『農家そば処 隠れ家 蕎香』(壬生)- 蕎麦漫遊記8。 | 栃木県宇都宮市で攀じるパパクライマー

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今回もおいらの基本書「再訪そば処栃木の名店を歩く」に掲載されているお店ですが、そばの名店51に含まれておらず、農村レストランとして紹介されていた40店舗の一店です。時間帯と立地がともに噛み合ったので、栃木方面への仕事の合間に立ち寄ってみました。


それほどの田舎に立地しているわけでもないけど、ちょっと脇に細い道を入っていかなければならず、名前通り隠れ家的に営業しておられました。しかし、店内に入ってみれば、1つしかない大きな木のテーブルは胡座をかいたお客さんが大勢陣取っており、皆一様に並んで蕎麦を啜っておりました。隠れ家的に営業していても十分な支持を獲得しているようです。


早速ボスと靴を脱いで上がり込む。メニューをざっと見て「天ざるそば」を注文して、出来上がりを待つ。本店は栃木では一早く始めて根付いてしまった“地産地消”の推進加盟店。右から左まで出すものは県内産でまかなうことを主義としているのだ。こういった店は宇都宮には多く、「おいしい“地産地消”の焼肉屋」とか“地産地消”が店名になっているお店すらあるくらいだ。昼しか営業していない。蕎麦農家が営業するお店。これは名店51から漏れているとはいえ、期待は高まる。


頼んだ品が運ばれてくる。一見するだけで美味そう。そばを2,3本摘んで啜ってみる。やはり美味かった。蕎麦の味、薫り、キレ、喉越し、抜群である。素晴らしい。オールマイティな蕎麦だ。人間だったらさぞルックスもよかろう。ポジションならショート、そんな具合か。いやは、これはいいね。「御主人、この蕎麦に飾り付けられている、これは?」「そうですか、やはり蕎麦の新芽でしたか。食べられるのですか?」(食べられますよ。食べても美味しくはありませんけれどね(笑)。折角蕎麦農家をやっているのだから、毎朝摘んでくるんです。他ではできないことですからね)「なるほど」


天ぷらもサクサクで美味しい。素材も変わったものが揚げられている。地元民のボスにこれはなんですかなど尋ねながら堪能。根生姜だと思ったものがそうではなくて、地元で昔からよく食べる“なにがし”だったり(忘れた)、結構面白いものが食べられた。つけ汁も蕎麦にあっているし、薬味も新鮮で存在が際立っている。まったくもって大地の人が昼だけ開けているとは思えないクオリティだ。これはもうハナマルをつけてもいいだろう。料理センスというよりも人間のセンスを感じさせるお店でございました。漫遊記オススメ第1号認定です。


AS「ってさあ、そういうところがダメなのよ、たまくんは。よく考えなよ。この漫遊は「再訪そば処栃木の名店を歩く」頼みで成り立っているわけでしょう? なのに、その「名店を歩く」から外されている店にオススメ1号あげちゃう? それじゃあ協力している側の立つ瀬がないじゃないの。1号は適当に載っている店にしてさ、2号でここを認定してあげれば、皆が皆、気持ちよく話しがまとまるじゃない。そういうところを勉強していかないと」


たま「はあ」


【壬生】農家そば処 隠れ家 蕎香/天ざるそば ☆☆☆☆★/そば湯 ☆☆☆☆★(オススメ)


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【素材情報】

そば粉:自家栽培、自家製粉

特 徴:地産地消のお店