(前編)第2次益子探訪。-蕎麦漫遊記123~125 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

人の親になっても頂きを目指し、家族と共に攀じり続けるパパクライマーの記録

お盆連休中の最終日、絶対どこかの山に登ってやるぞと、早朝まで計画を練っていたらば、翌日寝過ごした。いうわけで、最終日も蕎麦漫遊することにした。狙いは仕事でもっとも行く機会のない益子町。焼き物で有名な町だ。益子で訪ねたいと思っている蕎麦屋は残り三軒だから、今日で益子は完全制覇ということになるであろう。


===== 


手打ちそば・うどん つのさん』(益子)- 蕎麦麺漫遊記12

まず訪ねたのは、おいらの部屋からもっとも遠い益子に店がある“つのさん”さん。三七で蕎麦を出しているお店なので、肩の力を抜いて食べに行きたいお店ではあるけど、流石のおいらもこの日はお店に事前連絡を入れた。営業しているか確認をしたのかって?いえいえ、違います。今から足を運んでもちゃんと蕎麦が食べられるのか確認をとったのです。というのも、なんと驚くなかれ、この店はお客の注文を受けてから蕎麦を打つのらしいのです。そんな店聞いたことあります?普通ないよね。いうわけで、注文してから打ち出されたらたまらないと、事前に蕎麦食べに伺いますと連絡を入れておいたのだ。


たまのブログ


店に到着すると、店主がお出迎え、電話くれた人かい?はい、そうです。どこから来たの。宇都宮からです。そりゃまた遠いところからはるばる何某。話しているうちについつい“天もりそば”を注文してしまう。三軒梯子するつもりだから、蕎麦以外(天ぷらなど)はなるべく胃に入れたくないのだが。人の良いご主人に上手くのせられてしまった。注文すると店主が奥でそば打ちを始めたのが分かる。あーやっぱりね。本当に注文を受けてから打つのか。それも水回しというそば打ちの最初の最初からやっているではないか。ほんまもんの打ちたてをお客に提供したいというポリシーなんだな~


たまのブログ


待つこと20分もかからずで、おいらの目の前に蕎麦が提供される。想定より遥かに早かった。早打ちを得意にしているのかもしらん。蕎麦は短時間で打って最上と言われるので、そばの早打ちは手抜きってわけじゃない。手で長くこねくり回された蕎麦は、打ち手の体温で香りが飛んでしまうので下である。これは期待できるかもしらんよ。


さてさて、肝心の蕎麦のお味のほうであるが、いかにもな手打ちという素朴な味わいのするそばであった。如何せん三七だから喜び一入というわけにはいかんが、やはり拘っているだけあって、それなりに風味を蕎麦に残すことに成功している。逆におっと思ったのが、もともとは頼む気のなかった天ぷらのほう。店主の奥さんが揚げているそうだが、ぱりっと揚がっていて、新鮮であろう素材を殺さずに見事に提供していた。失礼を承知で書いてしまえば、このくらいの店だと、主婦があげる天ぷらレベルが出てきそうな印象しか受けないけれど、やはり拘りのご亭主にして、勉強熱心な奥さんありというところかな。全体として美味しく頂くことができました。ごちそうさまです。


で、おいらは完食したあと、御主人と20分ばかり長談義をするのだった。内容はやっぱり蕎麦の話し。何故、注文を受けてから打つのかと、普通やりませんよね?と軽くつっこんでみたら、まあ色々聞けて楽しかった。がしかし、最近おいらは特に思うのよ。おいらってば、最近撮影でもないのに、旅番組の収録やっているようなお喋りぶりじゃないかと。なんつーか、うーん、複雑な心境でございます。


で、御主人と20分話し込んでいたら、老夫婦のお客さんがやってきて、この老夫婦が注文して、御主人がカウンターに引っ込んだら、今度は老夫婦と20分も話し込んでしまった。話題は、その老夫婦がトマト農家ということもあって、日本の自給率。おいらの母方の親戚のトマト農家の売りには出さないトマトがやたら美味かったと軽い気持ちで話したところ、うちのトマトのほうが絶対美味いから、今度食べにきなと住所を教わって、はい、絶対伺いますと言ってみたところで、絶対行かないよとなと思っているという、そのくらいの社交辞令はおいらも使います。なんの話しだよ。

【益子】手打ちそば・うどん つのさん 天もりそば ☆☆☆ そば湯 ☆☆☆


【素材情報】

そば粉:常陸秋そばを三七で

つ ゆ:コンブ、カツオ節混合削り

薬 味:葱、わさび


=====


菜とう庵』(益子)- 蕎麦漫遊記12

ふふふ、え? いやね、上手くいったなと思ってね。なにが上手くいったのかって? それはもう腹空かし以外にはないでしょう! なにせ二店目のお蕎麦屋さんは最初のお店か車で5分もかからないんですからね!食後40分ものおしゃべりで、お腹もちょうどいい按配というものでしょう。


たまのブログ


二軒目に尋ねたのは、『菜とう庵』さん。御主人が面白いメニューを多数考案している一筋縄ではいかないお蕎麦屋さんらしい。楽しみである。おいらがこの日注文したのは、その変わったメニューの中から“つけ醤辛そば”。御主人が辛いものが好きらしく、考案されたこのメニューは、おいらが頼むと、何度となく物凄く辛いけど大丈夫?辛さ調整もできるよ?と聞いてくるような代物だった。おいらは辛いの大丈夫な人なので、問題ないですよと告げ提供されるのを待つ。


たまのブログ


これぞおいらが頂いてきた“つけ醤辛そば”だ。確かに辛かった。そばと言えば啜るというのが定番だが、このつけ汁で食べる時は啜ってはいけない。辛いつけ汁が喉の奥に入ってきて、兎に角むせてしまうからである。そばと相性がいいとはとてもいえない一杯だが、さっぱりとしていてキレのある辛さは夏には持ってこい。ま、本音を書くなら、この店は蕎麦と饂飩両方やっているので、饂飩のほうがあいそうなつけ汁でしたが。


食べ終えて、御主人が辛くなかったですかと訊いてきたので、ここでも一談義。話しているととても誠実で人の良い御主人だということが分かる。おいらは是非ともこういうお店に永く繁盛して欲しいと願ってやまないのである。今度は“カレーつけそば”を食べにまた伺いますと、頭を下げて店を出たが、おいらがこの店を訪れることはないのだろうなと、内心では分かっていた。でもこれは社交辞令じゃないんだ。おいらはまた来ますと言って御主人を喜ばせたかっただけなんだ・・・


【益子】菜とう庵 つけ醤辛そば ☆☆☆


【素材情報】 

そば粉:北海道産、茨城県産を二八または三七で

つ ゆ:高知県産カツオ節三種、北海道日高産コンブ、国産干しシイタケ


=つづく====