあったし、申し分ないルートでした。まるで御褒美のような山行でした。
今年は、蒲生岳、磐梯山東壁、大源太コブ岩尾根と、普通のルート集には出てこないようなグズグズの山ばかりやってきたから、きっと、明瞭なルートに肩透かしをくったのだな。まあ雪の状態、天気がいいと、残雪期はこういうものだ。念頭にあったルートを楽しくクリアできたのは単純に儲けたと思って、次を見据えよう。さあ、これで遠征前の山はおしまい。あとはまだまだ仕上がっていない遠征準備のほうに力を入れていかねば。標準的な好ルートですよ。赤岳主稜、白馬主稜、涸沢岳西尾根あたりをクリアしたら、是非チャレンジしてみてください。
兎にも角にも、鹿島槍ヶ岳ははじめて登ったので、これで日本百名山の記録を79座に更新しました。そろそろ80座目前ですが、こちらはのんびりとやります。(おわり)