山行報告【白馬岳主稜(春合宿・雪稜入門)】1日目 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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2. 山行記録




前書きの通り、この日は停滞すると既に決めていたので、予定より2時間遅い8時に猿倉駐車場を出発。天気は画像のとおりピーカンでした。




本当に天候急変するのかしら?とワイワイガヤガヤ登っていたら、あっという間に停滞幕営予定地の白馬尻に到着。まだ11時前とあっては、ここにテントを張っている者はおらず、同時刻出発の他の皆さんは、せっせと八峰への取り付きに向かっているのでした。




うーむ、私たちのように停滞と決めている隊がまったくいないではないか。黙々と取り付いている隊を尻目に、なんとも言いようもない思いに囚われたりするものの、彼らが私たちの安全を保障してくれるわけではないのだから、他所は他所と、我々はテントを張るのでした。


そして、温かいのでテントの外で午前中からアルコール♪うーん、幸せだな~




八峰を登っていく隊を8から9見送った頃でしょうか?晴天どこ吹く風、西のほうから嫌な雲が立ち上りだしました。そして正午前になると雨が降り出しました。おお、まったく予想通りじゃないか。テントに入ってさっさと飯にしよう!


さてさて、今回は停滞したのでおまけがつきました。八峰への取り付きルートが別隊の行動を眺められるので丸わかりなのです。やはりルート取りが見えるというのが入門ルートたる所以なのかもしれない。そういえば赤岳主稜も下からルートがよく眺められたっけか。




てなわけで、皆でルート確認などし、明日、明後日の最新の天気予報を入手しつつ、明日の行動計画を練る。最新の予報では、北ア周辺は明後日から明明後日にかけて大荒れになるとのこと。


さて困った。そんな予報だと予定変更した最新版計画スケジュール(4日早朝取付→四峰幕営→5日山頂→下山)でも不味いことになる。好条件で登れるのは明日だけのようだ。どうしませう・・・


わたしは今回事前に雪質を想像していく中で、自分で決めていたことが1つあった。それというのは、八峰までの取り付きの急斜面と白馬大雪渓の急斜面には、14時または1430分以降にはけして立ち入らないということでした。


雪崩は多くの人が歩いているから起きないということはない。あくまで時限爆弾のようにあるタイミングに突如起こるものだ。そういう意味で、雪崩が起きそうな雪質だったら、何十人歩いていようと、リスクが高いと考えれば入ってはならないのだ。




この日も大雪渓は人だらけだったけれど、わたしは絶対に人の真似でリスクを計ることはすまいと決めていた。


わけで、わたしは明日のスケジュールはこういう行程にすることに決めた。幕営装備を白馬尻にデポして、主稜は日帰りで落とす。このメンバーなら渋滞に巻き込まれても8時間あれば山頂に着けるだろう。さすれば、その日の内に大雪渓を下ってくることも可能だ。


リミットは11時間、3時に出発し山頂を抜け、白馬山荘に14時前に到着できなかったら、大雪渓にどれだけ人が入っていようと私たちは下山せずビバーグする、その旨隊員に告げた。隊員からビバーグするならシュラフを持参したほうがいいのではないかとの進言があったが、ビバーグは可能性であって、あくまで日帰りで下りてくる前提で計画するから持たないと伝えた。


全装で12日で落とす予定だった白馬岳主稜、計画は変更に変更を重ねて日帰りでの挑戦と様変わり。しかし隊員の士気は高い。深夜、強風が揺らすテントで目がさめ確信する。今回の判断は間違でなかったと。(つづく)