(前編)那珂川探訪。- 蕎麦漫遊記 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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蕎麦漫遊も終盤戦に突入し、おいらの基本書「再訪そば処栃木の名店を歩く」に掲載されている名店も残すところあと僅かとなりました。残った名店は縁のない遠隔地ばかりで、蕎麦目的のためだけに出ていかなければ味わうことができません。そこで、9月末に悪天で山形遠征が中止となったのを期に、天然鮎で有名な那珂川まで出ばってみることに致しました。那珂川は、おいらの基本書「再訪そば処栃木の名店を歩く」に二店舗掲載されています。当然梯子するつもりです。さらには農村レストランとして掲載されている店も数多いので、そちらにも寄ってこられたらなあと。(つまりは三食狙い)

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那珂川と行っても漠然としているので、目的地は馬頭町周辺ということにしておく。馬頭町は、日本で最初に金を産出した地として「古代産金の里」と呼ばれ、そこから「ゆりがねの里」の愛称で親しまれている地域(ゆりがねとは砂金のことらしい)。最初に目指している蕎麦屋さんは、そのゆりがねの里の古代の中心的位置付けと言ってもよい建武神社の目の前の「ゆりがねの里」。地元の蕎麦粉で打った蕎麦や梁で取れた鮎を出す施設で、地元のおばちゃんによって運営されている、蕎麦屋ってよりは梁と読んだほうがよいような施設。今回は急遽計画しての出立になったので遅い午後発となってしまったが、この施設は15時まで営業しているとのことで、14時には着けるから間に合う算段。ああ、良かった。間に合った間に合った。おっなにやら施設内は叔父ちゃん叔母ちゃんの多人数が宴会をやっていて盛り上がっている。「すいませ~ん」「ああ、もう今日閉めちゃったんだわ。御免ね~」この雨だ。お客も来なかったのだろう。早々と閉めて大宴会と洒落込んでしまったようだ。田舎時間にとやかく言ってもしようがない。再度何処に食べに行くか検討し直さなければ。結局、この遠征で、那珂川名店をすべて潰すことは不可能とあいなった。下手するとこの「ゆりがねの里」が最後までネックとなるかもしれないな。もう一度ゆりがねまで来る気が起きるかななどと漠と考えつつ、「ゆりがねの里」目の前の建武神社で参拝して、この地が、日本武尊の東北征伐の際の軍事拠点であったことを知る。古代、日本武尊は軍艦団をひきつれて那珂川を上り、ここに拠点を構えたのだそうだ。


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日本武尊なんて聞くと神話の域だが、東北征伐のために那珂川を上ったなどと聞けば、俄然認識が歴史に近づいてくれる。滅多に経験しない古代に思いを馳せつつ、神社を跡にした。


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『陶里庵』(那珂川)- 蕎麦漫遊記49。

二店目に訪れたのは「ゆりがねの里」の代打として急遽白羽の矢が立てた「ゆりがねの里」からさほど遠くない場所に立地している『陶里庵』さん。おいらの基本書「再訪そば処栃木の名店を歩く」には、農村レストランとして紹介されているお店です。昼時は過ぎているとはいえ、お客は人っ子一人おらず、店に入って注文をすましてから、油もお湯も火を入れ直す感じの営業。大丈夫なのかしら。おいらが注文したのは、基本書に記載されていた「天もりそば」。農村レストランというだけあって、地産地消のお店です。


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しばらくして、注文した品が届けられる。なるほど店名の「陶」の字は陶器から来ていたのか。自作らしい陶器で出される食器類。


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そば湯もオリジナルの陶器で提供されました。兎にも角にも、いただきましょう。そばを二三本摘み上げて啜り込む、じゅびゅる、ん? なんだこれは、もう一回。びゅるぅ。おお、まったく水切りがされていないではないか。狙いか、狙ってやっているのか?


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しかもよくよく見ると、スクリューがかったちぢれ麺じゃないか。蕎麦でちぢれ麺ってそんなことがあっるのか。これ狙ってやっているわけじゃなくて、なんらかしらのアクシデントで生まれてしまったちぢれだと思うなあ(真相不明)。しかし、ああもう、まったく水切りされてないから、麺がのびることのびること。おいらは蕎麦と競争しにきたわけでなく、食べに来たんだけどな。(こんな言い回しは嫌味だから止めるんだ、おれ)


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でも、天ぷらが結構な御馳走。まいたけ、海老、茄子、南瓜といった定番の他に、大葉のめ、あかば、ニラの花、みょうがなんてえ、珍しい品々もいただけました。ニラの花は始めて食べたし、みょうがを天ぷらで食べるって発想はなかったなあ。皆が想像するような刺激的な味は弱まりマイルドな味わいでありました。いつもこうではないんだろうけど、おいらが来店したこの日の蕎麦はちょっといただけない物でした。おいらのこの日の朝飯(15時前)でもあったので、ハラヘリハラ。細かいことなんて気にせずがっついてしまいましたけどねえ。ごちそうさまでした。


【那珂川】陶里庵/天もりそば ☆ /そば湯 ☆★


【素材情報】

そば粉:馬頭産七割使用

つ ゆ:

薬 味:葱、わさび


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『ゆりがね食堂』(那珂川)- 蕎麦漫遊記50。


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三店目に訪れたのは、美人になれることで有名な「ゆりがねの湯」の施設内にあるお食事どころ。蕎麦屋さんというわけではないが、おいらの基本書「再訪そば処栃木の名店を歩く」には名店として掲載されてはいるお店です。本当に温泉の休憩広間で美味しい蕎麦なんて出てくるのかよ!(大いなる偏見@反省)まあ何物も食べてみないことにはね。早速基本書で紹介されていた“もりそば”と“手作りコロッケ”を注文。


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湯がありで寝に入っているお客さん達を眺めていたら、注文の品が目の前に届く。しかしこの環境で食事というのもなあ、というのは、温泉施設の休憩所に足を踏み入れたことのない人間の意見。まあいいや、美味ければなんでも。おいらは奇跡を信じるぜ。蕎麦を例の如く二三本摘み上げてつけ汁なしで口内の奥へと啜り入れる。ずずぁお。もぐもぐ。ふーむ、つなぎのしっかりした蕎麦だなあ。もう一度。ずずあおぅ。もぐもぐ。うん、これには参った。言うなれば、THE普通MEN! 別に不味いとかそういう風には思わないけど、これで名店とか言われても困る。どういう角度で切ってみても、断面には普通と刻印されている、そういった蕎麦だ。基本書に何割蕎麦か書いてなかったから、取材してみると、四ないし六割ということであった。四っ?名店で四ってことはないだろう。そもそも名店として掲載されていること自体がおかしいってことになるぞ。ここの蕎麦評は細かくやらないが、理由は本文まとめ時に触れるつもり。


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コロッケは親戚の叔母さんのうちで出てくるような中身がたっぷり詰まった野菜コロッケでした。おいらは1個でもお腹一杯になってしまうような。そば湯を飲んで、美人の湯でのんびりと長風呂してから、本施設を後にしました。


【那珂川】ゆりがね食堂/もりそば ★ /そば湯 ☆

ゆりがね食堂/手づくりコロッケ ☆☆


【素材情報】

そば粉:馬頭産四ないし六割使用

つ ゆ:カツオ、昆布

薬 味:葱、本わさび