山行報告【白馬岳主稜(春合宿・雪稜入門)】前書き | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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1. 前書き

今回の合宿は、前回の冬合宿で学んだことが多いに活かされた山行になりました。冬合宿の山行報告に書きましたが(http://ameblo.jp/tama-xx/entry-11751301295.html )、雪山は様々であり、つまるところ雪山に入山する際には、「雪山に入るという時、天気図を1週間前からチェックしだすのでは遅いということだろう。ひと月前くらいから見ておいていい。入る場所にはいつ雪がふり、その後気温がどうなって、さらに雪がふり、気温がどうで、こういう情報の分析により、いざ目的地に入る際にどういう層の雪山に仕上がっているのか、それを想像しておくこと」が大事なんだということ。


わたしはこれを強烈に叩き込み、それからは実践するようにしたのである。リスクについて一度思えば、それはネズミ講のように広がりをみせ、不安要素だらけで押しつぶされそうにもなるが、そこをある一線で割り切る度量も必要である。格好をつければ必要なのは臆病さと勇敢さのバランス感覚なんだと思う。


まともあれ、隊を組むメンバーは他人であり、自分ではないから、複数人で登る以上は、自分でどれだけ頑張ってリスクを軽減しようと試みても、それはやはりゼロに近づけることしかできず、不安で不安でしょうがないが、そこもやはり格好をつければ仲間を信頼するしかない。そういうことなんだと思う。


わたしは冬合宿以降、天気を予報サイトから情報入手するに止まらず、1ヶ月前くらいから天気図を眺めるようになった。そして目的の雪山の状態を想像するに勤めた。雨がふって、気温がこうだと、こうで、こうで、そんな必要以上の脳内ワークの上で、今回の春合宿当日を迎えたのでした。


当初の春合宿の行動予定は下記のような流れであった。

2猿倉駐車場1:00到着後仮眠
3猿倉駐車場6:00

白馬尻7:00

白馬主稜取付き7:20

八峰→五峰付近11:20

四峰付近12:30(五峰か四峰付近に幕営)
4日:起床3:30

テント撤収・出発6:00→

三峰6:30→

二峰7:10→

最後の雪壁下7:309:30→

白馬岳頂上10:10→

白馬山荘10:3011:30→

大雪渓を下山→

白馬尻13:00→

猿倉駐車場14:00

5日:予備日

アタックのタイミング:理想は3日に四、五峰で幕営、4日に下山であり、これを第一に目指す。 しかし天候を踏まえ、3日に猿倉幕営、4日に四、五峰幕営、5日に下山という可能性あり。


今回は、出発前から初日3日の天気が悪くなることが判明していた。正午前後から快晴の天気は急変し風雪、山頂はガス、落雷の可能性まであるとのこと。さらに、それだけでなく18時過ぎから風が強まり、深夜には20mを超える強風になるとか。


風だけなら、幕営地で雪を深く掘りさげれば幕営可能。我々初心者隊にはかえってこのくらいの風が練習になっていいかもしれない。問題は雷だ。白馬なら横からの雷もある。予報だけでなく、天気図と睨めっこしつつ、宇都宮を跡にし、現地で早朝ピーカン(冒頭画像)の青空を眺めながら出した結論は「初日は白馬尻で停滞」であった。(つづく)