a. 第83回アカデミー賞ノミネーション発表! | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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アカデミー賞協会会員はトム・フーパー監督の最新作「英国王のスピーチ」を愛していた!本作はイギリス映画でありがならなんと堂々の12部門で最多ノミネート!! これはかの「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」を上回る数字であり、もう授賞式を待たずして、本作が頂点に立つのは決した感すらある? 本番で圧勝劇をみせられるか。


2番手とはいえ、コーエン兄弟監督作「トゥルー・グリット」も10部門でノミネートされる圧倒的な支持を受けた。リメイク作品ながら鑑賞した誰しもがこれはリメイクでなくリイメージだと豪語して憚らないコーエンワールドを展開。「英国王~」とは作風も被らず、同類候補も存在しないオンリーワンなら逆転の可能性はまだ否定するには速過ぎる。


3番手8部門ノミネートと後塵を拝したのが、前哨戦で批評家賞を総なめにしたフィンチャー監督作「ソーシャル・ネットワーク」。人気のピークが来るのが速過ぎたとの声も聞こえてきてはいるものの、このノミネート発表は会員にはセンセーショナルに受け止められている模様。保守的な映画の大量ノミネートの反動で、本年の本命であったはずの新進気鋭の本作が再び授賞式で浮上してきたとしても驚けない。


同じく8部門にノミネートを受けたのがノーラン監督作「インセプション」。今ハリウッドにもっとも貢献していると言っても過言でないはずのノーラン監督だが、本年も「ダークナイト」に引き続き監督賞候補から洩れるという悲劇的な結末。監督賞候補になるのが作品賞受賞の大前提である以上、「インセプション」が本年の頂点に立てる可能性はもはやないと言っていいだろう。残念!


そんなノーラン監督から監督賞候補最後の席をぶんどったのが、7部門でノミネートを受けた『ザ・ファイター』のO・ラッセル監督。ラッセル監督は、多くの有力者と確執のある嫌われ者として有名で、華やかな舞台には立てないであろうと考えられてきたが、その逆境をはね除けての候補入りの価値は計り知れない。主要6部門に「英国王の~」と同じ5つのノミネートを送り込んでいることからしても、ダークホースは本作かもしれない。これから授賞式までの間に『ザ・ファイター』陣営がどのようなアピールに出てくるのか、動向が注目されます。


本年一押しの注目部門は主演女優賞部門。3度涙をのんできたアネット・ベニングが本年こそ演技賞受賞の栄冠を勝ち取るのか。はたまた他者を前哨戦で大きく突き放しているナタリー・ポートマンがそのままの勢いで受賞してしまうのか。アカデミー賞主演女優賞部門は多くの若手ヒロインにオスカー像を授けてきた部門であり、例年通りならベニングがまた涙をのまされるであろうこと必定。本部門の一騎打ちから目が離せません。


また大混戦なのが助演女優賞部門。ほぼすべての前哨戦に顔を出していたのは、エイミー・アダムス(ザ・ファイター)とヘレナ・ボナム=カーター(英国王のスピーチ)の両名だが、勝ちきるだけの評価にはなく、実際多くの批評家賞で受賞を果たしているのは、メリッサ・レオ(ザ・ファイター)と ジャッキー・ウィーヴァー(Animal Kingdom)の両名。本部門を複雑にしているのは、もっとも受賞に近いところにいるはずの「ザ・ファイター」陣営から二人候補に挙がってしまっていること。陣営が上手くどちらかに票を集中させない限り、票割れ濃厚共倒れの可能性が高い。会員が好む悪役を演じて強烈なインパクトを残したジャッキー・ウィーヴァーか、作品力で押し切りたいヘレナ・ボナム=カーターか、はたまたデビュー作にして絶賛されているヘイリー・ステインフェルドがフレッシュなパワーで混戦を征すのか。本年は本部門の動向を読み切ったウォッチャーこそが勝者だ!


しまった興奮してしまった。えー、外国語映画賞部門にノミネートが期待されていた中島監督の「告白」はノミネートならずでした。今回、下馬評ではノミネート濃厚との報も多く出ていただけに、陣営もさぞ残念がっていることでしょう。でも自分の仕事がオスカーに手が届くかもしれないのだと理解してしまった中島監督の次の仕事にこそ、おいらは期待せずにはいられませんね。皆残念がっているところ申し訳ありませんが、おいらはあえて言わせて頂こう、中島監督の次回作は絶対「告白」を上回ってくるはずだ。(キリッ)


あと、個人的な感慨として、デビュー作を見て一目で惚れ込んだジェームズ・フランコの初オスカーノミネート(ミルクでは落選したからな~)及びファンであるダーレン・アロノフスキー監督とデヴィッド・O・ラッセル監督のノミネートは喜び百入である。でもって、畑違いの映画音楽でトレント・レズナー&アティカス・ロスがノミネートを受けたのは喜ばしい。本サントラは、おいらが今年最初に購入したCDでもあります。そして、最後に8度ノミネートされながらいまだ無冠であるロジャー・ディーキンスの初受賞。これを願ってやみません。


兎にも角にも、授賞式は日本時間で2月28日。楽しみに待ちましょう♪


*複数ノミネーション作品*

『英国王のスピーチ』 (12部門ノミネート)

『トゥルー・グリット』 (10部門ノミネート)

『ソーシャル・ネットワーク』 (8部門ノミネート)

『インセプション』 (8部門ノミネート)

『ザ・ファイター』 (6部門7ノミネート)

127時間』 (6部門ノミネート)

『ブラック・スワン』 (5部門ノミネート)

『トイ・ストーリー3』 (5部門ノミネート)

『キッズ・オールライト』 (4部門ノミネート)

Winter's Bone (4部門ノミネート)

『アリス・イン・ワンダーランド』 (3部門ノミネート)

Biutiful ビューティフル』 (2部門ノミネート)

『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 (2部門ノミネート)

『ヒックとドラゴン』 (2部門ノミネート)